菊花賞を展望します

レース展望

【レース及びコースの特徴、時計など】

  • 今年も昨年に続き阪神で行われます。阪神は京都に比べ馬場質が重くパワーが必要な上、3コーナー過ぎから下り坂で、直線も平坦な京都に比べ、直線の急坂が待ち構えている阪神はなおさらスタミナが必要なのです。
  • 昨年はタイトルホルダーでしたし、阪神に天皇賞路線が変わってディープボンドが恩恵を受けています。
  • クラシック3冠目を飾るべくレースですが近年ステイヤーの評価が下がり、本場英国セントレジャーの価値も下がっているようです。
  • 実際、春のクラシックで4強と言われていた4頭の内、1頭ドウデュースは凱旋門賞で他3頭、イクイノックス、ジオグリフ、ダノンベルーガは秋の天皇賞に登録していますね。
  • 春のクラシック好走組では、皐月賞5着、ダービー3着のアスクビクターモアが順調に来ているので人気になりそうです。
  • その他では春のクラシックでは成長が不十分で凡走してしまった馬たち、いわゆる「夏の上り馬」と言われる夏開催で実績をあげてきた馬たちとの争いにります。
  • 展開的に逃げ馬がいないため、いわゆるテレビ馬が出てこないと、アスクビクターモアが皐月賞のように押し出される可能性もあります。ガイアフォースは前走同様アスクビクターモアをマークして、4角で並べる位置を確保でしょう。その他の馬もアスクビクターモアとの距離を確認しながら進めるのではないでしょうか。

【有力馬と血統からの穴馬解説】

アスクビクターモア

最も順調な臨戦過程を踏んでいます。

弥生賞→皐月賞→ダービー→セントライト記念は理想的ですし、かつての話ですが弥生賞は菊花賞と結びつきが深かった。

クラシック本番では鋭さ負けしましたが、鋭さをに必要としない菊花賞ではむしろ必要な能力とも言えます。

ディープ産駒ですが、母父が凱旋門賞馬Rainbow Questです。Rainbow Questは父がRed God系Blushing Groomと言うこともあり、当初は短めの距離を使われていましたが、4歳になりコロネイションCを勝ち、キングジョージ6世こそ3着でしたが、凱旋門賞を勝ちました。

祖母も父ノーザンダンサー系Night Shift×母父ロベルトですから、ディープの切れは削がれ、スタミナ型になっています。

叩かれて良くなるタイプなので前走の惜敗は気になりません。

課題は3.1.3.1が示す通り勝ちみの遅さと、初の関西遠征でしょうか。

ガイアフォース

セントライト記念で逆転ならこの馬と▲をつけましたが、結果そうなりました。

キタサンブラック×クロフネ産駒ですが、祖母は父ダンスインザダーク、母父ノーザンテーストと中長距離向けと言え、セントライト記念制覇を後押ししたと見ます。

ただ、さすがに3000mとなると、キタサンブラックが内包しているサクラバクシンオーはともかく、クロフネが気になるところです。

今年3月に未勝利勝ですが、その後上手く間隔をあげてここまで来ています。今回は間隔はこれまでより詰まりますが、これまで凡走なく期待に応えてきましたので、大崩れはないと思います。

ジャスティンパレス

米3冠目のレース、ダート2400mのベルモントS勝った兄(Curlin産駒)の他、3000m級のG2を2度2着したアイアンバローズ(オルフェ産駒)がいます。

ミスプロ系で決して長い距離が良いとは言えないCurlinからダート2400mのクラシックと3000m級で活躍するオープンが出ているのは母父のRoyal AnthemとRoberto系にしてはスピード系でもあるRed Ransomとバランスがとれているからでしょう。

ジャスティンパレスの父はディープですが、距離が伸びて良さが出ました。

前走の結果は、枠と展開に恵まれ、ライバルが一息だったことを考えると着差3馬身半は鵜呑みにはできませんが、ディープ産駒なので馬体重はあまり変わりませんが、成長して再度良馬場なら好走可能でしょう。

ヤマニンゼスト

今年最悪の予想をしてしまった前走、直前で印を2列目の☆から3列目の△に買えてしまったことで馬連を外してしまいました。(眠れませんでした)

シンボリクリスエス×ディープの配合で祖母がSadler’s Wells×Blushing Groomでスタミナ・底力・重いだけでなくディープの決め手とBlushing Groomのスピードも上手く生きているとみたので残念でした。

血統だけならトライアルホースと言うよりも本番向きです。引き続き注目が必要と見ています。

気になるのが馬体で、500㎏前後の馬体の割には腹が巻き上がって細く見ます。

札幌滞在で増えたので、前走-12㎏は絞れたとも言えるのですが、中3週で気になります。

中間追われているので大丈夫だと思いますが、当日の馬体に注目です。

ブラダリア

未勝利明けから青葉賞を勝ち、ダービーにも出走し5着でした。

ただ、1月デビューでダービーまで5戦掛かっていますので、青葉賞とダービーは激走ですから、夏休んだだけでは疲労がとれなかったのかもしれません。

中距離での能力は認めますが、母父クロフネで、しかも牝系がミスプロ系でもあり、コーナー6回のコースはどうでしょうか。

セレシオン

早めに長めの距離で2勝しましたが、春はリステッド競争を勝てず、新潟の2200mで圧勝で3勝目をあげました。

ハーツ産駒の大物パターンである、母父スピード系で姉に桜花賞2着・オークス3着のディープ産駒クルミナルがいる血統です。

勝ちみに遅い一族ですが、前走の圧勝からあっと言わせるかもしれません。

春は出遅れ癖がありましたが、祐一君に代わって上手くでました。引き続き祐一君でもあります。

ドゥラドーレス

母ロカはハービンジャーの初年度の仔で新馬を圧勝してから、2戦目が阪神JF他マイルの重賞を使いましたが、牝系からも距離が伸びた方が良く、桜花賞に出走できなかったことから、2000mの忘れな草賞で必勝を期しましたが、相手が悪くミッキークイーンに負け春のクラシックは絶望になり、その後1戦して故障引退しています。

じっくり、例えば桜花賞路線ではなくフラワーカップとか使っていたら別の未来があったと思います。

祖母はディープの母ウインドインハーヘア×ダンスインザダークですのでディープよりも長距離対応はできそうです。

出世を妨げているのはスタートで、やっと間に合った観がありますが、大物観があります。

フェーングロッテン

兄は昨年スプリンターズSを制したピクシーナイトですが、父はモーリスからブラックタイドに替わっています。

しぶとさがある中距離血統でこの牝系サクラバクシンオー×オジジアンでは3000mは厳しいかと思います。

ボルドクフーシュ

スクリーンヒーロー産駒で母父Laymanはサンデー産駒で欧州の短距離を走りましたがG3まででしたが仏1200mのG1で2着があります。

祖母がミスプロ系ですし、血統からは短中距離馬と言う感じです。ただ、レース振りは末脚特化型なので道中ロスなく運べば末は伸ばせるタイプです。

血統面で特筆すべきはサンデーの25%と濃い血を持っていることです。気性面や健康面に問題がある場合もありますが、思いがけなく強い馬を出す場合もあります。

条件は勝つけど、重賞では3着までですが、距離伸びてどうでしょう。

ボーンディスウエイ

ハーツ×プラティニと近代日本の競馬では重々ですが、弥生賞3着から、そこそこの実力はありますので、時計が掛かる馬場か展開になった際には注意が必要でしょう。

【今のところ】

実績と臨戦過程、ディープ産駒らしくない脚質といかにもスタミナがありそうな走りからアスクビクターモアを本命にします。

ガイアフォースよりもジャスティンパレスを良馬場なら重い印にしたいところです。

距離を考慮して、血統が魅力的なのはセレシオン、ドゥラドーレス、ヤマニンゼストあたりです。

逆に私には血統的に買えないのはフェーングロッテン、ボルドクフーシュです。

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