スプリンターズステークスの展望と有力馬解説

レース展望

【レースの特徴】

スプリント路線で2つあるG1の内の1つで、もう一つの高松宮記念が時期的に馬場が重い時期で時計が掛かるのが特徴です。

こちらは秋晴れの時期に行われるので、ある意味スプリンターの王者決定戦と言えるでしょう。メンバーの現時点でトップレベルのスプリンターが集結したと言えるでしょう。

そこに香港勢が2頭参戦で、1頭目の⑭ビクターザウイナーは香港G1を勝ち、高松宮記念3着の実績を持っています。もう1頭の⑨ムゲンは追い込み馬で⑭に先着実績があります。

【馬場・トラックバイアス】

中山は開催4週目に入りCコースのままで、金曜から土曜日にかけて、かなりの雨量が予想されていましたが、雨雲がそれたかのか良馬場で行われます。

土曜日の2勝クラスではテンの3F32.8とかなり速かったのですが1:07.9が出ました。

そこまで流れなくても、勝ち時計はこのメンバーなら1:07秒前後になるでしょう。

4年前の9月の中山は異様に時計の掛かる馬場でした。それでも快速馬2頭のハナ争いでテンの3F32.8と馬場を考えたらとんでもないハイペースを後方2番手でついて行けなかったグランアレグリアが追い込みを決めています。

しかし、通常差してきても外枠の馬ではなく、内枠の馬です。外が伸びないわけではなく、外々回されて間に合わないからです。

【枠順・展開】

高松宮記念で逃げたビクターザウィナーは34.9-34.5の後傾ラップのスローの逃げでした。

今回は一本調子の逃げ馬ピューロマジックがいるので、そこそこ流れそうです。3F33秒台半ばでは行くのではないでしょうか。

先週Cコースになって内がカバーされましたが、それでも内が若干荒れてきているので、内過ぎる枠でなければよい、かと言って外枠はそのまま外を回されると間に合いません。

過去3年で外枠は5番手以内で進められた馬以外は1~4枠と内を通る馬が来ている。

【有力馬・穴馬解説】

ウイングレイテスト

1400~マイルでの活躍が目立っていましたが、短距離に挑戦し始めても勝ちはないものの、59㎏を背負って重賞で連続2着は実力の証。2走前の函館SSでは勝ったサトノレーヴと0.2差ですが2kgあげてのものでしたし、枠もこちらの方が外目だったので好勝負可能ですが、勝ち身の遅さが特徴でもあるので、2、3着なら。

母父サクラユタカオー、父はロベルト系スクリーンヒーローなのでベストは底力が必要な1400mでした。それでも祖母がスピード血統で固められているせいか、スプリント能力もありました。でもいかにも決め手には欠けそうな点は血統からもうかがえますね。

サトノレーヴ

1200mを3連勝で主役に躍り出た感じです。勝ち方が好位抜け出しの安定したレース振りも人気になりそうです。3連勝はすべて57kgでした。

ロードカナロア×サクラバクシンオーというスプリントに寄せた血統構成ですが、いまいちこのレースには合っていないようです。それでもハクサンムーンの弟でもあり、これまでのファストフォースやキルロードとは違うと見切っても良いかもしれません。

しかも、レーン騎手が前走もここも、この馬のために来日しているので猶更です。

トウシンマカオ

こちらは充実一途で前走は鮮やかでした。休み明けの前走は体重的に仕上がっていたので、上り目があるかでしょう。

軽い差し馬と見ていましたが、オーシャンSの勝ち方から一皮むけた底力がついたイメージでしたが、前走で証明してくれました。

脚質的に今メンバー相手で直線届くかでしょう。充実度がタワーオブロンドン級なら。

ビクターザウィナー

高松宮記念で3着した。近走冴えませんが、香港スプリント界のトップグループの一角でG1を1勝しています。

高松宮記念では楽逃げでしたが、ここは⑩ピューロマジックがいるので番手になりそうです。

モレイラ騎手が乗りますが、枠と展開は厳しい。

ナムラクレア

高松宮記念では惜しい敗戦でした。前走は直線、埒にこする不利があり5着でした。

実力はあれど、何か足りない。G1を勝てないままにすでに5歳の秋。ミッキーアイル×Storm Catなら早熟ではないけど、古馬になって成長すると言うほどでもないので、年齢的にも、理想的なローテーションでラストチャンスか。

マッドクール

昨年はハナ差の2着、今年の春は高松宮記念を勝ちました。ナムラクレアと違い、本番に強い。その2走とも3か月の休み明けですが、今回は遠征明け5か月の休養明けですが乗り込まれています。

欧州・ノーザンダンサー系スプリント血統Dark Angelに母父も欧州系スプリント血統Indian Ridge、祖母はデインヒル×サドラーと底力を与えています。

欧州短距離の祖Ahonooraの18.75%となっています。欧州系なので、日本特有の超高速馬場でないかぎり、血統的には買いたい血統です。

ママコチャ

ソダシの全妹で、スピード十分で、こちらは短距離に振れました。

前走は▲評価でしたが、2着でした。気性難の割には堅実に走りますが、戦績から明らかように、寒い時期は走らない。白毛を受け継いでいないのですが、寒さは苦手か。

昨年の覇者ですし、前走は明らかに余裕残しで、昨年くらいは走って勝ち負けまでいけるかでしょう。

昨年勝った時の川田君に乗り替わるのも良い。

モズメイメイ

3走前の北九州記念から突然の変身を遂げました。それまでは、好スタートから逃げてどこまでで、淡白な二桁着順が続いていましたが、3走前から突然闘志に火が付き、横にいる馬に噛みついてでも、先に行こうとしていました。その後も好走が続き、周囲にいる馬を抜かそうとする勝負根性がつきました。

噛みつきと言えばサンデーサイレンスと、その父ヘイローに至っては人にも噛みつくほどの気性だったと言われています。

勝負根性だけでどこまでと言う感じですが、この夏サトノレーヴに続く上り馬ですがどこまで食い込めるか。

【今のところ】

暖かい時期走るし昨年の覇者ママコチャ、休み明けでも走るG1に強いマッドクール、この夏最高の上り馬サトノレーヴの3頭が有力でしょう。

後はやはりこの夏の上り馬モズメイメイの闘志・勝負根性がここでもどこまで通じるか興味があります。

1枠両頭は差し馬ですが、どちらかが3年前のシヴァージみたいに食い込めるかも興味深い。内から外に出してなんてやっていると、間に合わないと思う。

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