天皇賞を予想します~ポイントと有力馬の血統

レース予想

【レース及びコースの特徴、時計など】

  • かつては秋の天皇賞も3200mでしたが、JC施行後2000mになりました。
  • 天皇賞の特徴は最重定量の58㎏を背負って、余り息の入らないワンターンに近いコースでスピードとその持続力と底力を競うスリリングなレースになっています。
  • 前2年はテンの5Fを60秒を超えるスローで3秒前後の極端な後傾ラップでしたが、3年前のレースは最初の1F以外は11秒台のラップが並ぶハイレベルな一戦でした。
  • そんなラップを踏んで好位からイン突きで勝ったアーモンドアイも立派ですが、逃げ粘って3着に粘ったアエロリットは凄さがうかがえます。
  • ただこのレースは極めて逃げ馬の成績がかなり低調です(理由については「〇〇の呪い⁉~秋の天皇賞は逃げきれない」を参照願います)。今年のパンサラッサは厳しいと思います。
  • 最速ラップは2011年シルポートが刻んだ5F56.5、最も遅いラップは2005年の5F62.4秒です。2005年のラップは異常ですね。60秒を超えるとそれ以上遅くなっても、後半の5Fは57秒台で変わらないので、着差が詰まるだけで、意味ないです。
  • 今年のパンサラッサは58秒台でしょうか、テンのダッシュは早くありませんが二の足で行きそうです。これでも良馬場なら勝ち時計が1:56秒台とすると、それでも平均かやや後傾になります。
  • 展開は今年は3頭いて、やはりパンサラッサが行くでしょうか。ジャックドールは前走抑えて結果を出していますので番手でしょう。むしろ、バビットのノリさんがどう乗るかです。
  • 3年前同様、今年も速いラップが並び、上りも速く1:56秒台決着になり、走れる馬は限られていると思います。
  • そんな息の入らない高速決着では若い馬の方が有利です。
  • 今年の3歳勢トップクラスが3頭出ていますので、ここは3歳勢対古馬と言う構図でしょうか。

【有力馬の血統から】

イクイノックス

キタサンブラック×キングヘイロー産駒です。

キタサンブラックの父はディープの全兄ブラックタイド産駒です。

弟とは違い、ブラックタイドはスプリングSを勝っただけの馬で、弟のような決め手はなく、パワー型の馬でした。そこに母父サクラバクシンオーでしたので、キタサンブラックの親子スプリングS制覇で、このくらいの距離でどこまでいくかと見ていました。

ただ、ご存じの通りこの想定は大きく外れ、中長距離で無双の強さを発揮します。

ただ血統は血統なので、2000m前後の中距離馬で牝系次第ではどちらかによると評価しています。

そして、イクイノックスの母父は距離万能型優秀BMSのキングヘイローです。

そこに、祖母はトニービン×Allegedですから、底力を兼ね備えた優れた牝系を持っています。

馬体はまだまだ未完成で、将来的には父同様に中長距離で活躍すると見ています。

皐月賞で大外枠から僅差2着ですから、2000mは適距離で、大箱向きの馬体からもここは56㎏でチャンスでしょう。

1点血統面から言えば、BMSキングヘイローから近年多くの活躍馬がでていますが、G1を勝ち切ったのは、キングヘイローがそうだったように、スプリントG1をピクシーナイトが制したのみです。

イマイチ勝ち切れない点はここにあると見ます。

ただ、ここは圧勝した舞台ですし、馬体は未完成もチャンスだと思います。

ダノンベルーガ

ハーツクライ×Tizway産駒です。

TizwayはIntent系のTiznowの仔で、コントレイルの祖母にも入っていました。

パワーのあるスピード系です。ハーツ×スピード系はハーツ活躍馬の条件でもありますので今後の活躍が期待できます。

ハーツ産駒で2歳~3歳春に活躍した馬は大体その後少し低迷し、4歳秋頃から、再度成長を見せるパターンがあり、その点が気掛かりです。

こちらも馬体走法から府中の2000mは絶好の舞台でしょう。

共同通信杯は馬場が悪かったのでスピード能力は未知数ですが、母方からはいけそうです。

シャフリヤール

ディープ×A.P. Indy系産駒で、母は活躍馬ドバイマジェスティです。

全兄に皐月賞馬アルアインがいますが、シャフリヤールは先行型のアルアインと違い、末脚特化型のディープらしい産駒でスローの中長距離で結果を出しています。

それではスピードはと言うと、毎日杯でグレートマジシャンと壮絶な叩き合いを制した勝ち時計は、時計の出る馬場だったにせよ、阪神1800mで1:43.9でした。

スピードとキレを併せ持ってこちらも適切な舞台ですが、実績からJCが本番かもしれませんね。

ジオクリフ

ドレフォン×キンカメ産駒アロマティコを母に持つ血統です。

新種牡馬ドレフォンはStorm Cat系の短距離系の種牡馬として期待していましたが、日本では2000m位まで持つ短中距離系の種牡馬であることが同馬やデシエルトの春の活躍で証明しました。ただ、2000mが限界でもあります。

母アルマティコは小回りの差し馬で、牝馬重賞で活躍しました。

ジオグリフも勝った重賞は札幌と中山でマクリ勝ちですから、母の脚質を継承しています。

2000mは良いですけど天皇賞より大阪杯向きです。

ジャックドール

モーリス産駒です。

母ラヴァリーノは父ミスプロ系Unbridled’s Songで、母はミスプロの18.75%と濃い血を持っています。

パワーは父からも受け継いでいて、スピードは十分ですが、案の定レースは一本調子で、逃げるか、前走の札幌記念のようにハイペースで上りが掛かる競馬の時に番手からでも勝ち負けできます。

実力から簡単に止まらないとは思いますが、このコースでこの相手では脚質的に難しいレースを強いられます。

こちらも大阪杯向きでしょう。

パンサラッサ

パンサラッサについては「モンジュー(Montjeu)の活かし方」や「〇〇の呪い⁉~秋の天皇賞は逃げきれない」を参照にしていただければと思います。

大逃げ+遅い上りですので、前走のテンのダッシュ力では大逃げも難しい上に上りが37秒前後掛かっては厳しいと見ます。

【予想】

3歳勢の4強(アスクビクターモア入れて5強?)の内3頭が出てきました。3歳勢のレベルが高いと見ていますので、3歳勢を中心にします。

◎⑦イクイノックス

馬体は未完、血統的にBMSキングヘイローが気になっています。しかし、それでも東スポ杯の完勝、皐月賞・ダービーともに大外枠から2着しています。

まだ太らない、弱い体質(食が細い?!)なので休み明けは苦にしません。

ルメール騎手で7番枠で勝ち負けでしょう。

▲⑤ダノンベルーガ

3歳秋にあまり実績のないハーツ産駒、時計の裏付けがない点はありますが、調教からも脚力は十分、ジオグリフを完封しているコースなのでここは、3歳勢2番手に取り上げます。

〇⑧シャフリヤール

古馬勢からはシャフリヤール、ディープ産駒は1頭しか勝っていませんが、ほぼ毎年馬券には絡んでいますね。

時計的裏付けは毎日杯で証明していますが、近走のレース選択から、狙いは昨年届かなかったJCを見ているようで、ここは8~9分の出来か。

馬体から58㎏も気掛かりです。

△①マリアエレーナ

この馬の良さは根性があるところで信用はおけますし、2000mのスピード競馬は望むところでしょう。

内枠も有利ですが、相手関係と56㎏が馬体から気になります。

△⑥ジオグリフ

本当に3歳勢が強ければ、小回り向きとは言えこの馬が3着に入る可能性はあります。

【買い目】

馬連 ⑤、⑦、⑧のボックス3点に⑦-⑤、⑧2点の買い足し。

3連単 ⑤、⑦→⑤、⑦、⑧→①、⑤、⑥、⑦、⑧の12点

1番人気連敗中ですが単勝⑦を抑えます。

コメント