朝日杯FSとターコイズSの有力馬を解説します

レース展望

朝日杯フューチュリティステークス

昨年はここまで、牝馬がソダシをはじめ個性を持った馬が多かったのですが、今年は牡馬の方が新種牡馬産駒の活躍馬を含めて、魅力的な馬が多く、楽しみです。

ただ、中距離路線に比べて、マイル路線はやや力の偏りが見えます。

3連勝で重賞連勝中のセリフォス、重賞を含めた連勝中の新種牡馬ドレフォン産駒のジオグリフが中心になります。

昨年のグレナディアガーズのように、ここを前に急成長している馬がいるかがポイントになります。

後、前走逃げ切った馬が多く、先行争いからのマイルの底力勝負になる可能性があり、見応えのあるレースになりそうです。

セリフォス

ダイワメジャー産駒です。母父Le Havreはマイラー血統ですがフランスダービー(2100m)を勝っています。

更に母方はスピードと底力がありそうで、生粋のマイラーと言える血統です。

ダイワメジャー産駒と言えば牡馬ならアドマイヤマーズ、牝馬ならメジャーエンブレムやレシステンシアが暮れの2歳マイルG1に勝っています。

ダイワメジャー産駒の多くは、上記3頭のように、先行して押し切るタイプが主流ですが、セリフォスは珍しく、差して良い脚が長く使えるタイプです。

新潟2歳Sでは、上り3F32.8で、唯一の懸念だった決め手を解決していますし、前走もスローでゆっくり構えて、大外回したので接戦でしたが、制しました。

本番(G1)向き血統とも言え、ここは負けられないところでしょう。

ジオグリフ

新種牡馬ドレフォン産駒で初の重賞制覇を札幌で実現しました。ドレフォンはStorm Cat系のスピード血統で、ブリダーズカップスプリントを制するなど、6~7Fで活躍したスプリンターです。

母アルマティコは小回りの追い込みを得意としていた馬で、重賞制覇には至りませんでしたが、クイーンS2着、秋華賞・エリザベス女王杯3着があります。

新馬はスローからの早い上りで完勝。前走は札幌で出遅れてからのヒトマクリで圧勝。

全く違うタイプの馬場で強い勝ち方をしたのですから、相当な馬です。また、母のような追い込み脚質ではなく、出遅れなければある程度行けて、早めに動ける器用さもあります。これも結局は能力の高さでしょう。

父系の血統を重視?したのか、こちらに回ってきましたが、札幌の1800mで楽勝したのですから、クラシックを狙ってホープフルステークスで距離2000mを試しても良かったのではないかと思います。

今回の結果次第では、共同通信杯か弥生賞を使ってから路線を決めるのもありかと思います。

ダノンスコーピオン

ロードカナロア産駒ですが、母系がSadler’s Wells系なので、中距離対応ができています。母はカナダのマイルG2を勝っていて、とても重厚な底力もありますので、マイルG1を勝ってもかしくないでしょう。

前走荻Sは阪神の1800mでキラーアビリティとの直線叩き合いを制しています。内容はスローからの上りの勝負でした。本領を発揮するうえでも、マイルへの手替わりは歓迎でしょう。

マイルG1を選択したからには結果が欲しいところです。

松山君乗れてきているので、どうでしょうか。

ドウデュース

ハーツ産駒ですが、母はスプリントレースで活躍した馬です。

母父Vindicationは3冠馬Seattle Slewの晩年の産駒でBCジュヴェナイルの勝馬です。祖母の父がミスプロ系Gone Westでやはり、スピード特化型で一本調子のケもあるので、前走の府中の1800mは良い条件だったと言えそうです。

マイルを選択しましたが、友道厩舎ですからいずれは中距離に以上にシフトしていくかもしれません。

ドーブネ

ディープ産駒で、母父FootstepsinthesandはStorm Cat系Giant’s Causeway産駒で英2000ギニーを勝っています。

また、競争成績は大した実績はありませんがNorthern Dancer系名種牡馬Alzaoの18.75と大物観があります。

ただ、前走ききょうSで勝ったものの、逃げて勝ったのは想定外ではないでしょうか。抑えてきっちり差し切りたかったところでしょう。

前走逃げた影響がどう出るか、また、スタートも良くないので、素質は認めるものの、この相手になるとレースセンスの成長が必要かと思います。

今のところ

セリフォスはマイルで3戦3勝。重賞2勝で前走同じコースでも勝っていますので、ここは相手関係でしょうし、この条件では今のところ最右翼でしょう。

対するは1800mで連勝ですが、全くタイプの違う馬場で連勝しているジオクリフで、父ドレフォンは1400~マイル系なので距離短縮がプラスになる可能性は高いと言えるでしょう。

ダノンスコーピオンもカナロア産駒ですが母系が底力のあるマイラー系なのでG1だからこそ狙える馬です。

ドーブネ、ドウデュースの素質も面白いのですが、完成度では劣るように思えます。

穴は勝ち負けまではどうかと思いますが、ビッグアーサー産駒トウシンマカオで、兄にベステンダンクがいる血統です。京王杯2歳S2着からの参戦で、3着のラブリイユアアイズが阪神JFで2着していますので、決してレベルが低いレースではなかったと思います。現時点での完成度は高いので一発があればこの馬と見ています。

ターコイズステークス

暮れの中山でハンデ重賞は難解必至です。重ハンデ馬の好走もあるし、軽ハンデ馬も好走しています。

スマイルカナ

ミス中山マイルとも言える実績があったのですが、さすがに斤量が55㎏になってからは惨敗もある状態です。

今回は56㎏ですので馬格から厳しいかと思います。唯一ノーマークで逃げられれば残れる可能性はありますが、逃げ馬も数頭いて、この点でも厳しい。

ドナアトラエンテ

言わずと知れたジェンティルドンナの全妹になります。

ジェンティルドンナほどの能力はなく、ドナウブルーのようなスピードもなく、何故か1800mだけ使われてきました。

初マイルですがルメール騎手で人気になりそうです。人気先行型に見えますが、やはりルメール騎手が乗るとなると消せないですね。

ドナウデルタ

ドナアトラエンテの姪になりますが、同じ5歳馬です。馬の世界ですね。

マイラーの母にロードカナロアですから、マイルより1400mに実績がシフトしているのは血統通りです。

前走新潟の1400mリステッドに勝ったことで56㎏を背負いますが、+2㎏でマイルは厳しい条件です。

アンドラステ

牝馬ながらパワー型マイラーで、日本の馬場だと決め手に欠ける印象を持たれてしまいます。

母父Dynaformerはロベルト系ですが短中距離よりにでる血統です。

前走もスローからの上り競馬と苦手と思われる展開でしたが、内枠から上手く番手につけたことでゴール前まで粘って2着でした。

格上で、ハンデキャップホースと推測できるので、他の有力馬より0.5㎏重い56.5㎏も克服可能だと思います。

ギルデッドミラー

オルフェーブル産駒ですが母父がIntent系Tiznowで祖母がミスプロ系とDanzigが入っていて、スピードだけでなく、底力もあるタイプです。

オルフェーブル産駒なのでムラはあるものの、中山は向いているし、前走は競馬になっていないので、改めて狙いたい馬です。

54㎏も恵まれているし、戸崎君への乗り替わりがプラスに働けばです。

スマートリアン

2走前の京成杯当時は、調教が抜群で期待しましたが、惜しくも4着でした。

前走は輸送込みで+12㎏は調整ミスと言えます。

ここでは、まだ54㎏なのでチャンスはありますが、勝ちみに遅いので、勝つまではどうかですが、池添君は心強いかも。

今のところ

イベリス、スマイルカナにクリノプレミアムのハナ争いですが、イベリスは行かないと二桁着順の未来しかないので押しそうです。そうなると、5F58秒台になるでしょうか。

そういう、底力競馬に強いのは、トップハンデですがアンドラステで混戦になれば3着以内はありそう。

差す方では、時計が掛かる馬場でドナアトラエンテと穴馬とみている戸崎君に乗り替わったギルデッドミラーあたりでしょうか。

56~56.5㎏は牝馬には極量ですが、6頭もいて、この6頭の取捨がポイントでしょう。結構重ハンデも来ていますからね。

ただ、何が来ても不思議はないです。

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