コントレイルを解析します

名馬解析

デアリングタクトが、5戦無敗のまま牝馬3冠を達成しました。今週は6戦無敗のコントレイルが、やはり無敗でクラシック3冠に望みます。

牡馬路線で3冠目が2歳G1を含めて7戦目というのも驚きですが、皐月賞以外は危なげない勝ち方だったので大いに有力でしょう。

ここでは、コントレイルについて血統とこれまでのレースを振り返り、弱点を探っていきます。

血統

コントレイルはディープインパクト×Unbrided’s Song (Mr. Prospector-Fappiano系) 産駒です。

Unbrided’s Songの父UnbridledはケンタッキーダービーとBCクラシックに勝っています。戦績は7F~10Fで勝っていて、G1勝利の2レースを含め9-10Fのレースで結果を出していました。

Unbrided’s Songの戦績は、父ほどではなく、BCジュベナイルとフロリダダービーに勝っています。勝っている距離はやや短く7F~9Fです。

また、父よりも若干早熟かと思います。ただ、Caroの父フォルティノ系は芝向きである有利さがあります。

祖母FolkloreはTiznowの仔です。

Tiznowはダーレーアラビアン系全盛の現代において、珍しいゴドルフィンアラビアン-インテント系でBCクラシックを連破しています。主な勝ち鞍から得意な距離は9F~10Fです。

祖母FolkloreはTiznowの代表産駒の一頭で、BCジュベナイルフィリーズを勝っています。勝ち鞍は6F~8.5Fで上げています。

祖母FolkloreのBMSはStorm Catで、更に母方はFappianoですので、スピード傾向が顕著です。

母ロードクロサイトは芝、ダートの短距離を7戦して未勝利のままでした。

従って、母方からは米国スピード型で、Fappianoの色が濃く、一本調子で、長くても2000mまでの血統です。結果として、ワンターンの1400~1800m向きと判断しています。

それに父ディープですから、日本のG1競争の中で最も合うコースは府中2000mの天皇賞です。

それ以上は、日本の軽い芝ではペースと馬場と相手次第と言うことになります。

過去6戦の内容

新馬

阪神のワンターン1800mとこの馬には最高の舞台でした。

5F62.8-4F46.1=1:48.9とスローの流れで好位で折り合い、ラスト33.5で完勝でした。

東京スポーツ杯2歳S

府中の1800mとやはり最高の舞台でした。

5F58.8-4F45.7=1:44.5で上り3F33.1で5馬身差の圧勝でした。いかに当時の府中が走りやすく、ムーア騎手が甘やかさずに追ったとは言え、2戦目の2歳馬が出す時計ではなかったといえます。

これで、早くもクラシック候補の先頭に名乗り出ました。

ホープフルS

中山の2000mで5F60.9-5F60.5=2:01.4でした。

後傾ラップを2番枠から楽に好位につけてインベタから4角手前から加速してヴェルトライゼンデに1.1/2差でした。

あっさりしたG1制覇だったと言えます。

皐月賞

稍重の中山2000mで5F59.8-60.9=2:00.7でした。

基本的に差し馬なので、やや控え間に出て、1コーナーでやや不利をこうむり後方へ、向こう正面過ぎから大外へ出して、4角ではほぼ先頭集団に追いつき、内から寄せてきたサリオスとの叩き合いを制しました。

内が伸びなかったので、下げてから外へ出せたのが勝因でした。

サリオスにとっては、4角で前にいて4着に頑張ったウインカーネリアンがいたことで、外に出すタイミングが遅れたことが敗因かと思われます。

歴史に残る、良いレースでした。

ダービー

良馬場の府中2400mで6F73.5-6F70.6=2:24.1でした。3秒近い後傾ラップのスローでした。

内5番枠から、自然に好位5番手から、4角手前でインベタから徐々に外目に持ち出し、進路を確保すると、サリオスが来るのを待って追い出すとサリオスを突き放して完勝でした。

神戸新聞杯

良馬場の中京2200mで6F72.2-5F60.3のほぼイーブンペースでした。

こちらも2番枠から、やや外に出しながら、やや下げたものの、ダービーよりも後ろにつけて、4角手前でスペースを探しながら、直線に入り、上手くスペースを見つけて少し追った時点で先頭、最後は流して完勝でした。

一方で、ここまで順調さを欠いたヴェルトライゼンデは大外枠から無理せず後方から直線も外を回して何とか2着でした。

 

過去6戦全て1番人気でした。

弱点はあるか

トライアルは調教並みの完勝でしたので、順風満帆です。

ただ、デアリングタクトと比べると、2、3点不安要素があるかと思います。

  • 距離
  • 重馬場
  • 多頭数の外枠

血統で触れたようにこの馬のベスト距離は1800-2000mでG1では秋の天皇賞がベストマッチだと言えるでしょう。

また、ホープフルステークスから全て内枠で、皐月賞を除き楽な競馬をしてきました。この点、レース数は少ないものの様々な異質なレースを凌いできたデアリングタクトとは違います。

菊花賞で外目からでて2回目の3コーナーからのロングスパート合戦でスタミナがあるかなのです。

同じディープ産駒でも昨年の覇者ワールドプレミアは母がドイツ・オークス3着のマンデラでした。2着のサトノルークスのBMSはサドラーズウェルズでした。

また、一昨年のフィエールマンは母がやはり欧州系でした。

やはり、血統から来る距離・スタミナの不安はぬぐえないところです。

稍重の経験はありますが、重馬場にならないまでも、馬場が緩くなれば、時計が掛かり、更にスタミナを要求されるので、距離・重馬場、それに外枠でも重なれば、これまでしてきた競馬と全く異質なレースになりますので、そこに弱点があるかなと思っています。

まとめ

気になるのは3戦目以降全て内枠でした。

内枠が有利に働かなかったのは皐月賞のみで、後の3戦は緩めのペースで楽について行って、ディープの切れを活かせる展開で、内枠がかなり有利に働きました。

もちろん、ここもペースは坂の手前までは、そうは上がらないと思います。ただ、スタミナのある馬は坂の途中からでも上がっていきます。坂上からのロンスパ合戦に一抹の不安があります。

とは言え、クラシック競走は同世代だけとの戦いなので、多くの馬とは勝負付けが済んでおり、世代最強は間違いないのですから、押し切っても不思議ではないことも確かです。

ただ、個人的には単勝を買える別の馬を探したいと思っています。

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