毎日王冠を展望します-サリオスの分析

レース展望

また週末に向かって展望したいと思います。

伝統の毎日王冠です。中山記念同様に1800mのG2で、いわば天皇賞のトライアルですが、ある程度、独立したG2になりつつあると思います。

マイラーでも挑戦できますし、G1でも良いと思うくらいです。近年では天皇賞への中2週が嫌われる傾向にあるのか、今年も頭数が少ないのは寂しいです。

近年のローテーションの傾向から、特に秋の番組を見直してもいい時期にあると思います。

過去10年の結果

以下過去10年の結果です。

馬場勝馬斤量タイム通過ペース母父
2019ダノンキングリー541:44.410-10-958.5-45.9ディープインパクトStorm Cat
2018アエロリット551:44.51-1-159.0-45.5クロフネネオユニヴァース
2017リアルスティール571:45.67-7-760.0-45.6ディープインパクトStorm Cat
2016ルージュバック541:46.610-11-1160.3-46.3マンハッタンカフェAwesome Again (Deputy Minister)
2015エイシンヒカリ561:45.61-1-159.9-45.7ディープインパクトStorm Cat
2014エアソミュール561:45.26-9-859.1-46.1ジャングルポケットサンデーサイレンス
2013エイシンフラッシュ581:46.74-4-460.8-45.9キングズベストプラティニ
2012カレンブラックヒル561:45.02-3-357.8-47.2ダイワメジャーGrindstone (Unbridled)
2011ダークシャドウ571:46.79-9-961.1-45.6ダンスインザダークPrivate Account
2010アリゼオ561:46.46-6-658.9-47.5シンボリクリスエスフジキセキ
ペースは5F-4F

勝ち時計は1:45秒前後で、テンの5Fが60秒を超えると1:46秒台になることがあります。

なかなか、味わい深い馬たちが勝っている印象です。

逃げ切った2頭、アエロリット、エイシンヒカリと、逃げ切りではありませんが、ペースが速すぎて番手となったカレンブラックヒル等は、皆G1級の実力馬たちです。

リピーターはジャスタウエイが2年連続2着、アエロリットが1着、2着しています。こちらもG1級です。

血統的には、何といっても現代のニックスである、ディープインパクト×Storm Catが何と3勝しています。

エイシンフラッシュを除けば中・中長距離×マイラー血統が良いかなという印象です。

今年は、ディープ産駒が3頭いますが、BMSにアメリカのスピード系を持つ2頭がいますがどうでしょうか。

各馬診断

アイスストーム

ストーミングホーム×Red Ransom産駒です。ストーミングホームはミスプロ系です。こちらは主に英国で芝10FのチヤンピオンズSを勝っています。

Red RansomeはRoberto系ですが、スピード型産駒の多いDamascusの配合です。

ミスプロ系なのでやはりワンターンの2000m前後が良いのは実績通りですが、格的な問題は残ります。

カデナ

ディープインパクト✖️フレンチデピュティ産駒です。BMSはStorm Catではありませんが同じNorthern Dancer系のマイラー血統です。

早熟を思わせる、2、3歳時に弥生賞を含めて重賞を2勝しました。

その後は二桁着順が多かったのですが、今年に入り小倉でG3を勝利後、G1大阪杯4着と健闘しました。

前走は出遅れた上に、超スローで届きませんでしたが、見せ場を作りました。

サメカツ君ではなく、三浦君に乗り替わりとなります。流れれば、頭数が少ないのでチャンスだと思います。

コントラチェック

ディープインパクト✖️Halling (Sharpen Up系)産駒です。ディープ産駒ですが、気性の問題で逃げないと競馬になりません。

ルメールを持ってしても、どうにもならないので、今回も逃げようとするはずです。そうなるとトーラスジェミニとの兼ね合いが鍵になります。

府中で、このメンバーで、逃げ粘れるとは思いませんが、大逃げを打って、一杯一杯持たせるとか考えられなくもない程度でしょうか。

サトノインプレッサ

ディープインパクト✖️Sahm (Mr. Prospector系)産駒です。毎日杯の勝ち馬ですのでここも合うと思います。

母サプレザは英国マイルのサンチャリオットSを3連覇した名マイラーです。マイラーとしては日本では重くなりそうですが、ディープの軽さとあった感じです。距離もこの位があっていると思います。

54kgに戸崎君と条件が揃った観もあります。ダービーでは内外もあり、サリオスに完敗でしたが、この距離でどうかです。

後、ゲートが開くと前足をあげるような癖があり、ある程度の出遅れが常になっています。夏を超えて、この点進化したかも見所です。

サリオス

今回は詳しくサリオスについて述べていきたいと思います。

まずは血統です。以下4代血統表です。

ハーツクライ×ドイツのLomitas産駒です。Lomitasも母のBMSタイガーヒルも2400mのG1を複数回勝っています。

従いまして、血統的には中長距離が得意であるはずですが、何故か2歳時はマイルを使われました。

今週も行われますが、去年のサウジアラビアRCではスローの3番手から直線競り勝ったのはまだしも、朝日杯フューチュリティステークスの勝ち方は、早いペースを追走して早めに先頭に立ち、後続を抑えきるという、強く、マイルでの底力を感じさせる内容でした。

姉2頭は父がディープ産駒なのですが、ドイツ中長距離血統の重厚さをまったく感じさせず、むしろ、軽いレースぶりをしていたので、気になっていたのですが、その点、サリオスには杞憂に終わりました。

その後2戦はコントレイルに惜敗と完敗でしたが、悲観する内容ではなかったと思います。ダービーはコントレイルにとって、いわゆる”ハマった”レースで外目の枠から勝負になる位置をとれなかったことが敗因でした。

体型的に胴が詰まっているわけではなく、むしろ長いほうですし、胸前がすごく発達しているわけでもなく、マイラーではありません。

強いて言えば、大型馬で、脚が短く見える点で、長い距離よりも、中距離を良しとした判断なのかもしれません。

将来的にこの辺の1800~2000mがベストになるかもしれませんし、近年の菊花賞の価値は低くなっているにせよ、クラシックをあきらめて欲しくなかったと思います。

関東馬として、セントライト記念から菊花賞を目指して、中長距離適性を試して欲しかったとも思います。

結論は、2歳時はマイルでも通用しましたが、古馬混合だと古馬マイラーの決め手に屈すると思います。この距離でもワンターンだとディープ産駒の決め手が脅威になるでしょう。

やはり、最低でも2000mは欲しいところです。

本番を天皇賞に標準を合わせたとしたら、中2週になりますので、ここは余裕を持たせて出てくると思います。その状態で、この相手と距離でどういう戦いを挑むかが見どころになります。

多分、ダメージを残さないために、中団やや後ろから、直線でどこまで伸びるかというレースをすると思います。この点でも、鋭さ負けする可能性がいくらか残るでしょう。

サンレイポケット

ジャングルポケット×ワイルドラッシュ (Icecapade)産駒です。ワイルドラッシュはアメリカでマイル前後のG1を勝っています。更に母方は、サンデーサイレンスなので、父ジャングルポケットを踏まえると2000m前後が合うと思います。

前走も出遅れ気味に出て、究極の上りの勝負でしたが、上り3F32.4で差のない3着でした。

この相手でどうかと思いますが、もともとジャングルポケットの父トニービン産駒は、府中を大の得意にしていたので、ここは狙い目にはなります。後は相手件関係ですね。

ザダル

トーセンラー×Lemon Drop Kid (Kingmambo系) 産駒です。Lemon Drop KidはアメリカフューチュリティS(8F:マイル)から12FのベルモントSまで勝っていて、距離万能型です。

父トーセンラーは京都専門の馬で、マイルチャンピオンシップの勝馬ですが、京都であれば菊花賞3着、天皇賞も2着しています。

ただ、同馬は左回りのワンターンで1800~2000mを得意としており、格は落ちますがここは狙っているはずです。

ダイワキャグニー

キングカメハメハ×サンデーサイレンス産駒です。とにかく、左回りの1800~2000mを得意としており、この舞台は得意です。

特に府中の1800mは5.0.0.3と大の得意で、前走初重賞勝ちを収めました。

その後、いつの間にか騙馬になっています。

これはとことん走れと言うことでもありますが、術後明けはどうなんでしょうかね。余り走った記憶はないのですが。

トーラスジェミニ

キングズベスト×マンハッタンカフェ産駒です。今年のエプソムカップで400万馬券の主役となりました。勢いに乗って巴賞を勝ち、函館記念はマークはきつかったものの4着、札幌記念では役不足でした。

キングズベスト産駒は逃げて活躍する馬が多い印象ですが、こちらもその一頭です。レースの勝敗とは別に、コントラチェックとのやりとりが見ものです。

ワンダープチュック

ハーツクライ×Storm Cat産駒です。父がディープインパクトなら傾向に合致しますが、ハーツクライでどうでしょうか。

出遅れ癖がある馬で、前走は出遅れずにようやく勝ち上がりました。

スタート上手い大知君ですが、乗り替わり初戦で、初騎乗です。

常識的には、いきなり別定のG2では厳しいでしょう。

今のところ…

週末の雨が気になりますね。

もちろん本命はサリオスですが、古馬混合で切れる馬に差される可能性は否定できず、神戸新聞杯のコントレイル程固くはないでしょう。

雨の影響が残り、差し馬の鋭さも軽減されるので、馬場にのめったりしなければ大丈夫かとは思います。皐月賞も2秒近く悪い馬場だったので、この点でも杞憂に終わればと思います。

ディープインパクト産駒にしては重馬場が得意なサトノインプレッサも有力で、この頭数なら若干の出遅れなら、直線で進路を探して右往左往して4着したダービーの脚は買えます。

3歳馬2頭が中心ですが、サンレイポケットはまだまだ成長途上で、ここで見せ場を作るようなら本番でもと見ています。荻野君には頑張って欲しいです。

カデナには馬場がマイナスになりそうです。

ザダルとダイワキャグニーにとってベストの舞台ですので、どこまで健闘できるか。あと、逃げ馬2頭の折り合いがつけば開幕週だけにあっと言わせる可能性も残っています。

あと、個人的にはグランプリと呼ばれるレースが非根幹距離で行われていますが、日本でなぜ7F1400mや9F1800mのG1が無いのか不思議です。考えて欲しいですね。

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