クロノジェネシスを解析します

名馬解析

いよいよ天皇賞です。個人的に最も好きなレースです。

ワンターンではありませんが、変則ワンターンで、一本調子の馬でも活躍できるので、あらゆる血統の馬が活躍します。

今年は昨年のようなタイムが出るような馬場にも、展開にもならないと思いますが、スローで瞬発力勝負になれば、やはりアーモンドアイが有力です。

ただ、もうアーモンドアイについて解析するのは遅きに失した観があります。

そこで、アーモンドアイとは真逆のタイプに見えるクロノジェネシスについて分析していきたいと思います。

血統

以下、クロノジェネシスの血統表です。

父バゴは凱旋門賞馬ですが、血統的にはマイラーにも見えます。快速Red God系Nashwanが父ですが、Nashwanは2000ギニーに続き英国ダービーやKジョージ6世&QエリザベスSにも勝った名馬です。

デビューから7F、8Fと距離を伸ばして行き、2冠を制覇しています。

距離を持たせたのはNureyevの影響であることは理解できるものの、その母型がMr. Prospector なので12Fの英国G1を2勝したのは意外と言えます。

バゴ自身もフランスで主にマイル戦を使われ、マイル〜2000mのG1を勝ち進み、徐々に距離を伸ばしていきました。

そして勢いで凱旋門賞に勝ちますが、その後2400m級のレースを勝つことはありませんでした。

BMSのクロフネの父は、パワー型中距離馬Northern Dancer系フレンチデピュティで、種牡馬として牝系を活かす一流種牡馬です。

春の天皇賞を勝ったアドマイヤジュピタ、宝塚記念を勝ったエイシンデピュティからNHKマイルを勝ったピンクカメオ、桜花賞馬レジネッタなどを出しています。更にアイビスサマーダッシュを勝ったサンアディユまでいますので、まさに万能と言えると思います。

そのフレンチデピュティとG1勝利はないものの、やはりパワー型マイラーと言えるClassic Go Goですから、クロフネも、本来はパワー型マイラーと言えます。

実際NHKマイルを勝ち、ダートの武蔵野は9馬身差の完勝。続くジャパンカップダート(府中ダート2100m)も距離の不安はありましたが、こちらも前半は後方で脚を溜め、3コーナー手前からヒトマクリして7馬身差の圧勝でした。本当に豊君は血統わかっている。

本質的にはパワー型マイラーですが、距離の融通は効くタイプといえます。

そして祖母方は、サンデーサイレンスです。

総合的に、パワー型中距離馬と見るべきですが、小柄な牝馬なのでスピード・切れが増したと言っていいでしょう。

過去の戦績から

クイーンカップ

府中のマイルで、4F48.4-4F45.8=1:34.2の後傾ラップを上り3F33.1で差し切りました。

血統的に切れが心配されましたが、この程度の切れはあると証明されました。

桜花賞

阪神マイルで4F47.7-45.0=1:32.7とこちらもかなりの後傾ラップで上り3F32.9の末脚を繰り出しましたが、グランアレグリアを捕らえられず、シゲルピンクダイヤには交わされて3着でした。

マイルG1を勝てるだけの瞬発力に欠けた内容でした。

オークス

府中2400mで6F71.3-6F71.5=2:22.8という早い平均ペースで4角5番手から上り3F35.4で3着でした。

坂を上がって上位2頭に差をつけられたことで、距離の不安を感じられました。

秋華賞

京都2000mで5F58.3-5F61.6=1:59.9と時計の掛かる馬場で前傾ラップで四角5、6番手から上り3F36.1で完勝でした。

オークスからのぶっつけでしたが、時計の掛かる馬場での強さを発揮しました。また、微減が続いていた体重も+20kg増えていました。

エリザベス女王杯

京都の2200mで6F75.6-5F58.5=2:14.1の後傾ラップで4角5番手から上り3F33.3でも5着でした。

内から上り32.8の脚を使ったラッキーライラックが復活勝利でした。

やはり、上りの競馬で切れ勝負になるとG1では3着が精一杯になります。

宝塚記念

稍重の阪神2200mで直前に豪雨があり時計の掛かる馬場で、6F72.4-5F61.1=2:13.5の前傾ラップを4角先頭からから上り3F36.3で6馬身差の圧勝でした。

時計が掛かり、力勝負の強さは一流である証明をしました。

まとめ

結果、欧州マイル血統✖️パワー型スピード血統でスピード型であるべきはずですが、父母ともに血統以上に距離が持つことで、2000m前後を得意としています。また、瞬発力はそれほどではなく、時計が掛かれば強さを発揮できることが裏付けられます。

桜花賞やエリザベス女王杯のように、後傾ラップが大きいと苦戦すること、逆に前傾ラップに強い。

雨が降れば、重馬場は鬼のレベル。ただ今週末は降らないようです。

今回の天皇賞では逃げ馬不在で、後傾ラップになる確率が高く、そうなるとこの馬は苦しく馬券圏内がギリギリかと思います。

逆にアーモンドアイには有利になると思います。この2頭の好走パターンは交わらないと言うことです。

では。

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