東京新聞杯を展望します

レース展望

真冬時の府中における名物マイルG3です。

かつては、ハンデ戦でしたが、別定になっても、極量を背負う馬が数頭います。

なかでも、2014年、牝馬ながら57㎏の極量を背負って牡馬を蹴散らしたホエールキャプチャには感動を覚えたものです。

それ以降、1年おきに牝馬が勝っており、牝馬の活躍が目立ちます。

過去5年の結果

まずは過去5年の結果から見てみます。

馬場勝馬騎手母父斤量タイム通過2着馬3着馬
2020プリモシーンM.デムーロディープインパクトFastnet Rock(デインヒル系)561:33.06-6シャドウディーヴァクリノガウディー
2019インディチャンプ福永ステイゴールドキングカメハメハ561:31.97-6レッドオルガサトノアレス
2018リスグラシュー武豊ハーツクライAmerican Post(Bering系)551:34.17-7サトノアレスダイワキャグニー
2017ブラックスピネルM.デムーロタニノギムレットアグネスデジタル561:34.91-1プロディガルサンエアスピネル
2016スマートレイアー吉田隼ディープインパクトホワイトマズル551:34.11-1エクストラエンドマイネルアウラート

過去5年で牝馬が3回勝っています。昨年はプリモシーンが56㎏を背負って勝ち切りました。56㎏を嫌って軽視しましたが、感動したことを覚えています。

時計は一昨年インディチャンプの時計1:31.9は例外で、今年は悪くはありませんが、1:31秒台は無理で、1:33秒前後ではないでしょうか。

やはり、血統的にはディープ産駒の活躍が目立ちます。良馬場であればディープ産駒の決め手が活きるのは想像に難くないところです。

また、中団からの差し有利ですが、2頭スローで逃げ切っていますので、逃げる馬にも配慮が必要ですが。

各馬診断

ヴァンドギャルド

【血統】 ディープインパクト×Motivator(Sadler’s Wells-モンジュー系)産駒です。昨年は6着でしたが、その後同じコース・距離の富士Sを快勝しています。

母方が重めなので、府中では多少時計が掛かる現在の馬場が合うでしょう。

【距離・コース】→ マイルよりも、ワンターンの1800m位が良いと思いますが、実績はマイルの方が良いようです。

【ローテ】↗︎ マイルチャンピオンシップ以来ですが、中10週ですし、安田記念まで時間があるので、ここは仕上げてくるでしょう。

【その他】↗︎ 57㎏になりますが、乗れてる祐一君なら有力候補でしょう。怖いのは昨年同様出遅れでしょうか。

トリプルエース

【血統】 Shamardal(Storm Cat系)×サンデーサイレンス産駒です。父Shamardalは1400mから2100mのG1を4勝しています。ただ、3勝は1400~1600mで基本的にマイラーです。

母方もサンデーサイレンス×Mr. Prospectorですからスピード系なのでマイル向きと言えるでしょう。

Mr. Prospectorの18.75%で、ペースが速い中で力を発揮できるタイプでしょう。

【距離・コース】→ 1400m~1600mが合っていて、前走は出遅れ気味だった上に、内伸び馬場だったので8着でしたが、着差は着順ほどではありませんでした。

【ローテ】→ 金杯から中4週ですが後傾ラップだったので、ダメージはないと思います。馬体も成長が続いていたので、こんどこそ真価が問われるレースです。

【その他】↗︎ 乗れている団野君には失礼ですが、ルメール騎手への乗り替わりはプラスでしょう。有力候補だと思います。

シャドウディーヴァ

【血統】 ハーツクライ×Dansili(デインヒル系)産駒です。ハーツ産駒のマイラーですが、母方にEl Gran Senorが入っていますので2000mまで対応できそうです。

昨年は2着でしたが、その後マイル戦は今一つでした。ハーツ産駒でもあり、成長力があります。

【距離・コース】→ マイラーですが底力タイプなのでビクトリアマイルのように究極のスピード戦になると分が悪いので、ある程度時計が掛かる馬場が必要です。

【ローテ】↗︎ エリ女以来中11週あり、成長を促すことを含め十分な調整期間が取れたと思います。

【その他】↗︎ 内田騎手のように追える騎手が必要ですが、進路を選べる岩田君への乗り替わりは良いと思います。

ヴェロックス

【血統】 ジャスタウエイ×Monsun産駒です。父ジャスタウエイはハーツ産駒で、母方がスピード系でマイルでも走りましたが1600~2000mで活躍しました。母父はドイツの中長距離馬Monsunです。更に母方はマイラーGrand Lodgeとなっていてマイルも対応できる可能性はあります。

ただ、府中マイルに必要な、決め手があるかは疑問です。

【距離・コース】↘︎ マイルで走る可能性はあります。前走惨敗を距離と結論付けたいのだと思いますがどうでしょう。この馬のベストパフォーマンスは皐月賞でしょう。

また、最大の弱点は「決め手」で、マイルに必要な要素なので、そこは欠けていると思います。

【ローテ】↘︎ 惨敗した日経新春杯から中2週で、これまで大事に使われてきましたが、ここは背水の陣なのでしょうね。

【その他】↘︎ 川田君から藤岡君で、乗り難しい馬でどうでしょうか。57㎏継続はクラシックで活躍したので仕方ないところです。早熟だったのか、有馬記念の惨敗でメンタルが傷ついたか、好きな馬なので頑張って欲しいのですが、マイルはないかなと思います。

ダイワキャグニー

【血統】 キングカメハメハ×サンデーサイレンス産駒です。

母方はRaise a Native系でワンターンのコースが得意なスピード寄りの中距離型です。母も全4勝は1800~2000mでした。

こちらも、マイルに必要な決め手があるかは疑問です。

成長力はあるとは見えませんが、去勢もあり良く走っていると思います。

【距離・コース】↗︎ ベストはワンターンの1800mなのでマイルで走る可能性はあります。実際、一昨年は3着でした。

【ローテ】↘︎ ヴェロックス同様、前走惨敗後中2週となります。今後左回りのコースがないため、ここを使わざるを得ないのでしょう。

【その他】↘︎ 58㎏はベストの距離ではないだけに厳しいですね。左回りしか走らないので、多少無理をしても使うように見えます。

カテドラル

【血統】 ハーツクライ×ロックオブジブラルタル産駒です。

母方はスピード系なのでハーツの地力型マイラーとして、活躍しています。

【距離・コース】→ 前走は完敗ですが、引き続き実績もあるマイルでよろしいかと思います。ムラッ気があり安定した成績ではありませんが、NHKマイル3着があります。

【ローテ】→ 惨敗したキャピタルSから中9週で、特に使いすぎてもいませんので、そろそろでしょうか。

【その他】↘︎ 冬場に走っていないのが気になります。前走は行き過ぎたことが敗因で、ノーカウントとできるのですが、ムラがあります。

乗れている田辺君に期待です。

カラテ

【血統】 トゥザグローリー×フレンチデピュティ産駒です。

いかにもパワー型マイラー血統で、直近2走は中山でのマイルで連勝しています。前走は早めのラップで4角2番手から圧勝でした。

上りが掛かるような展開になれば粘れる底力を秘めていると思います。

【距離・コース】→ マイルで開花しましたが、距離よりも府中向きの決め手があるか疑問です。

【ローテ】→ 中3週で果敢に臨んできました。勢いがありますが月1度のレースが続いていて、どうでしょうか。

【その他】↘︎ 若手騎手で果敢に臨んできました。人馬ともにチャンスをつかめるかです。この点、応援したいですね。

ロードマイウエイ

【血統】 ジャスタウエイ×ジャングルポケット産駒です。祖母レディミューズは名牝シンコウラブリイの仔です。

クラシックには乗れませんでしたが、3歳時にマイル2戦を含む5連勝で、チャレンジカップを制しています。

マイラー血統とは言えませんが地力と成長力のある血統です。5歳になり今後も目が離せません。

【距離】→ ベストは1800mかなと思いますが、マイルでもL競走を勝っていて、前々走キャピタルSで2着しています。前走は調整不足や不利がありましたので、今回は半年の休養明け4戦目で狙い時でしょう。

トニービンから府中向きと言えます。

【ローテ】→ 惨敗した金杯から中4週ですが、今度はしっかり調整できるでしょう。

【その他】↗︎ 乗れてる横山武君で57㎏なら恵まれています。スムースな競馬運びを見せて欲しいです。

今のところ…

ヴァンドギャルドとトリプルエースが有力です。両馬とも時計が早くなって1:31秒になると厳しいかもしれませんが、1:33秒前後なら、ジョッキーを含めて勝負になると見ています。

昨年2着のシャドウディーヴァは岩田君で狙えると思いますが、人気になりすぎている観はあります。

穴はロードマイウエイで、半年の休養明け4戦目でそろそろでしょうか。

先行勢では前走思い切って逃げて3着に粘ったエントシャイデンは柳の下にドジョウが2匹いるかは疑問です。

ダイワキャグニーは58㎏が厳しいでしょう。

それではまた、予想記事をお願いします。

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