【予想のポイント】
【天皇賞の意義】
先週は日曜日が雨で中間も降っています。GWもぐずつく予報もあり、パンパンの良馬場にはならない。
外→内回り2週で、直線の坂を2回上る上に、阪神芝コースなので、これはもう日本一スタミナと底力が求められるレースになります。
そして何といっても天皇賞は、春秋ともに、58㎏(牝馬56㎏)を背負って底力と、春はスタミナ、秋は中距離のスピードを争う古馬のチャンピオンを決めるレースです。
この別定最重量の定斤量で争うレースであることが、天皇賞の意義であると確信しています。
【ローテーション】
過去10年で連覇が3頭いますので、リピーターの多いレースです。
フィエールマンは体が弱く調整の難しい馬で、1回目は菊花賞-AJC杯から、2回目は有馬記念からの直行でした。
キタサンブラックは2度とも大阪杯経由でした。
フェノーメノは2度とも日経賞からでした。昨年のワールドプレミアも日経賞からでしたね。
ダイヤモンドS組は案外良くなく。
阪神大賞典からのローテで勝ったのはレインボーライン、ゴールドシップ、ビートブラックといます。
その点からも、2強であるタイトルホルダーとディープボンドはローテの王道を歩んできたと言えます。
【トライアルレースの検証】
日経賞を勝ったのはタイトルホルダー。ギリギリの逃げ切りでした。
途中13秒台半ばのラップが2Fあり、スローペースで稍重だったにしても、トライアルらしくペースを落として余力を残しながら逃げたと言えます。
1㎏多く背負ったタイトルホルダーですが、状態は調教タイムから今一つでしたが、稍重の馬場も手伝って、完全先行馬有利な馬場状態でした。従って、相手関係も相まって、かなり恵まれた勝利であったと思います。
ただ、逃げた際は勝ち切れる能力は示せたと見ますし、本番への余力を残せたとも見ます。
阪神大賞典を勝ったのはディープボンドでした。
昨年は圧倒的な完勝で勝ち上がりましたので、今年の勝ち方はおとなしいものでした。全体的にスローで63.1-62.9-59.0=3:05でした。この後傾ラップが着差を圧縮したと言えます。
いつもより、一列下げて力を温存し、大外回して勝ち切った点はトライアル的な乗り方で勝ち切った点は、1㎏多く背負ってましたから、強い内容でした。ただ、脚はじりじりしていて、余り後ろから行くと届かない可能性がありますね。
両頭とも、斤量的にも、上昇度からも、やはり有利と見ます。
日経賞よりも阪神大賞典の2、3着馬が3000m級のレースで変わり身を見せていますので有力と言えるでしょう。
特にステイヤーズステークス、阪神大賞典2着のアイアンバローズは2400m前後では今一つでしたが、3000m級のG2を連続で2着しています。ステイヤーズステークスは名ばかりG2ですが、阪神大賞典では1㎏もらっているにせよ、ディープボンドと接戦に持ち込んだ能力は、馬場が荒れてきてさらに力を発揮できるかもしれません。
ダイヤモンドSはハンデ戦なので軽ハンデで勝ったテーオーロイヤルは58㎏背負ってどうでしょうか。
その他、本番への関連で行くと、AJCC2着のマイネルファンロン、京都記念2着タガノディアマンテは可能性があるか。
【有力馬】
【タイトルホルダー】
これまで重賞3勝を含む4勝はすべて逃げ切りです。
血統特にBMSの特徴が良く出た馬です。BMSのMotivatorは父モンジュー、母父はミスプロ系Gone Westです。
(モンジューについては「モンジュー(Montjeu)の活かし方」を参照していただけたらと思います)
簡単に言えば、モンジューは日本の軽い馬場では全く活きない欧州のスタミナ特化型の種牡馬です。
また、ミスプロ系は一本調子に出る傾向があります。
併せれば、スタミナ型逃げ馬(またはマクリ馬)→中長距離逃げ馬であることがこの馬の特性を最大限活かすレースだと見ています。
ここはG1なので最大限の能力を引き出すなら、逃げるか、少なくても2週目の向こうから先頭に立つような積極的な競馬をすることだと思います。
【ディープボンド】
昨年の2着馬なので有力ですし、中間の調教も走っています。馬券圏内は外さないでしょう。
ただ、勝てるかというと血統的には心配が残ります。
父キズナはディープ×Storm Cat産駒でダービー馬ですが古馬になってマイラー体型になっていったことを考えると短中距離馬と見ています。産駒で活躍馬も多いのですが、ようやくアカイイトがエリザベス女王杯を勝ちましたが、牡馬のG1馬はいません。
また、母父キングヘイローも活躍馬が多いのですが、G1を勝ったのはキングヘイロー同様スプリントG1をピクシーナイトで勝っていますが、ディープボンドを含めて2着が多く勝ち切れていません。
ここも勝てそうで勝てないレースになりそうと見ています。
【アイアンバローズ、タガノディアマンテ、マイネルファンロン】
20年2着のスティッフォリオ、19年3着パフォーマプロミス、18年1着レインボーライン。すべてステイゴールド-オルフェーブル産駒です。
アイアンバローズは3000m級のレースになって力を発揮できるようになりました。
母パレスルーマーはベルモントステークス馬の母でパワーとスタミナのあるタイプです。格も備えていますので、好走可能でしょう。2強に割りこめれるならこの馬か。
タガノディアマンテは長期休養が2回ありました。一昨年のステイヤーズステークスは10か月ぶりで2着、その後AJCC9着後、再度1年の休養を余儀なくされました。金杯4着、京都記念で2着しました。両レースとも1番枠でのものでした。
この血脈の好走パターンは極端な枠順、極端なレース振りです。今回も1枠か7枠以降であれば好レースが可能でしょう。
母方はKingmambo系×トニービンで更に牝系を遡るとNureyevがいて、G1向きの底力があっても不思議ではありません。
マイネルファンロンの好走パターンは何といっても外枠です。勝った新潟記念が17頭立て16番、2着に入ったAJCCは14頭立て14番でした。
その他にも、ステゴ系クレッシェンドラヴ、オルフェーブル産駒シルヴァーソニックもいて、中長距離におけるこの系統は必ず絡んでくる血脈と言えるので、注目が必要です。
【今のところ】
最大のポイントは展開でしょう。
18頭立ての16番枠に入ったタイトルホルダーが特に邪魔されず逃げることができれば、菊花賞馬ですから最も強いと見ています。ただ、勝ち切るには逃げないと勝ち切れない現実もあります。
従いましてタイトルホルダーの逃げ方がこのレースのすべてだと思います。
ディープボンドの能力は認めるものの、勝ち切れない血統と見ていますので、順当であればタイトルホルダーの2着かなと見ていますが、余り古馬になって成長するタイプとも言えず、昨年以上の+はないと見ています。
タイトルホルダーは16番枠、ディープボンドは18番枠になりました。いいハンデになったかもしれませんが、雨でも降れば逆に外の方が有利になるかもしれませんので、現時点ではこの2頭が抜けている見立てです。
ただ、ステイゴールド-オルフェーブル系は理屈では計り知れないので、割って入るか3着に来るのではと考えています。
母系がしっかりしているという点でアイアンバローズ、タガノディアマンテを上位に取りたいと思います。
母系がしっかりしてるという点ではシルヴァーソニックもそうなんですが、安定感はあるものの、どうもG1で活躍できるとは思えない勝負弱さを見せています。
マイネルファンロンも外枠ならと思いましたが、6枠11番は微妙な枠です。
テーオーロイヤルはまだ格下で、ハンディキャップホースと見ています。
ステイヤーとしてヴァルコスはスタミナ豊富ですが、騎手と坂路調教のみでは買えないところです。
以上です。
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