競馬の基礎知識 3： 馬券の種類と的中確率

かつて、勝馬投票券（以下:馬券）を購入するようになったとき、その種類は単勝、複勝、枠連しかありませんでした。

従って、いわゆる払戻金1万円以上の”万馬券”はほとんど出ないものでした。

現在では3連単で万馬券は当たり前ですし、WIN5では続けて億単位の配当が出たりします。時代は変わっています。

さて、現在の馬券の種類と払戻率は以下の通りです。

投票法	単勝	複勝	枠連	馬連	ワイド	馬単	3連複	3連単	WIN5
設定払戻率	80.00％	80.00％	77.50％	77.50％	77.50％	75.00％	75.00％	72.50％	70.00％

馬券の種類と攻略法

それでは、各券種の的中率や特徴について考えてみたいと思います。

ここでは、16頭立てで考えてみましょう。

単勝

的中確率　1/16 = 6.25%

馬券の基本となる単勝は1着を当てると言う、勝負事の基本となる最も強い馬を当てるものとなります。

しかし、レースは生き物ですし、馬の能力も距離やコースで変わってくることから、レースメンバーの中で強さが一見際立っていても、展開やアクシデント、騎手・調教師の力量、調教による馬体調整など、様々な要素で敗れることがあります。

決して、簡単ではありません。

また、人気が高ければ高いほど、フタをする、ツツむと言った人為的な妨害行為も可能ですから一筋縄ではいかないのです。

今年2021年の前半が終わろうとしていますが、先の天皇賞+府中での5週連続G1を例にとってみると

レース	1番人気馬	着順	オッズ	1着馬	人気	オッズ
天皇賞（春）	ディープボンド	2	3.6	ワールドプレミア	3番人気	5.2
NHKマイルカップ	グレナディアガーズ	3	3.4	シュネルマイスター	2番人気	3.7
ヴィクトリアマイル	グランアレグリア	優勝	1.3	グランアレグリア
オークス	ソダシ	8	1.9	ユーバーレーベン	3番人気	8.9
日本ダービー	エフフォーリア	2	1.7	シャフリヤール	4番人気	11.7
安田記念	グランアレグリア	2	1.5	ダノンキングリー	8番人気	47.6

6レース中1番人気が勝ったのはグランアレグリアのヴィクトリアマイル1レースのみです。昨年は4レースで1番人気が勝ったので今年は低調だったとも言えるのですが、女帝アーモンドアイや牡牝で無敗の3冠馬が産まれた昨年が異常だったとも言えるでしょう。

さて、1番人気馬が本当にメンバー中1番強い馬だったかは別として、展開が合わなかったり、不利があったりですが、オークスのソダシ以外は馬券圏内に来ています。

この通り、決してやさしくはありませんが、これが当たらないと、この後出てくる、馬単、3連単やWIN5は絶対に的中しないのです。

したがって、単勝を含めた単系の馬券を好むのは、勝つか負けるか勝負好きな方向きと言えるでしょう。

ここを的中さえすれば、高配当を産む、馬単、3連単への可能性をこじ開けることもできます。

複勝

的中各率　3/16 = 18.75%

馬券の中で最も的中率が高いのが複勝です。8頭以上のレースの場合3着までに入れば的中となります。はずれ馬券が払い戻しのベースとなるため、3着までの着順が確定するまでオッズに幅があります。

人気馬を選択しても、配当が1倍台だったりしますが、繰り返せば、当たり易さは一番です。

狙った馬が3着にも来ない場合は痛手になりますが、単複を3:7で購入すれば、複勝1.5倍で元以上がとれるので、一つの戦法になります。

ただ、ピンかパーみたいな馬には複勝が補完にならず、有効性はありません。

枠連

的中確率　1/36 = 2.78%

出走頭数が8頭以内ですと枠の意味がなくなるため馬券の販売はありません。

かつて、単複と枠連しか売ってなかったことから、残っていますが、いずれ無くなってもいい券種だと思います。

昔からある、同枠の人気馬が、取り消しになっても、払い戻しにならない点は長年の問題を含んでいるからです。

枠でゾロ目を予想した際、馬連より高配当になる場合がありますので、その際はチェックして利用する場合が考えられます。

馬連

的中確率　1/（16×15/2）= 0.83%

16頭立てだと1%を切る的中率になります。

かなり的中率は下がりますが、馬券の基本になっていますね。

何といっても2着まで来そうな軸馬の設定が鍵になります。軸馬決定から何点か流すのが一般的です。

仮に、軸馬が2頭になっても相手次第では回収率は大きく上下することがありますので戦法としてはありです。

ワイド

的中確率　3/（16×15/2）= 2.50%

複数の購入馬が3着までに入れば最大3点的中できる馬券です。

また、多くの場合、馬連の配当の1/3よりも多い配当になるので、効率性もまずまず担保できていると思います。

注意したいのはボックスでの購入です。3頭ボックスは購入点数3点ですが、的中点数の可能性は1点か、3頭で1～3着独占となれば3点全点的中です。

余談ですが、この全点的中は3頭で3連複を1点買った場合に比べ、ワイド3点の払い戻しの総和よりも3連複1点の配当の方が高いです。

なので、ワイドのボックスを買うなら、むしろ3連複にした方が高配当を得られる可能性が高いと言えます。

流しであれば、3頭に流しても、最大的中可能点数は2点あります。従いましてDAIGO君がやっているように軸馬から2点程度流すのが、ワイドの最も効率の良い買い方ではないでしょうか。

どちらにしても、配当が馬連の1/3<ワイドとなりますが、配当は決して高くはないので、馬連の補完か、1～3点で勝負する馬券でしょう。

馬単

的中確率　1/（16×15）= 0.42%

1%を切ってくると的中そのものが難しくなりますが、馬連の表裏を考えると馬連×2点となります。1着馬の人気によって、馬連の配当とあまり変わらない場合もありますし、4倍を超える場合もあります。

勝つ馬に自信のある場合の勝負券種でしょう。

個人的には一時、馬連と、その中の勝負馬券として馬単を買い増していた時期がありましたが、現在では、的中確率が低く、ほとんど、この買い方はしていません。

3連複

的中確率　1/（16×15×14/6）= 0.18%

3連複についてはほとんど買ったことが無いので、コメントする立場にありません。3連単でも述べますが、多くの場合、1頭ヌケが生じてしまいますよね。

土曜日のウイニング競馬でも大久保先生がよく「〇〇が抜けていました」っていうのが良くありますよね。

3連単

的中確率　1/（16×15×14）= 0.03%

的中率が雲をつかむような数字です。点数が16頭立てだと3,360点、フルゲート18頭だと4,896点になります。

確率の悪い馬券ですし、払戻率も低く、賢明な方は買わないことが正解です。

ただし、たまーに的中すると、その時に全能観を感じることができます。

これは麻薬みたいなもの?!ですから、決してお勧めできませんが、買う金額を決めておけば、1レースで1年分の回収なんてことも可能です。

私の場合、2頭-4頭-6頭=24点を基本にしています。1列目2頭が勝たなければそこで終わり。次に残った1列目の1頭と2列目2頭の計3頭が2着に残らなければそこで終わり。最後に3着が残り4頭の中にいなければ終わりです。

3連系の馬券は1頭は予想していない馬が来ることが多く難しいのですが、個人的に「競馬の予想は近未来への予言である」と思っているので、的中すると未来を支配したような全能観を得ることができます。やめられなんですよね。

また、的中率が低いので、3連単だけ買っているとメンタルにも来ます。メンタルが強い方か、外れたことをすぐ忘れるような方にしか進められません。

WIN5

的中率　対象5レースがすべて16頭立てだと、的中率は1/1,048,576とほぼ天文学的な数字です。

先日連荘で億馬券が出ましたが、そうだろうなと思います。

私は宝くじ間隔で購入しています。また、5レース中1レースを1点に絞れれば購入点数も絞れます。

的中確率から宝くじと思えば、LOTO感覚でもいいかもしれませんね。

これまで3回的中しましたが、1万台が2回、7万台が1回でした。1回3桁万円を的中させたいですね。

券種の選択について

券種の選択は馬券を購入する人の性格や資金によると思います。

勝馬を当ててこそ勝負だと思っている方は、単系の馬券+基本の馬連でしょうか。勝ち負けをはっきりさせたい方ですね。

ハイリスクハイリターンなので、出費を抑えたい方にも有効ですが、的中確率は低くなります。的中確率が低ければ負け続けることもしばしばとなります。

逆に複勝、ワイド、3連複はやはり的中するので、配当をある程度得られ、それなりに満足感を得られますし、回収率は上がります。比較的に資金に余裕があり、投資的に考える人が多いのではないでしょうか。

個人的には、重賞は複勝・馬連・ワイドと言った的中率の高い馬券と、3連単を組み合わせて勝っています。

ただ、この方法は、例えばワイドを2･3着で的中して、全体でも若干のプラスだった場合、元は取れてホットはしますが、的中した気にはなれない点をあげておきます。

ワイド的中のみでも1･3着なら、馬連、3連単も欲しかったなで、プラスなら良しとなります。

なんだかんだ言って、いくらかでも戻ってくれば、次につなげられますから、多少でも当てることが、予想ブログを書いている私には重要ではあります。

本当は江戸っ子なので単-馬単-3連単を当てると言うのが粋なのですが、これやると本当に当たらないと、長期間続くので、それが怖いんです。

最後は情けない話になり恐縮です。