年金坂

還暦アベレージゴルファーのブログ

日本でのホームコース鷹ゴルフ倶楽部の18番ホールは右に大きく曲がるドッグレッグのロングホールです。

右サイドは丘のすそ野になっており、飛ぶ人は右のすそ野と言うよりも中腹を狙っていきます。あまり右を向きすぎると別のホールのティーグランドがあり危険なのですが、当時ドロー(と言うよりもフック?)を打っていたので、中腹狙ってさらに右に飛び、ボールが転がり落ちないところまで行き、山登りを強いられた記憶が多くあります。

さて、その右すそ野のドッグレッグの手前に尾根があり、そこを年配のメンバーグループは「年金坂」と呼んでいました。

白ティーから150ヤードほどでしょうか、右すそ野の、その尾根を越えるようなら、年金をもらうには早すぎるというのです。

当時メンバーさんたちで回れる予約優先枠として「メンバータイム」があり、送迎バスを利用する時間帯では、当時30台だった私にとって、結構馴染みになる年配のメンバーが結構いたのです。

当時の私には年金坂を越えることはさすがに造作もないことでしたが、メンバーの中にはすでに年金を受領している方もいて、年金坂を越えると、他のメンバーから「年金返納だ」などと揶揄されていましたし、私には明らかに他人事として受け取って、そのようなやり取りにただ微笑むだけでした。

年が流れて、2度に渡るアフリカ赴任から、流行り病により緊急に帰国した際には60を越えていました。

仕事の契約が切れてからも、流行り病でなかなかコースはおろか、練習にも越境が必要な中、自粛していた期間が長く、練習を再開するまで1年以上の時が経ち、練習場で打ってみると、手打ちとわかっていても力みが入り、スライスが強くなり、それを嫌がって更に力む悪循環に入り、飛距離が大きく落ちていきました。

いつの間にか62歳になり、復活のラウンドをした際、18番にたどり着いた際、「年金坂」のことを思い出しました。

球筋はドローからスライスになり、それを嫌がると引っ掛ける状況だったことから、ショートカットは無縁の飛距離だったので、正面を向いてスライスして尾根に行っても良しとして、打ってみたところ、案の定右に曲がりましたが、かろうじて「年金坂」を越えました。

ただ、年金受給の年齢も近づき、揶揄していたことも気になる年齢になってきたことを身に沁みましたが、この1年でスイングもある程度良くなってきて、大きなミスショットではない限り、「年金坂」はまだ気にならないでしょう。ある意味ほっとしました。

また、今後も日本にいる時期が短くなるので、もういくらにもならないでしょうが、来年戻った際には会員権を精算しようかと思っています。

その前に再度、年金坂トライアルに挑戦してみようかと思います。

コメント