今年は3冠馬3頭の出走と特別な年になりました。他の馬もG1馬が多く出走し、盛り上がりを見せています。
国際競争なので、もう少し海外からの参加が多ければいいのですが、極東の競馬場に、コロナ禍の中の参加は難しいのでしょう。
有力馬血統診断・前走からの条件の変化
カレンブーケドール
ディープインパクト×Scat Daddy(Machiavellian-Mr. Prospector系) 産駒です。
Scat Daddyは6Fから9Fのレースに勝っていますが、なんと言っても3冠馬ジャスティファイを輩出しています。
血統的に、母はMr. Prospectorの血が濃く、母父もヨハネスブルグ産駒でスピード系です。
しかし、母ソラリアはチリ3冠の最終戦エルダービー(2400m)を勝つなど、幅広い距離で活躍した、言わばチリのウオッカみたいな馬です。
以下、血統・実績から類推する前走からの変化です。
【距離】→ 中山の2200mを走れて、府中の2400mを走れない理由はありません。スタミナは中山の2200mの方が必要だと思います。
【ローテーション】↗️ 一度叩かれて、中8週と適度な間隔があいていますので、状態は前走よりも良いかと思います。
【馬場】↗️ 荒れた馬場も苦にしませんが、2勝目だったスイートピーステークスの舞台である、府中の1800~2000mがベストかと思います。距離は伸びますが、良馬場でやれそうな点はプラスに働くはずです。
アーモンドアイ
ロードカナロア×サンデーサイレンス産駒です。
母のフサイチパンドラは牝馬クラシックを賑わせましたが、桜花賞14着、オークス2着、秋華賞3着でした。距離的に2000mは欲しくG1を勝つ決め手に欠けていた印象です。
エリザベス女王杯に勝っていますが、これもカワカミプリンセスの降着による繰上りでした。
ただ、川崎エンプレス杯(ダート2100m)でも2着しているように、スタミナとパワーがあったことは確かです。
【距離】↘️ 府中の2400mで2戦2勝ですが、2500m有馬記念の惨敗もあり、本質的には2000mまでが得意の距離と見ています。ただ、府中のクッションの良い馬場の申し子で、スタミナが温存できる特技があります。今年の馬場は微妙で、2年前の馬場は望めません。有馬記念のような馬場にはならないと思いますが、当日の馬場次第で道中スタミナをそがれるきらいがあります。
【ローテーション】→ 休み明けが最もよく走るのはデータの通りです。3強と言われる3頭の中でも、最も間が詰まっています。しかし、天皇賞はどスローの上りの勝負で、ダメージは少ないと思います。9分通り仕上がるかと思います。
【馬場】→ 府中の軽い馬場を最も得意としています。一昨年の馬場は望めませんし、天皇賞時より一層パワーが必要になります。そこでスタミナが奪われるかどうかです。
キセキ
ルーラーシップ×ディープインパクト産駒です。
祖母が血統の割には快速だったロンドンブリッジですが、産駒からはロンドンブリッジの父ドクターデヴィアスの影響を強く受けたオークス馬ダイワエルシエーロや、母父Danzigの影響を受けたグレーターロンドンのようなマイラー、短距離馬も出ています。
キセキは、これまでの実績からは前者ドクターデヴィアスの影響を受けたと同時に、ルーラーシップ産駒らしく、切れる脚はないものの、長く足を使える特徴を活かした逃げ戦法で、古馬混合G1制覇にあと一歩まで行きました。
近走は気性の悪さが出てきて、出遅れ癖が顕著で、時に致命的な出遅れをするようになってしまいました。
ムラ掛け状態ですが、良馬場で控えてしまうと、後方から切れる脚がないので、良馬場では出遅れが致命的になる可能性があります。
【距離】↗️ 瞬発力が必要となる、府中の2000mは不向きでした。2Fでも伸びるのは有利ですし、時計が掛かる馬場になればなお良しです。
【ローテーション】→ 叩かれて良くなるタイプですが、中3週なので。
【馬場】↗️ 晴雨兼用で馬場は軽くても重くても力は出せるタイプですが、出遅れがあるので、時計がある程度かからないと挽回できません。やや荒れている馬場はプラスに働くかと思います。
デアリングタクト
デアリングタクトについては「デアリングタクトを解析します」で詳しく解析していますので参照お願いします。
【距離】↗️ 前走の小回りの2000mなら、今回の大箱の2400mは脚質的にも、血統的にも理想的な舞台です。
【ローテーション】↗️ 中5週はこの馬にとって短いものですが、前走余裕のある体つきで、次がベストになるような体つきでした。
【馬場】↗️ 馬場は稍重までは全く問題ありません。オークス時のような時計の出る良馬場では、古馬相手に切れ負けする可能性がありますが、オークス時よりは力のいる馬場になっています。
コントレイル
コントレイルについては「コントレイルを解析します」を参照していただければと思います。
菊花賞は決して向かない距離で苦戦しましたが、能力と抜群の勝負根性でしのぎ切りました。
【距離】↗️ さすがに3000mは長すぎましたし、2400mでも長いのですが、こちらもアーモンドアイ同様に府中の申し子であり、馬場さえ悪化しなければ何とか持つ距離です。
【ローテーション】↘️ 秋はすでに2戦使われ、初戦はほぼ馬なりで完勝でしたが、菊花賞は3000m走り、しかも直線はアリストテレスとの叩き合いでかろうじて勝ったことから、ダメージは残っていると思います。中4周でどこまで回復し仕上げられるかです。
【馬場】↗️ もちろん京都でもいいですが、末脚を活かすタイプなので府中の方が得意です。
ウェイトゥパリス
Champs Elysees(デインヒル系)×Cozzene産駒です。
父・母共に父がスピード系で母がスタミナ・底力系でバランスを取っています。日本の競馬に合いそうな血統構成です。
7歳にして初めてG2とG1サンクルー大賞を勝っています。晩成型は母方から来ているにせよ、距離はあっていますので、後は府中の高速馬場に対応できるかになると思います。
グローリーヴェイズ
ディープインパクト×スウェプトオーヴァーボード産駒です。スウェプトオーヴァーボードはスピードを伝えていますので、長距離実績があるのは、祖母側のメジロ一族らしい重厚な日本血統の影響でしょう。
ドバイ帰りの影響が宝塚記念に残ったか、17着惨敗の後の京都大賞典で勝利し、休み明けは走らないと切ってしまい反撃を受けました。
【距離】→ G1勝利もこの距離ですし、変わらずベストの距離でしょう。
【ローテーション】↗️ もともと一度叩かれて良い馬で、キタサンブラックが勝った時と同じ、前走京都大賞典から中6週と適度な間隔をあけていますので、状態は上がっているでしょう。後は相手関係です。
【馬場】→ ディープ産駒ですし、差す競馬をするので初の府中も問題ないでしょう。
今のところ…
今年はトーラスジェミニの参戦と、キセキはスタートさえある程度まともなら今度も前に行くと思いますので、スローにはならないと思います。
馬場も一昨年アーモンドアイが勝ったような超高速馬場ではないので、ある程度のスタミナを要求される展開になりそうです。
1列目にはどんな競馬にも対応してきたデアリングタクトと先行した場合のキセキ
2列目に府中の申し子アーモンドアイと唯一外枠に回ったグローリーヴェイズ
3列目にローテが厳しいコントレイルとカレンブーケドールかウエイトゥパリス
後は調教ビデオを見て、土曜日の馬場をチェックして結論を出したいと思います。
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