AJC杯を展望します

レース展望

昨年を振り返った気付き(2020年気づいたこと、振り返り(予想結果・回収率)など)ですが、明け4歳牡馬は弱いと言われてきましたが、明け5歳の牡馬も相当弱いと思います。

先週の日経新春杯はかなり象徴的で、人気先行だとしても、4歳アドマイヤビルゴ、5歳ヴェロックスが惨敗、代わりにまだ3勝クラスの軽ハンデのショウリュウイクゾが完勝で、2着は6歳牝馬ミスマンマミーアでした。

今週は、世代3番手クラスのアリストテレス、サトノフラッグ、ヴェルトライゼンデが出走してきそうです。

JC2着のコントレイル、毎日王冠サリオス、アルゼンチン共和国杯オーソリティに続く馬が出てくるのか注目です。

ベテラン勢ではでは20か月の休養前AJC杯で4着のジェネラーレウーノ、勝ちみの遅さはありますが安定勢力ステイフーリッシュらが気になります。

また、強い牝馬勢からエリ女4着のウインマリリンが出走しますが53㎏は恵まれています。

過去5年の結果

まずは過去5年の結果から見てみますです。

馬場勝馬騎手母父斤量タイム通過2着馬3着馬
2020稍重ブラストワンピース川田ハービンジャーキングハメハメハ572:15.04-4-5-3ステイフーリッシュラストドラフト
2019シャケトラ石橋マンハッタンカフェシングスピール562:13.74-5-4-3フィエールマンメートルダール
2018ダンビュライトM.デムーロルーラーシップサンデーサイレンス552:13.32-2-2-2ミッキースワローマイネルミラノ
2017タンタアレグリア蛯名ゼンノロブロイStuka(Mr. Prospector系)562:11.98-9-6-3ゼーヴィントミライヘノツバサ
2016ディサイファ武豊ディープインパクトDubai Millennium (Mr. Prospector系)572:12.05-5-4-2スーパームーンショウナンバッハ

この5年の馬券になった馬たちの傾向で明らかなのは、どちらかと言うと決め手で勝負する馬たちではないと言うことです。

先行するか、まくるかして、4コーナー回るときには射程圏に捕らえた、良い位置(2列目まで)にいることが条件です。過去5年で言えばきれいに4コーナーで2、3番手となっています。

最初の1000mでおむすび🍙型コースの頂点へ行き、そこから1200mでコーナーほぼ1回とロングスパートできる持久力が問われます。

各馬診断

アリストテレス

【血統】 エピファネイア×ディープインパクト産駒です。祖母が名馬を出しているグレースアドマイヤで血統の良さがようやく菊花賞で出ました。決して早熟というわけではないので、今後の活躍が期待されます。ここを勝つようなら盾候補となるでしょう。

【距離】→ 2200m以上で3戦3連対で、血統通りです。今後とも中長距離を使われるでしょう。

【ローテ】→ 休み明けから全開というタイプではありませんが、大崩れしない馬でもあります。時期的に太目残りが気になりますが調教次第でしょう。

【その他】→ ルメール騎手が乗りますし、フィエールマンに替わる盾候補として期待していると思いますので、頼りになります。

サトノフラッグ

【血統】 ディープインパクト×Not for Sale(Caro系)産駒です。血統的にはマイラーで全妹のサトノレイナスがマイルで活躍していますが、そちらの方が血統通りですが、セントライト記念2着、菊花賞3着と勝ち切れないまでも、捲れる脚が使えるのでコースには合っています。

【距離】↗︎ 直線だけ競馬して3着の菊花賞より、短いここは実績からも勝負できる距離になったと言えます。個人的には一度1800mを試して欲しいと思います。

【ローテ】→ こちらも菊花賞以来で、ダービー以外は崩れなかったし、ディープ産駒らしく馬体重の大幅な増加はないでしょうから、調整はしやすいと思います。

【その他】→ セントライト記念も乗っている戸崎君の継続騎乗は有利でしょう。56㎏は厳しいですがそろそろ勝ちたいところです。

ウインマリリン

【血統】 スクリーンヒーロー×Fusaichi Pegasus(Mr. Prospector系)産駒です。母父はケンタッキーダービー馬で早熟っぽさがあります。

【距離】→ 2200mのエリ女で好走、オークス2着からも2000m以上程度が合うと思います。母系が早熟で距離伸びて良いとは思えないので、ここは試金石になります。

【ローテ】↗︎ 秋華賞が急仕上げで惨敗、エリザベス女王杯では強敵相手に4着と好走しました。それから中9週で、好調であると思います。

【その他】↗︎ 乗れてる横山武史君の継続騎乗ですので期待できるところです。エリ女は時計が早すぎて善戦に終わりましたが、時計が掛かる今回は53㎏でもあり、好走できる条件でしょう。

ジェネラーレウーノ

【血統】 スクリーンヒーロー×ロックオブジブラルタル産駒です。更に母系はスピード血統で固められていて豊富なスピードとリボー系の底力を父母から引き継いでいます。

レースもハイペースを先行して抜け出す競馬が得意です。

【距離】→ 血統的にはこの距離が限界かと思います。ましてや時計の掛かる馬場でなおさらです。

【ローテ】→ 故障による20か月の休養明け3戦目でそろそろ。

【その他】↘︎ 過去2レースの三浦君の騎乗がこの馬の良さを活かせなかったので、武藤君でどうなるかです。武藤君には試練ですが、まだ難しいかな。それでも馬は実績十分で魅力はあります。

ステイフーリッシュ

【血統】 ステイゴールド×キングカメハメハ産駒です。祖母の父がSilver Hawkでステイゴールドと相まって、長く活躍できる血統で、まだまだ行けそうです。

決め手には欠けますが、安定して相手なりに走れます。前走はさすがに上位3頭が強かった。

【距離】↗︎ 非根幹距離が得意で特に2200m1.2.2.0です。単純な決め手勝負にならないことから先行して直線先頭、どこまで粘れるかというレースをしますので期待できそうです。

【ローテ】→ 前走から3か月あきましたが、特に休み明けを苦にするわけでもないので、中間の調教次第でしょう。

【その他】→ 今回は石橋騎手が乗りますが、先行して早仕掛けで粘るという決め手不足を補う騎乗を目指して欲しいと思います。

タガノディアマンテ

【血統】 オルフェーブル×キングカメハメハ産駒です。祖母はトニービン産駒で更に母方がNureyevとこちらも長い活躍ができそうです。前走は長期休養明けで軽視してしまいましたが、長距離も対応できる母系を重視するべきでした。

【距離】↘︎ 中長距離馬として開花し始めていますが、この距離は中途半端です。もう少し長い方が良いと思います。ここよりもダイヤモンドSの方が良かったのではないかと思います。

【ローテ】→ 長期休養明けから中6週とまずまずの間隔です。ニ走ボケは心配にならない間隔と言えます。

【その他】→ 津村君の好騎乗で前走は2着と好走でした。今回はどう乗るのでしょうか、逃げ戦法はむずかしいかな。

モズベッロ

【血統】 ディープブリランテ×Harlan’s Holiday(Storm Cat系)産駒です。日本ダービー馬ディープブリランテは母方が少し重めで、その特徴が産駒に出ています。牝系からはスピード系を受け継いでいると思われますが、やや長めの距離で活躍できます。父方の重め・スタミナが影響していると思われます。

【距離】→ 宝塚記念3着ですし、早い脚ではなく自力で勝負するタイプで2200mは欲しい距離です。

【ローテ】↘︎ 前走減った馬体重から急仕上げだったと思います。そこから中3週は立て直すには厳しいと思います。

【その他】→ 5歳勢ではトップクラスの成績ですが、地味なレース振りで人気は上がりません。狙いたい馬なのですが馬体回復が鍵でしょう。

ラストドラフト

【血統】 ノヴェリスト×ディープインパクト産駒です。母は桜花賞馬マルセリーナで基本マイラーですが、2000mのマーメイドS勝ちもあります。血統の字面からは2000m~2400mあたりが適性距離で、何故かノヴェリスト産駒は重が下手な馬が多いので週末の天気が気になるところです。

【距離】→ 2000m以上は必要です。前走は勝ったオーソリティには完敗でしたが2着を確保しました。昨年このレースで不利がありながら3着していますし、適性はあるかと思います。

【ローテ】→ 2か月に一度で、半年の休み明け3戦目で、ベストの状態にあるかと思います。

【その他】↘︎ 三浦君への乗り替わりはどうでしょうか、無難に乗る傾向があります。特に癖がある馬ではないのでこなせるかとは思いますが。

ヴェルトライゼンデ

【血統】 ドリームジャーニー×Acatenango産駒です。母マンデラは菊花賞馬ワールドプレミアのの母で、ヴェルトライゼンデはその異父弟となります。

【距離】↗︎ まだベストの距離がわかりませんが血統的には中長距離に向き、地力型で日本の競馬では決め手に欠ける傾向にあります。

【ローテ】→ アリストテレス同様、休み明けから全開というタイプではありませんが、大崩れしない馬でもあります。時期的に太目残りが気になりますが調教次第でしょう。

【その他】→ 世代上位ではありますが、決め手に欠け重賞勝利がありません。

今回は試金石になります。池添君の継続騎乗はプラスになります。

今のところ…

ジェネラーレウーノかジャコマルが逃げる展開で、早い流れが欲しいジェネラーレウーノは武藤君がどう乗るかが展開上のカギになります。

また、サトノフラッグ、ウインマリリン、ヴェルトライゼンデ、ラストドラフト、ステイフーリッシュと勝ちみに遅い馬が多いので、勝つとなるとアリストテレスか休み明け3戦目のジェネラーレウーノあたりかなと思います。

明け4歳馬の今後を占う意味でも重要な1戦です。ここで、結果が出ないようではコントレイル、サリオス以外は弱いと再確認することになります。

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