祝☆モーリス産駒初G1制覇!

名馬解析

ピクシーナイトがスプリンターズステークスを制し、モーリス産駒の初G1ホースが産まれました。

外国産馬であるグラスワンダーから4代目に当たるのですが、4代続けてサイアーライン(牡系)が国内G1を勝ち続けると言うのは極めて珍しいことです。

4世代G1制覇達成

4世代G1制覇は、これまで、日本競馬でリーディングサイヤーとして支えてきた、テスコボーイ、ノーザンテースト、キングカメハメハ、そしてサンデーサイレンスでも達成していません。

テスコボーイ産駒サクラユタカオーから→サクラバクシンオー→グランプリボス、ビッグアーサーまで来ましたが、この後はかなり厳しい状況です。

後はキングカメハメハ→ロードカナロア→サートゥルナーリア、ダノンスマッシュ、ステルヴィオと、こちらは先がありそうです。

産駒のG1制覇はモーリスに先を越されましたが、ドゥラメンテも今後継いでいく馬が出るかも知れません。

サンデーサイレンス系は幅が広くまだこれからですが、ステイゴールド→オルフェーブル→エポカドーロと来ています。オルフェーブルはまだまだ多くの強い産駒が出てくると思いますので期待をしています。

ディープインパクトは多くのG1馬を出していますので、これからですね。

これらの大成功を収めた血脈ではない地味な⁈(失礼)血脈からでた4世代G1世を達成しました。

もう少し、詳しく見てみましょう。

4世代の血統

ピクシーナイトの4代血統表です。色を付けた馬は国内でG1を制した馬です。

グラスワンダーから4世代に渡りG1馬が出たことを表しています。

グラスワンダー

父Silver Hawkはロベルト系で英ダービー馬です。当然、欧州中長距離血統と言えるでしょう。日本での代表産駒はグラスワンダーしかいません。

Silver HawkをBMSに持った代表産駒はブラックホーク(父Nureyev)、トウカイトリック(父エルコンドルパサー)、ノーブルマーズ(父ジャングルポケット)等がいます。

共通点は長く走ったことです。経験と共にじわじわと成長して、衰えにくい点です。

ブラックホークの最終戦は現在の7歳(当時の馬齢8歳)の春安田記念を初制覇でG1スプリンターズステークスに続きG1 2勝目をあげています。

トウカイトリックなんて10歳でステイヤーズステークスを勝っています。

母父はDanzigでノーザンダンサー系のスピード型です。

上手く親和性が活きればスピードとスタミナのバランスが取れる血統です。

戦績は2歳時に朝日杯3歳S(当時:現朝日杯フューチュリティステークス)まで4連勝でした。その後故障します。

故障後毎日王冠で復帰、アルゼンチン共和国杯を経て有馬記念に臨み、ここで復活の勝利をあげます。

翌年は安田記念2着の後宝塚記念と有馬記念を連破してグランプリホースとして引退しています。

種牡馬としてはアーネストリー(宝塚記念)やセイウンワンダー(朝日杯フューチュリティステークス)等を出しましたが血脈をその後へ継いだのはスクリーンヒーローだけでした。

スクリーンヒーロー

スクリーンヒーローの母父はサンデーサイレンスですが、祖母はノーザンテーストが産んだ代表的な牝馬でマイラーのダイナアクトレスでG1勝利こそないものの毎日王冠や、まだG2だったスプリンターズステークスを勝ち、安田記念2着やオークス、JC3着している当時の名牝でした。

4歳秋まで条件馬でしたが、条件馬のまま挑戦したアルゼンチン共和国杯を勝って、勢いに乗って中2週で挑戦したJCを勝っています。その後翌年の天皇賞秋で2着していますが、勝利はありませんでした。

ただ、牝系の良さから種牡馬になり、成功しました。

先日ウインマリリンがオールカマーを勝ちましたし、ゴールドアクターが有馬記念を勝ちましたが、何といってもモーリスを輩出したことが種牡馬としては、ここまで最大の功績と言えるでしょう。

モーリス

マイラーとして頂点に立ったモーリスですが、牝系はバリバリの重厚なメジロ牝系で母父カーネギー、祖母はモガミ産駒でアルゼンチン共和国杯やAJC杯を勝ったメジロモントレーでした。

血統的には何故これでマイラーなのか理解に苦しむのですが、個人的にはモーリスはマイルも走る中距離馬だったのではないかと理屈をつけています。

明け4歳から成長が始まり、マイルG1の4勝を含む7連勝で頂点に立ち、5歳夏から札幌記念で初の2000mで2着、その後天皇賞秋と香港カップを勝って引退しました。

まだ、成長の途上にある状態で引退しましたので、モーリスの完成形の適性距離はわからいままと見ています。

そして初年度の産駒から早くもピクシーナイトが出ました。地力型なので今後も合う牝系は多いと思いますので、今後の産駒も楽しみです。

ピクシーナイト

ピクシーナイトの牝系は血統表にある通り、国内スプリントG1勝ちで固められています。

キングヘイローの父ダンシングブレーヴは凱旋門賞やキングジョージを勝っている一方英2000ギニー(8F)を勝っている中距離馬ですがキングヘイローは結局G1タイトルは高松宮記念だけですが皐月賞2着やマイルチャンピオンシップ2着があり、距離は短い方で万能と言える血統です。

そこに、国産スプリントの代表格サクラバクシンオーとオジジアンとスピードの絶対値が加わって、1200mを3戦目でG1を制覇しました。

モーリスとピクシーナイトへの期待

ピクシーナイトは、血統的にも、まだ成長途上であることは明らかで、今後も勝利を積み重ねて種牡馬になって欲しいと思います。

何といっても、スクリーンヒーローが持つダイナアクトレス、モーリスが持つ重厚なメジロの血、そしてピクシーナイトが持つサクラバクシンオーと、親和性があるとは思えない現存する国産血脈がちりばめられています。この血脈を残して欲しいと思います。

馬券は馬券ですが、応援せざるを得ない血統であります。

モーリスは種牡馬としてはまだまだこれからですので、今後も大いに期待できるでしょう。

一つ残念なのは、スクリーンヒーローまでは栗毛だったのですがモーリスからは栗毛から鹿毛になっているところです。

ウインマリリンとか奇麗な栗毛なだけに栗毛も引き継いでほしかったな。栗毛の産駒も出るかも知れませんね。

では。

コメント

  1. えふわん より:

    ピクシーナイトはモーリスの初年度産駒ですね。

    • Akira 'Ken' Goto より:

      ご指摘ありがとうございます。そうでした。

      予想記事ではないので訂正させていただきました。