【最高のJapan Cup】
私は第1回から見ていますが、今年のJapan Cup(以下JC)は最高メンバーではないかと見ています。
過去にも第1回の騙馬ジョンヘンリーや、これまで凱旋門賞を勝った馬などは来ましたが、本場とも言える英・愛のダービー馬は種牡馬になるので、「何もシーズンオフに極東の固い競馬場でのレースに出して怪我でもしたら大変なことになる」とでも言いたげに、秋は愛チャンピオンSか凱旋門賞でもしくは米国のBCターフで終了していました。
それらの敗者復活戦的な位置付けに香港カップやヴァーズがあるので、JCはローテ的にも合わないところがありました。
しかし、今年は昨年の英・愛ダービー馬オーギュストロダン、昨年の独ダービー馬のファンタスティックムーンに、今年キングジョージ6世&クイーンエリザベスSを勝ったゴリアットと、勝ったレースの肩書・格的には最高の馬たちが参加してくれました。
オーギュストロダンは後述しますが、血統的に父ディープインパクトのラストクロップで、欧州でもこれだけの活躍をした馬が、引退レースにJCを選んだのはある意味必然と言えるかもしれません。個人的には嬉しい決断です。
迎え撃つ日本勢も近年の最強世代のダービー馬ドウデュースを筆頭に多士済々が揃っていて、久々に国際競争らしいレースになりました。
と同時に海外馬の質は3頭ですけど、これまでで最高と思っています。
【キングジョージ6世&クイーンエリザベスS】
まずは海外馬3頭についてですが、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(以下KGQES)の行われるアスコット競馬場はもちろん洋芝で、高低差が20mあるコースで、2390mのレースです。
とてもスタミナが求められるレースです。
そこでオーギュストロダンは2年続けて惨敗、そして今年はゴリアットが勝ちました。
個人的な見解としては、この過酷なレースに勝つような馬は府中の2400mは合わないのではと見ています。
むしろこのレースで負けて直線失速したオーギュストロダンの方が府中の2400mに適性があると見ています。
因みに今年の2着の牝馬ブルーストッキングが凱旋門賞を勝っていますね。
【海外馬の血統】
①ゴリアット
父はドイツ系でサドラー系In the Wingsとラストタイクーンの仔で独ダービー馬でドイツ賞も勝っていますが、バーデン大賞は2度2着と勝てていません。
父だけだと重そうですが、母父はShamardalで重さを打ち消しそうですが、祖母がRoberto系では比較的短い距離で活躍するDunafomerですが、祖母の母父はMonsunとなっています。
母父Shamardalが効いて、府中でも走れるかもしれませんが、KGQESの勝馬となると厳しいかと思います。
⑧オーギュストロダン
父はディープインパクトのラストクロップ。母父はGalileoで欧州仕様になっています。
ただ、祖母はPivotal×Indian Ridgeでマイル以下でスプリンターと言ってもいい血統です。Galileoの重さを解消する以上に、良くこれで英・愛ダービーを勝ったなと言える血統だと見ています。
その後の戦績から見ても欧州内なら2000mが最適なのかなと思えます。であれば、日本の軽い馬場での2400mは合っていると言えます。
⑬ファンタスティックムーン
独ダービー馬でバーデン大賞を良い時計で勝っています。
父父がダンチヒ系Sea the Starsは良しとして、父母父がMonsun、母父がモンジュー系、母母父がLomitasと重厚な血で固められていて、これは私にはJCでは厳しく見えます。
【ディープインパクトとハーツクライの産駒対決】
豊君が乗って無双したディープインパクトでしたが、唯一国内で負けたのが有馬記念でのハーツクライでした。これをもってライバルと言うのは余りにも戦績に差がありますが、一つ大きな違いは成長曲線が遅いことにあります。
ハーツクライは有馬記念で勝った後、ドバイシーマクラシックも勝ってKGQESに挑戦し3着になっています。
今回ハーツ産駒ドウデュースに豊君が乗って天皇賞秋を快勝し、ハーツ産駒の成長曲線である4歳のもやもや期間を経てディープを彷彿させる圧巻の差し脚を引っ提げて、かつて自分が乗っていたディープの産駒である海外馬を迎え撃つ構図となっています。
対するディープ産駒は海外馬代表のオーギュストロダンと春の天皇賞馬ジャスティンパレスが挑みます。
早熟気味のディープ産駒ですが、ジャスティンパレスは母のパレスルーマーが晩成型で、同馬もダービーは出走したものの、成長曲線に乗ったのは3歳秋からでした。もしかしたらピークはそろそろかと思わせる前走の脚でした。
イクイノックスを含む近年最強世代といえる現5歳世代の2頭が更なる成長曲線に乗って激突するレースだとも見ています。
結果がどうなっても楽しみしかありません。
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