内筋

還暦アベレージゴルファーのブログ

アフリカ・モザンビークにいたころ、剣道の達人がいました。

剣道は昇段するのに、昇段試験資格が段数の年数が経つまで発生しないので、7段は昇進スピードと年齢とのハードルがあり、「達人」の域まで達していると言います。

その方の後任として赴任した方は6段で、自ら6段と7段には大きな差があると話していました。

その達人と話すことが時々あり、ある時「こちらの剣士は、パワー頼りでどうしても外筋で竹刀を振る」そうで、「内筋で振った方が早く振れるけど、どうしてもパワーに頼ってしまう」とも言ってました。

腕には2本の腱が通っており、器用で力を入れやすい親指・人差し指に繋がる外筋と小指・薬指に繋がる内筋があり、ゴルフでも、内筋を意識することで安定に繋がるとされ、左手の内筋でしっかり握るとアプローチでスピンがより掛かります。

脚にも文字通り体の外側と内側に筋があり、こちらも内筋を意識するとスエー(スイング中に体・スイング軸が左右にぶれること)を防げるなど、スイング中の軸の安定に繋がるとは思っていました。

それだけに、「早く振れる」と言うスピードに繋がるという言葉は意外でした。

剣道は右手と左手を離して構え、振ります。右手が支点、左手が力点ですね。

考えてみれば明らかで、右手の支点で、なおかつ外筋で振ると、力みですから、支点と力点が同じになり、手の運動量と竹刀先端の運動量はあまり変わりません。

右手を内筋を中心に柔らかく動かし、左手の内筋を体に引く方向で動かせば、右手が支点、左手が力点となり、竹刀先端の運動量(移動距離)が増加します。右手の運動量と速度が同じでも竹刀の運動量が増えますのでスピードが速くなります。

ただ、ゴルフの場合、右手、左手を可能な限り近づけて一体化することが前提なので、支点と力点はあまりはっきりしません。

ただ内筋に力を入れることで、以前「サル腕」で述べたように左右の腕が近付き、結果左右の脇がしまり、スイング中の軌道が安定する効果があります。

昭和のパーシモン(元来ヘッドは柿木で作られているのでウッドと言っていた。現代チタンなどの金属になっているのに、未だにウッドと呼んでいる)時代では左手の内筋である小指から中指で強く握ってスイングをリードしていたので、左手の小指を支点にしていました。

ただ、それだけだとボールは飛ばないので、左手前腕を返す動きと同時に右手で押す動きが無いとスイングやボールに力感が伝わりません。

【まとめ】

ゴルフの内筋を意識すると以下の通りスイングが安定する効果が期待できます。

①スイング軌道が安定する

②脇がしまる(結果①に繋がる)

③足の内筋によりスエーをしにくくなる(結果①に繋がる)

④力感をプラスするには外筋を使う必要もあるが、使うタイミングが悪いと力みに繋がり逆効果のケースも。インパクト直前が有効。

結果まとまりませんでしたが、例えば野球のバッティングにも言え、外筋ばかりだと力が入っているようでバットがいわゆる外から出る状態になりそうです。内筋を使って内側からバットを出さないとインコースは捌けないように思えるのですが、こちらは専門外ですが。多くのスポーツに必要な概念であり、応用が利くと思っています。

私も、もう少し、「支点と力点」とか突き詰めてみたいと思うものの、ゴルフレベルの現状から余裕がないことが残念です。

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