祝☆エピファネイア後継馬誕生

名馬解析

エフフォーリアは、すでに皐月賞を勝っていますので、エピファネイアの後継馬になる可能性はありましたが、3歳時での天皇賞制覇で確定しました。

ダービーも、ほぼ勝ちのハナ差2着ですから、変則準3冠とも言えるところです。

父エピファネイアは初年度から牝馬無敗の3冠馬デアリングタクトを輩出したことで、牡馬路線でも、期待されていましたが、2年目に旧8大競争を3歳秋で2勝する産駒が出てきました。

今後の活躍も見込めますし、期待される後継馬になることは、確定したと言えるでしょう。

3世代G1制覇達成

先日、ピクシーナイトがスプリングステークスを勝利して「祝☆モーリス産駒初G1制覇!」という記事を書きましたが、4世代G1制覇の快挙を成し遂げました。

エフフォーリアはすでに皐月賞を制していますので、シンボリクリスエス-エピファネイア-エフフォーリアと3世代G1制覇を達成しています。

皐月賞1冠でも十分種牡馬になる資格はあると思いますが、古馬混合の旧8大競争の天皇賞秋を制覇したことは、箔をつけるだけでなく、成長力のある血統でもあり、今後の活躍も保証する勝利になりました。

サイアーライン3世代の系譜

サイアーラインを見るとRoberto系Kris S.から始まっています。実はモーリスも同じRoberto系Silver Hawk-グラスワンダーから始まっています。

日本では主流ではありませんが、地味につながっている血脈と言えます。

ちなみに、Robertoの1代上はHail to Reasonで、サンデーサイレンスの父HaloもHail to Reason産駒です。そうすると、日本の競馬は結構Hail to Reason系が席巻しているといえるでしょう。

役割はかつては、スタミナのRoberto系、スピードのHalo系でしたが、Roberto系も5代先になると、ピクシーナイトみたいな強いスプリンターが産まれたりします。

この辺が面白いところです。

シンボリクリスエス

父Kris S.はRoberto系で目立った成績はありませんが、多くのG1ホースを輩出しています。日本の代表産駒がシンボリクリスエスで、青葉賞勝利からダービー2着しました。

そして、3歳時、4歳時ともに天皇賞・秋、JC、有馬記念と現代では考えられない(3歳時は神戸新聞杯勝利を含めた)3連戦に挑戦し、2年とも1、3、1着でした。

現代では考えられないローテーションですが、1980年代以降は当たり前のローテーションでした。因みに1シーズンで天皇賞・秋、JC、有馬記念と3連勝したのはゼンノロブロイのみで、今後3連戦することもまれなので、もう現れないでしょう。

また、シンボリクリスエスの最終戦となった4歳時の有馬記念に至っては9馬身差の圧勝で引退しました。

ちなみに、有馬記念で2着以下を引き離すことはたびたび起きます。2019年リスグラシューは5馬身、2011年オルフェーブルは8馬身でした。

シーズンオフで馬の体調にばらつきがあること、馬場が軽くなった府中からパワーがいる中山競馬場に移り、パワー、スタミナ寄りのレースになり、切れやスピード型の馬には力を発揮できにくいレースだからだと思います。

こうして、シンボリクリスエスは天皇賞秋・有馬記念を2年に渡り連勝し、種牡馬入りすることになります。天皇賞秋を連覇する中距離におけるスピードと有馬記念圧勝する底力、そして非サンデー系であることで期待が大きかったといえるでしょう。

エピファネイア

種牡馬として期待された⁈シンボリクリスエスでしたが、ストロングリターンやサンカルロなどマイルや短距離である程度の結果は出しましたが、クラシック路線で活躍する産駒は現れませんでした。

そんな中、2012年エピファネイアがデビューします。

エピファネイアの母シーザリオはご存じの方も多いと思いますが、日米のオークスを制した名牝です。6戦5勝で敗戦は桜花賞の2着でした。

シーザリオは故障のため6戦で引退しています。これは逆に活力を持ったまま繁殖に入ったと言えます。

これまで、種牡馬になるような産駒をすでに3頭(エピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリア)が産まれています。

エピファネイアは2歳時に3連勝し、皐月賞は2番人気でロゴタイプに競り負け、ダービーではキズナにゴール前差され2着。

当時の祐一君は、ここ数年のような一皮むけた祐一君ではなく、詰まったり、多少の不利でも言い訳がましく言ったりとあまり好感度はありませんでした。

しかし、秋は神戸新聞杯完勝の後、菊花賞でも得意の?!重馬場で完勝し、1冠を確保し、古馬になっての活躍が期待されました。

しかし、JCまでの3戦は香港を含めてパットせず、期待を裏切っています。そこで迎えたJCで圧勝します。理由は2つ、スローでは気性の悪さを出してしまいましたが、このレースでは流れたこと(71.8-71.3=2:23.1)、そして騎手が名手スミヨンに替わっていたことです。

その後、有馬記念5着、翌年ドバイワールドカップ9着で引退しました。

現在、現役時代のライバルだった、キズナと種牡馬としてしのぎを削っていますが、ここまでは確率のキズナ、大物を出すのはエピファネイアといった評価になりそうです。

エフフォーリア

血統表を眺めていると、エフフォーリアは良く産まれてきたなと思います。

母ケイティーズハートは祖母ケイティーズファーストの最後の産駒です。祖母は1987年生まれ、母は2009年生まれです。祖母の15頭目の産駒になります。馬齢的に人間なら70歳を超えていますので、母が産まれたこと自体も奇跡的ですが、そこから名馬が産まれたことは奇跡的です。

と言いうのも母は15戦してダートの1700~1800mで3勝しています。

祖母からは芝で活躍した産駒が多いことから、たった1頭でどうこうは言えませんが、ハーツクライとの親和性は良いとは言えません。

その母からエピファネイアをつけたことで、シンボリクリスエスのような芝の中距離におけるスピードと底力を高いレベルで発揮できる馬が産まれたことは、かなり細い線を引き当てたと思っています。

今後の活躍は約束されていますし、引退後の種牡馬としての活躍も期待されるところです。

まずは、祖父シンボリクリスエスと同じ、天皇賞秋・有馬記念の同一年勝利が注目されます。

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