有馬記念はジャパンカップが新設されて以降、敗者復活戦のような位置づけとなり、強い外国馬が来なくなって以降、ただノーザンファーム系の使い分けの場になっています。
とても年間の最優秀馬を争う、米国ブリダーズカップのような総決算的なレースではなくなりました。
さて、昨年はアーモンドアイのスタミナ不足が露呈し、リスグラシューの強さだけが目立った1戦でした。
今年の秋の中山は時計が掛かっていますので、スピードよりもスタミナ重視にはなりそうです。
過去5年の結果
まずは過去5年の結果から見てみますです。
年 | 馬場 | 勝馬 | 騎手 | 父 | 母父 | 斤量 | タイム | 通過 | 2着馬 | 3着馬 |
2019 | 良 | リスグラシュー | レーン | ハーツクライ | American Post(Bering系) | 55 | 2:30.5 | 10-10-11-9 | サートゥルナーリア | ワールドプレミア |
2018 | 稍 | ブラストワンピース | 池添 | ハービンジャー | キングカメハメハ | 55 | 2:32.2 | 6-6-7-4 | レイデオロ | シュヴァルグラン |
2017 | 良 | キタサンブラック | 武豊 | ブラックタイド | サクラバクシンオー | 57 | 2:33.6 | 1-1-1-1 | クイーンズリング | シュヴァルグラン |
2016 | 良 | サトノダイヤモンド | ルメール | ディープインパクト | Orpen(Danzig系) | 55 | 2:32.6 | 4-3-3-3 | キタサンブラック | ゴールドアクター |
2015 | 良 | ゴールドアクター | 吉田隼 | スクリーンヒーロー | キョウワアリシバ | 57 | 2:33.0 | 3-3-5-3 | サウンズオブアース | キタサンブラック |
基本的に素軽い末脚が武器のディープ産駒は1勝3着1回と今一つです。しかもその2頭は3歳時のものです。
その点フィエールマンはどうでしょうかね。
中山の2500mで中長距離系の種牡馬が活躍しているとは言えないこともないのですが、顕著とは言えません。
母系(BMS)に至っては結構短めの種牡馬が目立っています。
黄色くマークした馬は3歳馬ですが、2017年を除き、毎年1頭は3着以内に来ています。この時期でも古馬との2㎏差が有利に働いていると考えられます。
各馬診断
クロノジェネシス
クロノジェネシスに関しては秋の天皇賞前に「クロノジェネシスを解析します」で詳しく解析しています。
【血統】 バゴは血統的にはマイラーで、マイルG1を勝って以降、距離を徐々に伸ばしていき、凱旋門賞まで勝ってしまいました。
父クロフネはパワー型マイラーです。
【距離】〇 父・母父(BMS)ともに距離に融通が利くので、2000m前後が得意で、2200mまでしか勝っていないところは気になりますが、成長し続けていますので、父同様の勢いで克服可能でしょう。
【ローテ】◎ 休み明けが走るのですが、今回も2か月あけていますし、天皇賞は上りだけの競馬だったので前走のダメージは少ないでしょう。
【その他】〇 前走スタートで挟まれる不利があり、スローでも先行できなかったことが敗因ですが僅差の3着でした。
苦手の瞬発力勝負になったこともありますが、ここは安定した力を出してくれるでしょう。
フィエールマン
【血統】 血統派では「フィエールマンはステイヤーか」論争があり。私は「ではない」派です。
母リュヌドールはフランス産ですが、イタリアのG1リディアテシオ賞(2000m)を勝っています。Green tuneはGreen Dancer系ですがBMSがMr. Prospectorのせいかフランス2000ギニーや1850mのイスパーン賞を勝っていてマイラーでした。
それでも、日本では菊花賞や春の天皇賞を連覇する現実があります。原因は直線に坂がなく、芝質の軽いコースでスタミナを争う矛盾があるからです。
【距離】〇 母がフランス系と言うことで、軽いディープ産駒ではないので、このくらいの距離が合うのかもしれません。凱旋門賞へ行ってその後さっぱりというディープ産駒が多い中、頑張れていると思います。
【ローテ】◎ 得意の3か月まで行きませんが2か月あけていますし、天皇賞は上りだけの競馬だったので前走のダメージは少ないでしょう。
【その他】〇 昨年は4着でした。凱旋門賞帰りということもありましたし、リスグラシューには離されましたが、2着とはそれほど差がありませんでした。
ラッキーライラック
【血統】 オルフェーブル×Flower Alley産駒です。
Flower AlleyはMr. Prospector-フォーティナイナー系で母方もMr. Prospector系Lycius産駒で強いインブリードです。戦績はBCクラシック2着、10FトラヴァースSに勝つなど2000mクラスが得意でした。
母は8.5F≒1700mの牝馬G1を勝っています。
【距離】△ 昨年のエリザベス女王杯-香港ヴァーズで確変して、前走も強い勝ち方でエリザベス女王杯を連破しました。2200mではエリザベス女王杯では連覇も、宝塚記念は惨敗。香港ヴァーズ2着も勝ったグローリーヴェイズとは3.1/2差でした。2000m前後がベストで2500mは少し長いと思います。
【ローテ】◯ 前走を目標にしていたと思いますが、今回も叩き2戦目で中5週ありますので良いローテかと思います。
【その他】△ 距離+馬場の重さがやはり気になります。切れが利く馬場が欲しいところです。祐一君に乗り替わりますが、難しい馬をどう乗りますかね。
カレンブーケドール
【血統】 ディープインパクト×Scat Daddy(Machiavellian-Mr. Prospector系) 産駒です。
Scat Daddyは6Fから9Fのレースに勝っていますが、なんと言っても3冠馬ジャスティファイを輩出しています。
血統的に、母はMr. Prospectorの血が濃く、母父もヨハネスブルグ産駒でスピード系です。
しかし、母ソラリアはチリ3冠の最終戦エルダービー(2400m)を勝つなど、幅広い距離で活躍した、言わばチリのウオッカみたいな馬です。それで距離がもっているのだと思います。
【距離】〇 オールカマーで中山の2200mを走れて、2500mを走れない理由はありません。スタミナは中山の外回りとなる2200mの方が必要な場合がありますからね。
【ローテ】〇 ここが秋3戦目で、最高目標はJCだったと思いますが標準的なローテです。
【その他】〇 JCは4着でした。シルバーコレクターらしく、3冠馬3頭の次と言うのはいかにもですね。
津村くんとのコンビにそろそろ栄冠をと応援したい気持ちもありますが、シルバーコレクターって、なかなか壁を破れないよね。
ワールドプレミア
【血統】 ディープインパクト✖️Acatenango産駒でヴェルトライゼンデの異父兄になります。ディープ産駒ですが中長距離系になります。
古馬になってあまり成長しないディープ産駒ですが、キャリアも浅くドイツの中長距離血統との組み合わせとなっています。
【距離】◎ 母がtheドイツ系でと言うことで、軽いディープ産駒ではありません。中長距離系なので、このくらいの距離があうのかもしれません。
【ローテ】△ 11か月振りの前走は体重が-10kgと仕上がっていました。そこから中3週は、最近言われなくなりましたがニ走ボケのパターンではあります。
【その他】〇 昨年は3着でした。引き続きレジェンド豊君が乗りますが、それゆえに人気になりそうです。ローテ以外にマイナス面はあまりないのですが、協調できる部分も乏しいのはキャリアのせいでしょうか、まだ8戦しかしていませんので、ディープ産駒10戦説にも達していません。
オーソリティ
【血統】 オルフェーブル×シンボリクリスエス産駒です。
中長距離の血統としてはかなり好みの血統構成です。前走は休養明けで評価を下げてしまい、大失敗しましたが、叩かれて良くなるタイプでさらに上昇するかと思います。
オルフェーブル産駒は、牝馬に活躍馬が多いのですが、この馬が代表産駒になる可能性があると思います。
客観的に叔父にエピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアがいて、母ロザリンドはエピファネイアの全妹になります。
気性が問題ですが、今のところ、少なくとも両親のようなことはないようです。
【距離】◎ 父は3冠馬でこのレースも圧勝しているオルフェーブル。母はJCを圧勝し、菊花賞も勝っているエピファネイアです。前走もこの距離ですし、距離はぴったしですし、時計の掛かる馬場も地力勝負になるのはもってこいでしょう。
【ローテ】〇 6か月の長期休養明けではありますが、中6週あけていますので、更に良化しているかと思います。
【その他】〇 ルメール騎手が乗ると3馬身違うとか褒めたら、先週の爆走はがっかりでした。そのルメール騎手から先週勝った川田君に乗り替わります。積極策で勝ちに行く騎手なので期待できるのではないでしょうか。
絶好のこの馬の能力を図る場となります。
キセキ
【血統】 ルーラーシップ×ディープインパクト産駒です。
祖母が血統の割には快速だったロンドンブリッジですが、産駒からはロンドンブリッジの父ドクターデヴィアスの影響を強く受けたオークス馬ダイワエルシエーロや、母父Danzigの影響を受けたグレーターロンドンのようなマイラー、短距離馬も出ています。
キセキは、これまでの実績からは前者ドクターデヴィアスの影響を受けたと同時に、ルーラーシップ産駒らしく、切れる脚はないものの、長く足を使える特徴を活かした逃げ・マクリ戦法で、古馬混合G1制覇にあと一歩までいきました。
近走は気性の悪さが出てきて、出遅れ癖が顕著で、時に致命的な出遅れをするようになってしまいました。
【距離】◎ 血統からも、実績からも中長距離を得意としています。スピードが必要な距離だと逃げ戦法を取るしかないのですが、この距離なら逃げなくても競馬はできそうです。
重馬場が得意なので時計が掛かる現中山ですが、雨が降ればなお良しです。
【ローテ】× 一昨年秋4連戦で3-3-2-5着でした。いかにタフであっても、中2週から、連続中3週では厳しいでしょう。
【その他】〇 京都大賞典で2着した浜中君が乗ります。前走爆走しましたが、その反省もあり、コースもコーナーが多く、爆走もできないのでゲートを出ても出なくてもそれなりに常識的なレースができそうです。
バビット
【血統】 ナカヤマフェスタ×タイキシャトル産駒です。
ナカヤマフェスタは中山では京成杯2着、セントライト記念優勝と中山を得意とし、底力の塊のような血統です。
だから、宝塚記念の勝利や凱旋門賞での2着につながっていたと考えられます。
母父はタイキシャトルですが、母方にはNureyevやMill Reefがいて、底力の塊であることは変わりありません。
【距離】〇 セントライト記念を快勝しています。菊花賞はキメラヴェリテという邪魔が入ったこともありますが、馬体が減って輸送に問題があったからでしょう。
【ローテ】〇 セントライト記念親子制覇から、菊花賞は惨敗でした。そこから中8週で本来なら3歳馬が好走するローテですが、馬体の回復と調教の強さが課題になるでしょう。
【その他】〇 追える内田騎手の連続騎乗は良いですね。キセキの出方が気になりますが、枠が良ければ素直に逃げられると思います。そうなれば何が起きるかわかりません。
サラキア、ラヴズオンリーユー
ディープ産駒がそれほど活躍していませんが、特に古馬牝馬には苦しいデータです。
両馬はエリザベス女王杯で勝ち馬のラッキーライラックとは、僅差の2、3着でした。
データ的に厳しいディープ産駒牝馬ですが、好走があれば母系がドイツ系中長距離のサラキア(サリオスの異父姉)です。また、同馬は、この夏から確変中ですのでどこまで成長するか試金石です。
ラヴズオンリーユーはオークスを勝ちましたが、母系がワンターン得意の系統で、馬場を一周半するこのコースでは割引になります。
今のところ…
最もこのレースに合っていて、能力を考えると、クロノジェネシスが中心だと思っています。
血統派として最もこのレースに合っているのはオーソリティで、後は能力が追いついているかです。
秋4戦目が気になるキセキは厳しく、先行勢では、中山向きのバビットが穴だと思っています。
では。
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