京都大賞典を展望します

レース展望

固く収まるときもあれば、昨年は行きすぎでしょうが大きく荒れることもある、中長距離のトライアルです。

近年のローテーションから、中2週で天皇賞は厳しいので、ここからジャパンカップかアルゼンチン共和国杯に行く傾向があります。

過去10年の結果

以下過去10年の結果です。

馬場勝馬斤量タイム通過ペース母父
2019ドレッドノータス562:23.53-3-3-371.9-71.6ハービンジャーサンデーサイレンス
2018サトノダイヤモンド572:25.46-6-7-473.5-71.9ディープインパクトOrpen (Danzig系)
2017スマートレイアー542:23.011-11-13-1472.0-71.0ディープインパクトホワイトマズル
2016キタサンブラック582:25.52-2-2-274.2-71.3ブラックタイドサクラバクシンオー
2015ラブリーデイ582:23.65-5-6-673.0-70.6キングカメハメハダンスインザダーク
2014ラストインパクト562:24.23-3-3-372.6-71.6ディープインパクトティンバーカントリー
2013ヒットザターゲット562:22.96-6-9-873.8-69.1キングカメハメハタマモクロス
2012メイショウカンパク562:23.412-12-10-971.2-72.2グラスワンダーダンスインザダーク
2011ローズキングダム592:24.13-3-3-373.2-70.9キングカメハメハサンデーサイレンス
2010メイショウベルーガ562:25.06-6-6-569.7-753フレンチデピュティSadler’s Wells
ペースは6F-6F

3連単の配当ですが千円台が4回あって、基本的に固いレースではありますが、100万越えも2回あって大荒れもあるレースです。

2400mですが、勝ち時計は2:24秒前後が多く、全体時計が早いのが特徴です。3コーナー過ぎの下り坂から早いペースを駆け抜ける底力に加えて、休み明けでも走れる出来が必要になります。実績もさることながら、ロングスパートに耐えうる出来が大きく左右するレースです。

血統はキングカメハメハ、ディープインパクト産駒が各3勝ですが、サトノダイヤモンドやキタサンブラックは例外で、どちらにも中・中長距離血統が入っています。

また、ドレッドノータスは母ディアデラノビア、ラストインパクトの祖母はパシフィカスで中長距離で強い産駒をコンスタントに輩出している牝系でした。

各馬診断

アイスバブル

ディープインパクト×キングカメハメハ産駒ですが、祖母がクロフネの母で、毛色の芦毛を含めて牝系の影響を受けています。

多くのオープン馬を輩出する一方で、一流馬としては決め手に欠け、なかなかこれという馬が出てきません。

兄弟と叔父叔母を含めるとグリュイエール(全兄)、以下叔父叔母でマウントロブソン、ポポカテベトル、ボスジラ、ミヤマザクラです。

目黒記念で2着2回、その他重賞実績はなく、別定戦では厳しいのですが、一度叩かれている点は買えます。

カセドラルベル

ハーツクライ×シンボリクリスエス産駒で、この距離に合いそうな血統ですが、祖母方はDanzig系でスピードも上手くミックスされていますので、開幕週には合うかもしれません。

小倉で3勝クラスを勝ったばかりですが、これまで順調に使ってこれませんでした。しかし、今年に入って2、3か月間隔で使われるようになりました。

血統から、今後も成長するでしょうし、レースぶりが先行抜け出しと非常に安定しています。牝馬で正攻法で牡馬と太刀打ちできるかは未知数ですが、まだレース数は少ないので、将来的な可能性はあります。

キセキ

ルーラーシップ×ディープインパクト産駒でG1菊花賞馬です。ご存じの通り、多くのG1での2,3着があります。

祖母が血統の割には快速だったロンドンブリッジですが、産駒からはロンドンブリッジの父ドクターデヴィアスの影響を強く受けたオークス馬ダイワエルシエーロや、母父Danzigの影響を受けたグレーターロンドンのようなマイラー、短距離馬も出ています。

キセキはディープインパクトを介して、ルーラーシップとの間に産まれましたが、これまでの実績からは前者ドクターデヴィアスの影響を受けたとと同時に、ルーラーシップ産駒らしく、切れる脚はないものの、長く足を使える特徴を活かした逃げ戦法で、古馬混合G1制覇にあと一歩まで行きました。

近走は気性の悪さが出てきて、出遅れ癖が顕著で、時に致命的な出遅れをするようになってしまいました。

実績はNo1ですが、ムラ掛け状態で、良馬場だと勝ち時計が早いので、出遅れが致命的になる可能性があります。

キセキの取捨が大きなポイントになるのではないでしょうか。

キングオブコージ

ロードカナロア×Galileo産駒です。日本の競馬には重すぎるGalileoですが、ロードカナロアとあわせて、ようやく中長距離馬の重賞勝ちがでました。

やれやれ😥、日本の馬場が軽すぎるのか、Galileoが重すぎるのか。

4連勝で目黒記念を制して、一息入れてここに臨みますが、目黒記念だけ走ればここでも勝ち負けでしょう。

4連勝は典さんに乗り替わってから始まりましたので、ここでも典さんが乗ります。Mr.G2が乗るだけで有力なので、こちらもデキ次第では勝ち負けでしょう。

グローリーヴェイズ

ディープインパクト×スウェプトオーヴァーボード産駒です。スウェプトオーヴァーボードはスピードを伝えていますので、長距離実績があるのは、祖母側のメジロ一族らしい重厚な日本血統の影響でしょう。

去年は春の天皇賞以来で、単勝2.0倍の1番人気でしたが、百万馬券の原因となる着外でした。今回もドバイ帰りの影響が宝塚記念に残ったか、17着惨敗の後の一戦になります。

去年ほどの人気にはならないと思いますが、基本的には休み明けは一息ですし、宝塚記念惨敗の影響もわからないので、ここは見送る手もあるかもしれません。

シルヴァンシャー

ディープインパクト×ジェイドハンター (Mr. Prospector系)産駒です。母は名牝アゼリで、去年の3着馬です。

ただ、全兄も重賞の3着以内はロイカバードの2度の3着があるだけで4勝止まりになっています。

昨年よりも休養自体は短く、休み明けも走るので相手次第では上位入線があるかもしれません。

ステイフーリッシュ

ステイゴールド×キングカメハメハ産駒です。オールカマーに出たばっかりで、中1週は現代では珍しいローテーションです。

ただ、オールカマーは超の付くスローで、上りだけの競馬だったのでダメージは少なく、良い2週間前調教だったと思えば、ここは体制が整っているといえます。

また、目黒記念の好タイム3着時に57.5㎏を背負っていることを考えれば、56kgは恵まれていますので、最もベースになる1頭だと思います。時計も唯一の重賞勝ちである京都新聞杯で好タイムを出しているので問題ないかと思います。

ダンビュライト

ルーラーシップ×サンデーサイレンス産駒です。母タンザナイトの近親にクリソライト、マリアライト、リアファルなど、底力で勝負する馬を輩出する傾向にあります。この傾向はタンザナイトの母父Rivermanからきていることは明らかです。

去年は逃げて2着し、今年も逃げ馬が他にいないので、去年同様平均ペースに持ち込めれば好走可能かと思います。

松若騎手がずーっと乗っているのもいいですね。スプリンターズステークスの無念を晴らしてほしいですね。

ノーブルマーズ

ジャングルポケット×Silver Hawk (Roberto系)でタフで長く走れる血統ですが7歳になりました。

ただ、夏を含めて使い詰めで前走の惨敗は頂けません。小倉記念が結構厳しい競馬だったのでもう少し間をとった方が良いかと思います。

バラックパリンカ

ノヴェリスト×ジャングルポケット産駒です。長距離はあうでしょう。ただ、マンハハッタンフィズ一族で母アプリコットフィズはマイル前後で活躍しました。

また、母は二桁着順が続いたと思ったら、突然勝ち負けしたりと、ムラ傾向がありました。オープン入りして2戦とも二桁着順ですが、いずれ穴をあけるかも知れません。ただ、いきなり別定のG2はきびしいです。

パフォーマプロミス

ステイゴールド×タニノギムレット産駒です。タフな血統です。前走14か月振りの出走での勝利は見事でした。

ここも同じコースの日経新春杯を勝っていますので問題なく、休み明けも問題ないので、ここは勝ち負けを期待したいと思います。

モンドインテロ

ディープインパクト×ブライアンズタイム産駒で8歳になりました。今ではステイヤーズステークス御用達の馬になっていますので、全体時計の早いここは厳しいと思います。

今のところ…

パフォーマプロミスとキングオブコージが有力と見ています。

キセキはムラ掛けで勝つまではどうでしょう。浜中君がいきなり御せるとは思えません。

後は勝ちきれないまでもダンビュライトとステイフーリッシュで、穴はまだ早いと思いますがカセドラルベルかバラックパリンカですがさすがにそこまでは厳しいかな。

コメント