シュネルマイスターとグランアレグリアの血統解説

名馬解析

マイル前後の路線でここ数年席巻してきたグランアレグリアが最後のレースを迎えることになりました。有終の美を飾れるかです。ローテーション的に香港の方が良かったと思いますが、最後に国内レースを選択してくれたことに感謝します。

一方で、引退するグランアレグリアに取って代わろうとする、最有力候補といえるシュネルマイスターが出てきました。

NHKマイルを勝ち、安田記念で僅差3着、そして毎日王冠制覇と、まさに王道を歩んでいます。

この2頭の第2ラウンドにして、最後の戦いを前に、両頭の血統を再確認して置きたいと思います。

グランアレグリアの血統

古馬になるにつれて、体重はあまり変わらず、体型が変わっていくディープ産駒の特徴ですが、グランアレグリアは新馬から40㎏以上増えています。

これは、毛色は引き継がれませんでしたが、母方の影響でしょう。

母タピッツフライの父Tapitは9Fの2歳G1-1勝とレース数が少ないのですが、タピッツフライを含めて多くのG1馬を輩出しています。

また、タピッツフライのBMSであるMarlinはNijinsky系で10Fを中心にG1-4勝を含めて活躍した馬です。

更に、牝系がNorthern Dancer系スプリンターFortunate Prospectでした。

結果、マイラーとして、2歳時にブリダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズターフを勝つなどしましたが、3歳時は故障、4歳時は故障の影響か不遇の時代を迎えましたが、5歳になり芝マイルG1を2勝しています。

この観点から行くと、グランアレグリアは中距離的なスタミナと5歳秋でも衰えることのない成長力を持ったマイラーと言えるでしょう。

今回、例え負けたとしても、衰えではなく天皇賞秋から中2週のローテにあることは明らかです。

引退が惜しまれますが、スローからの切れる早い脚が得意のディープ産駒の中、これほど中身のあるディープ産駒はいないので、産駒が待ち望まれます。

シュネルマイスターの血統

父Kingmanの父Invincible Spiritは欧州系スプリンターでしたが、母方牝系にダンシングブレーヴ、Mill Reefがいることで、KingmanはマイルG1を4勝したマイラーでした。

一方で、母セリエンホルデはドイツ・オークス馬(2200m)です。父は中長距離馬In The Wings産駒Soldier Hollowで2000mG1を4勝(同一G1を2勝づつ)しています。

母の母父Highest Honorはエイシンヒカリも勝ったイスパーン賞(1850m)を勝って1600~2000mで勝ち負けしています。

シュネルマイスターも2000m位ならと思われたのか、弥生賞を使いましたが、スローの番手から、逃げたタイトルホルダーに迫れず、ダノンザキッドに迫られた結果から、マイル路線に専念したのが良かったと思います。

ただ、毎日王冠の勝ち方から、古馬になって秋の天皇賞は狙えるのではないでしょうか。

両者の血統から

阪神マイルへの適性

春の府中でのマイルでは;

シュネルマイスター NHKマイル1:31.6、安田記念1:31.8

グランアレグリア ヴィクトリアマイル1:31.0、安田記念1:31.7

これだけの時計が出てしまうと、時計が掛かり、洋芝も混じっているパワーもいる阪神の馬場に対応できるのかとの心配があります。

シュネルマイスターは欧州系マイラーですし、昨年9月開催の時計の掛かる中山でも強い勝ち方をしています。阪神の直線が長く、急坂のあるコースも苦にしないどころか、かえって有利ではないでしょうか。

グランアレグリアも昨年9月開催の中山スプリングステークスを圧勝しています。マイル向きのパワーにも問題ないでしょう。

血統以外の比較

ローテーション

シュネルマイスターは、毎日王冠で多少出遅れて、僅差の勝負になったものの、安田記念の雪辱を果たしました。中5週で万全でしょう。

グランアレグリアは、死闘を繰り広げた天皇賞秋から中2週、春の安田記念のパターンですが、引退レースで輸送がありますのでそこそこの調教しかできないでしょうが、走れない状況ではないのでしょう。

斤量・騎手

安田記念では2㎏もらっていたシュネルマイスターですが、今回は1㎏あげているので、相手に上り目はないので、自分の成長が頼りです。

両馬とも、ルメール騎手のお手馬ですが、もちろん藤沢厩舎最優先なのでグランアレグリアは心強い味方です。

一方で、シュネルマイスターは安田記念でも乗った武史君が乗ります。安田記念でも毎日王冠でも出遅れていますので、スタートがポイントになります。

どちらを◎にするか、もう少し悩みたいと思います。

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