紫苑Sを展望します

レース展望

秋第1弾のトライアルレースは秋華賞に向けたレースです。2016年からG3に昇格し、上位3頭に秋華賞への優先出走権が与えられるようになり、関東馬のみならず関西馬の出走も多くなってきました。

それまでトライアルレースの本流だったローズSがワンターンの阪神1800mと本番とレースの質が違うことも、理由の一つかと思います。

過去の結果

以下G3に昇格した2016年からの結果です。

馬場勝馬斤量タイム通過ペース母父
2019パッシングスルー541:58.33-3-3-360.5-57.8ルーラーシップクロフネ
2018ノームコア541:58.05-4-6-560.1-57.9ハービンジャークロフネ
2017ディアドラ541:59.812-11-10-1161.3-58.5ハービンジャースペシャルウィーク
2016ビッシュ541:59.714-13-6-259.6-60.1ディープインパクトAcatenango

勝馬の血統を見ると開幕週のレースでも切れよりもやや地力よりかなと思います。

2016年ビッシュの2着がヴィブロスで秋華賞を勝っています。ディアドラもその後秋華賞を勝ちヴィブロス同様海外でも活躍しています。

ノームコアは秋華賞には出られませんでした。昨年は3着のカレンブーケドールがクロノジェネシスに敗れましたが2着し、ジャパンカップでも2着していますね。

そう考えると近年レベルの高いレースになったと言えるでしょう。

各馬診断

ウインマイティー

ゴールドシップ産駒でBMSカコイーシーズです。多少時計がかかる馬場・コースが合うでしょう。母方も結構重めです。

残念桜花賞の忘れな草賞勝利から、オークスで勝つシーンまであった3着なので、ここでは実績上位です。

ただ、中山開幕週向きの決め手があるかは疑問です。過去3年のように後傾ラップで決め手勝負になると不利でしょう。後は初勝利まで3戦を要しています。休み明けも心配です。あくまでも本番へ向けた一戦ではないでしょうか。

シーズンズギフト

底力のあるエピファネイアとBMSが自身の戦績ほど良い産駒が出ないゼンノロブロイで母方は欧州のスピード型で中距離馬としてバランスが取れています。このくらいの重賞を勝っても不思議はありません。

長めの休養から復帰戦になります。賞金から本番への出走は問題ないので差す競馬をするかと思います。直線伸びてきて、どこまで前へ行けるかでしょう。

スカイグルーヴ

名牝エアグルーヴ-アドマイヤグループの孫になる超良血馬です。父はエピファネイアですので、やはり気性の激しさが気になります。

前走は馬体が14㎏も減っていて、レース中控えましたが全く良いところがありませんでした。戸崎君がどう乗りますか。

前走のレース内容から揉まれ弱そうなので、外枠が欲しいし、なんといっても馬体の回復が鍵でしょう。

パラスアテナ

昨年1、2着を独占したルーラーシップ産駒で母系はディアドラと同じような構成で血統的に気になる一頭です。

デビューが遅れ新馬・未勝利はまだ脚元に不安があったのかダート戦でした。芝に替わって連勝してラジオNIKKEI賞では後方からまくって4着でした。

ここは権利をとりたいところです。陣営もそうでしょうが、豊君の騎乗に期待したいところです。

ホウオウピースフル

牝馬に好走馬が多いオルフェーブル産駒で母ツルマルワンピースなのでブラストワンピースの異父妹になります。兄ほどではありませんが勝ち負けか着外かと成績が両極端です。

出世レース百日草特別を好内容で勝利して、同じコース・距離のフローラSで僅差の2着で期待されましたがオークスは8着でした。

池添君を乗せて真価が問われる一戦です。時計は平凡ですが、新馬が札幌の1800mなので、右回りでコーナー4回でも大丈夫かもしれません。

マジックキャッスル

ディープ産駒で桜花賞3着のソーマジックの仔です。兄ソーグリッタリングの妹になります。脚質も遺伝していて、差し追い込み馬です。この系統はワンターンの1800m以下に良績が集中しています。従って、今回のコースが向いているとは言えません。

期待された桜花賞では惨敗し、人気落ちのオークスはほぼ最後方から追い込んで5着でした。

コーナー4回の中山2000mは決して得意とは言えませんが、前傾ラップになった場合、追い込みが上位に届くシーンがあるかもしれません。

マルターズディオサ

キズナ産駒でBMSがミスプロ系のGrand Slamなのでマイラーでしょうか。実際、陣営も意識していたのか桜花賞までの5戦はすべてマイル戦でした。

馬体の成長がなく、コーナー4回の中山2000mは不安ですし、田辺君が全く乗れていないのが気になります。

全体的に不安要素が多いと思っています。

ラヴユーライヴ

ディープ産駒で母がラヴズオンリーミーとなればリアルスティール、ラヴズオンリーユーの全妹となります。体調に問題なければ血統だけでオープン馬になれる血統です。

420㎏台でデビューし、一息入れた前走は450㎏台まで増え、時計の出る週だったとしても、自分でペースを作って札幌の2000mの勝ち時計2:00.4は秀逸です。

惨敗もあるかもしれませんが、勝ちもあるかもしれません。坂井瑠星君に乗ってもらいたいですね。

レッドルレーヴ

キングカメハメハ産駒で母はディープ産駒のラストグルーヴと言うことは名牝エアグルーヴの牝系です。

2戦目の中山2000mで初勝利、次走フラワーCで2着していますので中山は得意と言えますし、距離もコーナー4回も問題ありません。馬体の成長と仕上がり具合が鍵を握っています。三浦君頑張ってほしいな。

今のところ…

登録が26頭で10頭は回避を余儀なくされます。枠に左右されそうな馬もいて混戦だと思います。

現在のところ勝てないまでもパラスアテナに魅力を感じています。ラヴユーライヴ、レッドグレーヴの素質も勝つまであるのではないかと思わせ、とても魅力的です。

では、今日はここまでです。明日は京王杯AHの展望です。

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