先週の振り返り
毎年同じ間違いをしています。とは言え競馬に対するこだわりがG1では強く出てしまいます。
日本ダービーは2400mでありながら、ディープインパクト×スピード色の強いマイラー~2000m血統が大活躍していきました。
コントレイル、ロジャーバローズ、ダノンキングリー(2着)、ワグネリアン、マカヒキなどもそうですが、シャフリヤールもそうです。
原因は軽い馬場です。
これはこれで、日本競馬のガラパゴス化として理解すれば良いのですが、これでは日本のダービー馬から海外特に欧州G1馬は出ないでしょう。
上に挙げた馬たちの最高の舞台はドバイのドバイターフ(芝1800m)くらいでしょう。香港カップがぎりぎりでしょうか。
今回その点で救いなのが、ハナ差2着に敗れたエフフォーリアには海外で活躍できる可能性があることでしょうか。
今年の予想は、毎日杯の結果から、2400mならグレートマジシャンがシャフリヤールよりも先着することを信じて疑わなかったことが一番の敗因で、残念な結果になりました。
予想のポイント
良馬場ならとにかくスピードの持続力
ダービーがスローに流れても2:22.5上り33.9の高速決着。その前の1800mむらさき賞が1:44.3ととにかく高速。クッションが利いています。
安田記念当日も、良馬場なら1:31秒前後になりそうです。
一にも二にも、時計を出せない馬は来れない。シンプルな時計勝負に強い馬をまず選択することになります。
斤量
天皇賞と安田記念は斤量58kg、牝馬56㎏と日本のG1レースとしては最も重い重量を背負い、スピードの持続が試されるレースです。
絶対的なスピードに加えて、58㎏背負ってだらだら坂をのぼる底力も試されるレースと言えます。
有力馬?!解説
グランアレグリア
【血統】ディープインパクト×Tapit産駒です。
毛色こそ鹿毛で母型の芦毛を引き継ぎませんでしたが、レースからは母型の影響を強く受けていて、重厚さのある差し足が武器です。
その母はマイルG1を勝っているマイラーです。その父TapitもA.P. Indy系とMr. Prospectorの血を濃く受け継いでいることからも、一本調子の重厚なスピードを受け継いでいると見るべきでしょう。
ハイペースでこそ能力を発揮できるタイプで、一本調子なところ、馬体重が増えないディープ産駒ですが、大きく増えていることからも、母方の影響が強いと言えます。
【ローテ】 年明け3戦目で3か月連続のレースで、これまでなかった詰まったローテで臨みます。強くなるたびに体重を増やしてきましたが、この辺が打ち止めで、調教と馬体が大きく減らなければ大丈夫かと思います。
【短評】 相手のほとんどは決着がついている相手なので、相手関係よりも、自分の状態が鍵になります。実力的には負けられないですね。
インディチャンプ
【血統】ステイゴールド×キングカメハメハ産駒です。
ステイゴールドのマイラーは大成しないのですが、インディチャンプだけはG1を制覇しました。これはひとえに名短距離繁殖牝馬トキオリアリティーによるものでしょう。
ここまで、牝系の短距離系と父のサンデーサイレンス系の中でも中長距離系のステイゴールドの配合が見事に高いレベルで成功した最高例です。
1800mでもG2では連対もかなわず、1400mでも新馬の1勝のみです。
マイルに特化された能力は、トキオリアリティーの血と共に、今後にも伝えて欲しいものです。
【ローテ】 年明け3戦目で短距離を使って4、3着でした。ここは中9週でベストのマイルで狙っているレースでしょう。
【短評】 グランアレグリアとは勝負付けが済んでおり、グランアレグリアの出来かアクシデントでもない限り逆転はないでしょう。もう6歳なので早く上げて欲しいものです。
とはいえ、実力があり、リピーターレースでもあるので2列目でしょうか。
カラテ
【血統】トゥザグローリー×フレンチデピュティ産駒です。
母父はパワー型でマイラーですが、牝系はステイゴールドの母系でもあり高速馬場でこのメンバーでは厳しいでしょう。
【ローテ】 年明け3戦目ですが、4か月休養後になりました。3連勝でG3東京新聞杯を勝ちましたが、そこまで使い詰めでしたので、一息入ったことはプラスではありません。休み明けも走るタイプとは思えません。
【短評】 詰めて使った後の休養明けなので、厳しいパターンかと思います。また、良馬場の超高速馬場は不利でもあり、消しかなと思います。
ケイデンスコール
【血統】ロードカナロア×ハーツクライ産駒です。
NHKマイルCで14番人気2着しましたが、その後凡走が1年半続きましたが、今年の年明け以降快進撃が続き、G3、G2、G2で1、2、1着となっています。負けた2着も1800m中山記念でした。
ハーツは母父ですが、ハーツ産駒にありがちな、3歳春までそこそこ走っていて、4歳秋以降に本格化する場合がありますが、典型的なパターンです。
ただ牝系はG2に強い牝系で、G2を6勝して、G1は安田記念含めて3着を2回したバランスオブゲームやフェイムゲームらがいます。
この、叔父たちを超えることができるかですが、やはり叔父たちと同じようなイメージを持ってしまいます。
【ローテ】 年明け4戦目ですが、それなりに間隔を取っています。確変中の充実期なので問題はないでしょう。
【短評】 前走阪神で行われたマイラーズカップの勝ちタイムが56㎏で1:31.4でした。より早くなっているかもしれない府中なので、時計の裏付けはあるかと思います。
後は58㎏で同じタイムで走れるかが問われます。また、G2血統ですので勝つまではどうでしょう。
サリオス
【血統】ハーツクライ×Lomitas産駒です。
サリオスの血統等については「サリオスを解析します」で詳しく解説していますので参照していただけたらと思います。
私の結論は「マイルも走るがマイラーではない」です。仮にもコントレイルと皐月賞で接戦を演じた馬です。2000m前後がベストと見ています。
また、この秋か5歳になると更に成長する可能性が高い。
【ローテ】 年明け2戦目で中8週です。大事に使っていて、春は2戦で終了でしょうか。ここも万全でしょう。
【短評】 マイラーではないので、世代戦でもないこの伝統あるマイル戦では高い評価はできませんが、底力はあるでしょう。
シュネルマイスター
【血統】Kingman(Danzig系)×Soldier Hollow(Sadler’s Wells系)産駒です。
チューリップ賞を勝ったエリザベスタワーと血統構成が似ていて、父KingmanはスプリンターInvincible Spiritの仔ですが、実績はマイラーでした。
母がドイツのオークス馬という点も同じで、どう見ても母方は中距離型ですが、父方の血統からマイル戦で高い能力を発揮できています。
母系から絶対的なスピードがあるかが課題です。
【ローテ】 年明け3戦目で中3週です。弥生賞がスロー競馬でしたが、前走目一の競馬だったので、若干疲労は心配です。
【短評】 前走の時計が1:31.6でした。もう少し時計が欲しいのですが、前走は57㎏を背負ってのものでした。ここは54㎏ですので、克服可能でしょう。
後は、ルメールのグランアレグリア騎乗が決まっているので、ダービーで惜敗した武史君がここで雪辱を果たすかが見どころといえるでしょう。
ラウダシオン
【血統】リアルインパクト×Songandprayer産駒です。
母系はFappiano-Unbridled系マイル血統です。Unbridled’s Songは一本調子のMr. Prospector系であすが、母系にCaroが入っているので芝対応ができるのが特徴です。
【ローテ】 今年4戦目と順調といえば順調ですが、1回多いと言えば多いかもしれません。
【短評】 父同様、ベストは1400mです。ただ、この軽い馬場で1400m得意の馬でも持つというか、むしろ、有利かもしれません。
今のところ
1列目にはグランアレグリアで、ほぼ決着がついているので、ここは負けられないのですが、問題はローテーションだけでしょう。
もう一頭はシュネルマイスターで、良い差し脚がありますので1㎏(実質3㎏)もらえば逆転が見込めるのはこの馬だけです。
2列目には騎手をあまり買いたくないのですがケイデンスコールの充実を評価したい。
もう一頭はインディチャンプが無難なのですが、人気になっているのでどうかでしょう。6歳ですが衰えている感じはしません。
後はラウダシオンが厳しいローテではありますが充実していて3着なら。
サリオスは抗議の無印ですが、稍重ぐらいなら毎日王冠価値を評価できると思います。
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