函館記念の展望と有力馬解説

レース展望

【レースの特徴】

夏競馬はハンデ戦が多いのですがここも同じくハンデの2000mです。

ポイントは洋芝適性で、2021年トーセンスーリアの1:58.7は馬場が良かったとはいえ、出色の時計で、通常は2分前後で、過去2年は重馬場で2:03秒台、稍重で2:01秒台でした。

先週の福島で行われた七夕賞以上に軽いスピードの先行馬や、(府中などで早い上りを使う)切れる馬ではなく、重厚な先行馬や、3-4コーナーでまくれる脚のある馬が有利に見えます。

中山や福島、そして阪神の内回りで好走している馬は対応可能でしょう。

もちろん、函館、札幌で実績のある馬は季節対応もできていると言うことで、有力候補になります。

ハンデのボリュームゾーンは54~57㎏で過去5年で5.4.4と全勝で、ほぼ馬券圏内を独占しています。参考にはなるでしょう。

血統的には、サンデーサイレンス系ならディープ系よりステゴ系か、母父トニービンのハーツ系、後はハービンジャーのような欧州種牡馬、キンカメ系、クロフネが入っていて距離もこなせる馬が合っています。

【馬場・トラックバイアス】

小回りでコーナー4回で、洋芝で芝が絡みやすく、下地も柔らかくなりますので、やや時計が掛かる馬場です。

先週、日曜日は多くはないものの、降り続けましたので、メインの1800mは60.6-48.8=1:49.4と1秒半ほど掛かっていました。

中間降雨はありましたが、週末は降らない予報ですので良馬場で行けそうです。

先週からBコースに替わっていますが、JRA発表の写真を見る限り、内に若干の痛みが見られる程度です。

ただ、開催6週目で、クッション値も7.7とやや柔らかめですし、見た目以上に内はパワーが必要になるかもしれません。

結果、勝ち時計は2:00前後くらいか。

【枠順・展開】

前走巴賞を逃げ切っている⑫ホウオウビスケッツは逃げ候補ですが、ここは逃げないと競馬にならない⑨アウスヴァールが行くでしょう。

⑫も③エンパイアウエストも無理はしないので、隊列は1コーナーまで決まりそう。

そうなれば、先行馬有利で、差し馬は無理なく4コーナーで3列目くらいまでは上がっていたい。

ペースが落ち着くと、外々を回らされる外枠勢は不利になります。

基本的に内前有利なコースで、過去5年では1~5枠で4.5.4となっていて、7枠が1勝、8枠が3着1回となっています。

因みに、7枠で勝ったのは15番人気アドマイヤジャスタ、3着は12番人気バイオスパークと穴馬が来ています。

【有力馬・穴馬解説】

①サヴォーナ

3勝馬ですが神戸新聞杯と菊花賞を挟んで日経新春杯で2着があります。格的にはG3なら格上的存在です。

キズナ×デインヒル系で、さすがに前2戦の3000m級のレースは長すぎたようです。

決め手に欠けますが、そこは洋芝コースなので、カバーしてもらえそうです。

枠が内過ぎた観はありましたが、土曜日のレースからは問題ないでしょう。

いろいろあった(やらかした?)池添君は勝ってすっきりしたいところでしょう。

③エンパイアウエスト

ドゥラメンテ×Sadlerですから洋芝適性はばっちりです。むしろ、よく前走内回りとは言え京都で勝てたなと言う血統で、ここはさらに適性が合うので53㎏で要注意です。

3番手あたりを楽に追走できればゴール前まで粘れそうです。

53㎏と武史君も心強いです。

④グランディア

ディアデラノビア産駒で、こちらも洋芝適性が高い上に、父もハービンジャーで万全です。それだけに前走は時計が早すぎた。

脚質が小回り向きとは言えませんが、上手く直線進路を確保できればチャンスはありそうです。

56㎏は少し見込まれましたが乗れてる皇成君が何とかするか。

⑤サンストックトン

父ワールドエースはディープ系ですが母父がドイツ系Acatenangoです。母父キンカメ、祖母の父トニービンと洋芝適性は万全ですし、実績もあります。

こちらも末一手ですがまくれる脚もありそうです。前走は後ろから行きすぎました。中団後ろ位なら良い位置まで押し上げられるでしょう。

55㎏と前走から2kg減で、追走もしやすく上積みもありそうです。

ただ、藤岡お兄ちゃんのテンノリはどうか。

⑫ホウオウビスケッツ

巴賞の好走馬は本番に結びつかないジンクスがありますが、57.5㎏でとまりました。ダートでも通用しそうな血統ですが距離は1800mがベスト。

府中で2000mを逃げ切っていますが、スローですし、明け3歳の1勝クラスでした。

先行馬には枠も中途半端で、内に潜り込むタイプの騎手で、どう乗るか。

⑭ハヤヤッコ

一昨年の勝馬ですから適性云々の心配はなく。昨年5着で、8歳になった今年はどうかと言う点でしょう。

昨年は勝ったローシャムパーク、3着ブローザホーンだったことを考えると普通なら3着争いと評価できます。

今年は休み明けと慣れているとはいえ58.5㎏が課題でしょう。

それにしても中京と函館でしか走らない馬で不思議な馬です。

⑮チャックネイト

中長距離のG2で活躍中でAJCCを勝ちました。格上馬ですがそこはハンデ戦で58.5㎏です。

ノってる佐々木君で、15番枠からどう乗るか。とにかくズブイ馬ですので、3コーナー過ぎから追い通しになると思いますが見せ場です。

【今のところ】

ハンデが手頃な54~57㎏で内目の枠前目に行ける馬となると③エンパイアウエストでしょうか。

上手くまくれて、直線進路をとれれば④グランディアと⑤サンストックトン。

57.5㎏ですが①サヴォーナが経済コースを通れるので注目です。

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