デアリングタクトを解析します

名馬解析

4戦無敗のまま牝馬2冠を達成したデアリングタクトですが、ぶっつけで秋華賞に臨んできました。

3冠目が5戦目とは驚きですが、新馬以外の3戦はあらゆるタイプのレースを勝ち抜いています。2000mは得意の距離ですが、コーナーを4回回る、内回りの2000mの展開の紛れ以外に、現状同世代では、この馬を負かす馬はいないでしょう。

血統

エピファネイア×キングカメハメハ産駒です。

エピファネイアは菊花賞馬でジャパンカップにも勝ちました。何といってもジャパンカップの勝ち方が圧巻でした。雨が残っていて、やや時計が掛かる馬場でしたが、展開が流れたことで、折り合いも付いたのが勝因でした。そうなれば底力が活きた結果です。

皐月賞、ダービーともに2着でしたが、私の個人的な見方では、今の祐一君なら少なくても2冠はとれていたと思います。

母方はキングカメハメハ×サンデーサイレンスです。

更に母方はダンチヒなので、祖母デアリングハートハートは素直にサンデーサイレンス✖️ダンチヒとして、1800mの牝馬重賞3勝で、NHKマイル2着、桜花賞3着と1600~1800mを得意としていました。

サンデーサイレンス、キングカメハメハも一流種牡馬なので、自身の能力遺伝と共に繁殖牝馬の良さも伝えるので、母は1戦して未勝利でしたが、血統的にはそのまま1800m前後に強い要素を残していると評価しています。

その母とエピファネイアなので、1800~2400mで力が出る底力型と考えられます。牡馬ではないので距離はもう少し短めが合うようになるかもしれませんが、逆にキレ・スピードが増すと考えられます。

従って、タイプとしては中・中長距離型で、底力で勝負できて、一瞬の脚もそこそこある。気性は激しい。従いまして、秋華賞の距離2000mは流れればベストの距離で、パンパンの良馬場で時計も上がりも早くなった場合苦戦が考えられる。気性の激しさからスタートに心配が残る。

この辺が読み取れるのではないでしょうか。

4戦の内容

新馬戦

新馬は49.9-47.8=1:37.7と時計的な評価はありませんが、直線前をカットされたにもかかわらず、外に持ち出して完勝で、思いの外切れる脚を見せました。

エルフィンS

46.3-47.3=1:33.6と前傾ラップで力の差がでたレースでしょう。出遅れて、後方から、大外回って、上り34.0で完勝でした。

ここでは、マイルつまり桜花賞の適正と、血統以上に更に切れる脚があることが証明されました。

桜花賞

46.5-49.6=1:36.1と3秒もの前傾ラップですが、不良に近い重馬場でした。ハイペースで飛ばした、スマイルカナとレシステンシアが3、2着に残り、上り3F36.6で差し切りました。因みにレシステンシアの上りは38.2、スマイルカナは38.6でした。

絶対的なスピードでは、レシステンシアに勝てたかどうかは別にして、3戦目にしてこの厳しい流れと道悪でのあきらめない脚は感動的でさえありました。

オークス

オークスでは一転して良馬場の緩めのペースで72.5-71.9=2:24.4でやや後傾のラップでした。

2角で不利があり、常に外側に馬がいる状態で、直線一瞬空いたスペースに入り、差し切りました。詰まっていたら、前が止まらなかっただけに間に合わなかったと思います。

上り3Fは初コース、初距離、4戦目で驚異の33.1でした。因みに2着ウインマリリンは34.0、3着ウインマイティは34.1でした。

中距離でも末脚の早さと確かさを発揮できました。

弱点はあるか

以上、たった4戦で、新馬を除く3戦は全く質の違うレースを勝ち抜いてきました。ジェンティルドンナが8戦目、アパパネが9戦目だったことを考えると圧倒的に経験不足です。

また、内回りの2000mなのでペースが落ち着いて、包まれたりして思いの外後方にいて、出てくるのに手間取った場合とか、どうしても前半ゆったり行くタイプなので、そういったシーンが思い浮かべます。

ジェンティルドンナもここがハナ差で最も苦しませられたレースでした。ヴィルシーナという良きライバルがいました。

まとめ

ここまで、負かせる馬がいたとしたらレシステンシアだけだったと思います。

キャリアの浅さについても、これまでのレースが距離だけでなく、全く違うペースや馬場だったので、問題はないかと思います。

夏の上り馬の中に倒せるほど強い馬もいなさそうなので、オークスの二の舞いにならないように、外目の枠を引ければ、同馬が勝つ前提で予想を進めることになります。

もし、桜花賞が良馬場で行われていたら、レシステンシアを交わせたか、オークスで直線突込む判断をしたスペースが閉じられていたらと思いますと、この馬の運の強さを強く感じています。

8分の出来で、真ん中から外目の枠を引けば勝てると思います。将来的にすべてのレースで勝つことは無理でしょうが、負けるのはここではないと思います。

個人的には凱旋門賞に行って欲しかったのですが、今年は無理でしたね。

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