ソダシを解析します

名馬解析

ソダシの母ブチコの現役も見ていただけに、この真っ白な白毛の馬体には目を見張りました。

血統的にはダート色が見れる血統で、札幌での活躍には驚きはありませんでしたが、時計が早くなる桜花賞までのマイル路線は苦戦を予想していました。

3冠のなかでは、札幌2歳Sと同じようなレースが可能な秋華賞が合っているかなと1年前は思っていました。

私の予見は大きく外れましたが、その秋華賞を迎えました。まだ秋華賞に合っていると言えるのか検証したいと思いました。

血統

以下、ソダシの血統表です。

牝系の特徴である白毛は祖母シラユキヒメから来ています。

ただ、父サンデーサイレンスはご存じの通り漆黒の青鹿毛、母も鹿毛で、祖母も黒鹿毛なので、突然変異でしょうかね。

繁殖牝馬として配合した種牡馬は、前期はクロフネ産駒牝馬(ユキチャン、ママズディッシュ、マシュマロ、ブラマンジュ)、後期はキングカメハメハ産駒牝馬(マーブルケーキ、ブチコ、ブッチーニ)と7頭と偏りがありました。ママズディッシュが芦毛でしたが、他6頭は白毛でした。

ソダシの母ブチコは白毛でしたが、名前の通りブチでしたね。とても愛嬌のある馬体でした。

ちなみにソダシの全妹ママコチャは鹿毛です。ユキチャンとハービンジャー産駒シロインジャーも白毛ですが、ミッキーアイルとの産駒メイケイエールは鹿毛です。

また、この一族は毛色だけでなく、メイケイエールを持ち出すまでもなく、気性の激しさもあります。

母ブチコはゲートに入れなくなり、ラチにぶつかって負傷したり気性難から引退を余儀なくされた経緯があります。

その点ソダシはいつも一生懸命走る超優等生ですが、前走勝ってウイニングロードをなかなか戻ってこなかったところを見ると、「キザシ」でなければと思います。

さて、この一族における血統の特徴として挙げられるのは、やたらとクロフネとキングカメハメハに偏っている点です。

考えられる理由の一つはシラユキヒメがサンデーサイレンス産駒であることです。サンデー系の種牡馬につけるには、余りにも血が濃くなることがあげられます。

サンデー系以外の種牡馬で、ダートにも適正がある種牡馬としてクロフネとキングカメハメハは至極妥当なところです。

メイケイエールはサンデー系ミッキーアイル産駒ですが、母はシラユキヒメから3代目、サンデーサイレンスから4代目でした。ミッキーアイルはサンデーサイレンスから3代目なので、サンデーサイレンスの18.75%が成立します。

今後、ソダシが引退して、サンデーサイレンスの3代目種牡馬と配合すれば、すべてサンデーの18.75%となります。今から楽しみです。

クロフネ、キングカメハメハ両種牡馬とも、芝、ダート兼用で、これまでは一族はダート活躍馬が多かったのですが、昨年デビューした2頭のソダシとメイケイエールは今のところ芝に向いているタイプが産まれたことは興味深いところです。

ただ、クロフネ産駒は牝馬でスピード豊富な産駒が輩出されています。ホエールキャプチャ、アエロリット、カレンチャン、スリープレスナイトとスプリンター・マイラーがほとんどです。芝の2000mのレースではアエロリットが天皇賞秋で3着が最高でしょう。

札幌記念を制したことで、ソダシがクロフネ牝馬産駒初めての芝2000mの重賞制覇になります。

過去の戦績から

札幌2歳S

59.2-49.0=1:48.2と洋芝のコースでもあり、この時期の2歳馬にとっては厳しい流れでした。ラスト1Fが13.0とかかったこと、それでもレコードだったことが物語っています。

その流れの中、好位から4角先頭にたって押し切りました。今言えば2着ユーバーレーベン、3着バスラットレオンであることを考えると、やはり強いといえます。

ちなみに、逃げたサウジダービー馬ピンクカメハメハはブービーの13着、フローラS2着のスライリーがソダシと同じ位置にいて最下位でした。

一方で、ダートで活躍している血統でもあることから、洋芝適性は認めるものの、府中や阪神におけるスピード・決め手に関しては未知数でした。

アルテミスS

48.6-46.3=1:34.9と後傾ラップでスローからの上りの競馬でした。

ソダシは2番手から33.9で抜け出して快勝。

いろいろあった、ククナが外から33.4で伸びて2着でした。

展開に恵まれたとはいえ、完勝でした。ダートぽい血統で、末脚の切れが求められる府中で勝ったことは今後に向けて大きい勝利でした。クロフネ産駒としてスピードタイプの産駒であることが証明されました。

阪神ジュベナイルフィリーズ

46.8-46.3=1:33.1とほぼ平均ペースで逃げたヨカヨカは5着でした。

そんな中、4角4番手から早めに先頭に立ち、決め手のある馬たちを抑えました。

内からサトノレイエス、外からユーバーレーベンとハナ、クビの接戦でしたが、勝ちパターンのレースでした。

やはり、全体スピードで勝負するタイプで、切れる脚がないので、大回りのマイルでは接戦になります。

桜花賞

快速馬場でしたが、45.2-45.9=1:31.1と速い時計がでました。

5F56.8のペースに3番手から、直線早めに先頭から押し切りました。

芝のスピード競馬に強いタイプのクロフネ産駒であることは、前2走で証明されていますので、高速馬場で早いタイムが出ることは予想されていましたが、1:31.1は速い。

逃げたストゥーティと途中から爆走したメイケイエールが紡いだテンの5Fは56.8でした。

そこから、差のない3番手から早めに先頭から持ちこたえました。

4着までの差のない4頭は優秀なマイラーであることは疑いのないところです。中距離馬はスピードの絶対値が足りない結果でした。

オークス

72.5-72.0=2:24.5と平均ペースでしたが先行馬総崩れの展開でした。

ソダシはマークがきつく、特に2コーナーで武史君ククナと川田君ステラリアに挟まれ下がったことがゆくゆくきつい展開になり、得意の4角先頭には持ち込めず、まさかの8着でした。

自分の競馬ができなかったことと、やはり距離に課題が残りました。

ここまで、抑えてきたユーバーレーベンにやられました。

札幌記念

59.9-59.6=1:59.5と古馬との対戦での勝利、しかもラヴズオンリーユーを抑えての勝利でした。

洋芝での2000mなので、本番・秋華賞への距離の不安はなくなったといえます。

また、オークスで不利はありましたが、自分の形でレースができなかったことも確かでした。

今回、3コーナー手前からブラストワンピース岩田騎手がマクリに出て、連れてソダシも先頭に立ちました。隼人君には早めに先頭に立ったことに迷いが見られませんでした。

距離の不安はなくなり、騎手も吹っ切れた。事実上秋華賞に王手をかけたレースだったと見ています。

まとめ

札幌記念で距離不安がなくなり、古馬相手に正攻法で勝ったことで、騎手の迷いもなくなったと言えます。

レース振りからゴール前で後続に迫られるシーンは考えられますが、コーナー4回の2000mは、マイルよりもレースはしやすいはずです。

3歳牝馬が札幌記念に勝つのはハープスター以来、古馬の一線級を相手にして勝ったのですから、サトノレイナス抜きの世代戦は負けられないところでしょう。

個人的には、このコンビのように、馬が強くなっても騎手を変更させないことは、良いことだと思います。特に敏感な牝馬には必要と見ていますので、ここも応援したいポイントになります。

今後のことはわからないですけど、スピードを活かしてマイル路線か、2000mまでなら、大阪杯か香港かドバイターフでしょうか。適性が不明なドバイワールドカップとかもありますが、不確定要素が多すぎますね。

無難に来春は国内の大阪杯目指して、その後はマイル路線でしょうか。

アイドルホースの進撃はまだしばらく続きそうです。

コメント