宝塚記念のポイントを考えます

レース展望

シーズンオフのグランプリ?に思いの外、実力馬が揃いました。

各馬の調整が難しく思える中、混戦でしょう。

【予想のポイント】

【エフフォーリア惨敗の理由】

まずは、エフフォーリアの前走の敗戦です。

昨週の天皇賞と有馬記念で負かした相手は歴史的名馬ばかりです。

前走の大敗が無ければ、ここではメンバーが揃っているとは言え、圧倒的な1番人気になっていたと思えます。

この名馬の前走の大敗は何故なのかがこのレースの最大のポイントと言えるでしょう。

理由として考えられるのは以下の点です。

  • 早熟疑惑
  • 関西への初輸送
  • 疲労残り
  • (皐月賞・有馬記念は勝っているが)大箱向きの走法

以前「祝☆エピファネイア後継馬誕生」で指摘しましたが、母は高齢時の祖母から生まれたダートを3勝しただけの最後の産駒である母から生まれた奇跡的な名馬と思っています。

一方で、エピファネイアは4歳秋のJCでの圧勝がピークだと言えますし、母父はハーツクライです。祖母は軽いスピード系ですが早熟説は承服しがたいのです。

個人的には、シーザリオの気性にあると思っています。気性から初の関西輸送で消耗したと見ています。有馬記念がタフな競馬で、疲労残りがあったとは思いますが、タフさではもっと過酷なローテだったディープボンドに比べると、やはり繊細なのかなと思います。

今回は早めに輸送するという話もあるようですが、ペースも速くなって小回りの対応が求められますので、今回は印を下げようと思います。

もう1頭先輩のエピファネイア産駒がいます。デアリングタクトですが、エピファネイアの未来を占ううえでも、重要な1戦になります。早熟説を一蹴してほしいものです。

【展開】

これは行くのはパンサラッサでしょう。大阪杯の時のようにアフリカンゴールドが好枠から絡むかもしれませんが、2コーナーでは先頭に立ってリードを保つでしょう。

パンサラッサの中山記念におけるペースはテンの6Fカが69.1とスプリント戦並のものでした。ただこれは開幕週だったこと、それでも上り3Fが37.3と掛かりました。

2200mではこのようなペースで逃げるとさすがに母父モンジューのスタミナを持ってしても、坂の途中まででしょう。ただ、自分のみのレースを作れる有利さと破壊力がありますのでペース次第では残るかもしれません。

タイトルホルダーにはパンサラッサに絡むスピードはありませんので、番手から早めに追いかけて継続を抑える競馬が必要で、上りの早い脚は無いので、騎手の適格なペース判断が好走条件となります。

両頭の戦法は理にかなったもので「モンジュー(Montjeu)の活かし方」で詳しく解説しています。よろしければ参照願います。

ハイペース必至で、差しも決まりそうですが。大外ぶん回しでは厳しいと思います。

【今年の馬場は昨年同等、一昨年以前とは違う】

週初めでは、週中から毎日雨模様の天気予報でした。今では雨は金曜の夜に少し降る予報に変わっていて、レース時の馬場状態は良馬場でしょう。

一昨年までは、いかにもシーズン末の荒れ馬場で時計も掛かっていて、内は特に荒れた外伸び馬場で、外枠の馬が勝っていました。

昨年と今年は変則開催で、2週目の開催となり、時計も速く、展開も速そうなので、昨年の勝ち時計2:10.9は切りそうです。

枠の利不利はなく、まだ内枠有利かもしれません。

クロノジェネシスが最初に勝った時のように雨が降れば、洋芝も重なって馬場適性が求められる。

重馬場なら上手いのはディープボンド、デアリングタクト、アリーヴォ、パンサラッサ辺りに実績があり、多少の雨なら多くの馬に実績があります。

逆に良馬場のままで、2:10秒を切るようなら、中距離でのスピードが求められるので、スピードと状態の良さが求められます。

更に気温が30度を超える予報で、かつてトゥザグローリーが血走ったような目つきで惨敗した記憶があります。少なくてもここまで年明け3戦以上している馬は疲労残りで暑さを迎えると能力に関係なく惨敗の危険性があります。

そのような環境で牡馬は58㎏を背負って走ります。

【有力馬】

【①オーソリティ】

JC2着で、ドバイシーマCで僅差3着でした。

当然有力馬なのですが、右回りが故障個所もあり上手く回れない可能性があります。

オルフェーブル産駒なので気の悪さもあり、逃げるか外枠の方が走る傾向にあります。

今回は内埒を頼れば走れる可能性はありますしルメール騎手です。

【④エフフォーリア】

現役最強馬ですが、前走の負け方がひどすぎました。真に強い馬というのはあのような負け方をしないものです。

輸送、疲労、気性の問題が重なって、古馬になって一気に噴出したのでしょうが、コースは距離が1F伸びますが、他は同じ条件でもあり、一気に解消というのは、話が出来すぎています。

本命にはしたくないです。

【⑥タイトルホルダー】

逃げてしか勝てていないにせよ、中長距離での逃げでG1・G2をそれぞれ2勝しています。

スタミナは母父Motivatorから貰っているものの、同時に早い脚が使えないので、直線を迎えるまでに後続との差が必要です。

今回は2、3番手からの競馬で前を捕まえて、後続を抑える難しい競馬になります。お兄ちゃんの真価が問われます。

【⑦デアリングタクト】

エフフォーリア同様、早熟・気性問題を抱えているかもしれませんが、気性は比較的問題がありません。

休養前の成績、特にJCで戦った相手を考えれば、今回のメンバーはむしろ格下かもしれません。

近年牝馬の活躍が目立ちますので、牝馬ならこの馬でしょうか。

【⑩ヒシイグアス】

香港カップは日本馬の独占でしたが、ラヴズオンリーユーの2着でした。

このレベルはまずまずだったと思いますし、長欠開け2戦目だったことを考えると健闘だと思います。

再度間をあけて大阪杯4着からここです。ハーツ産駒でまだ上り目はあります。一度条件戦で勝っているレーン騎手への乗り替わりで改めて注目です。

【⑪パンサラッサ】

中山記念を勝って、勢いよくドバイターフまで勝ってしまいました。あまり離していませんでしたが、ペ-スはほぼ同じで厳しい流れを良く持たせたと思います。

問題は距離と直線の坂を2回越えるので、前2戦のような早いペースでは持たないと思います。

とは言ってもレースを作れる有利さがありますので、今後の距離適性を占う意味でも思い切って行って欲しい。

【⑮ディープボンド】

血統からは決してステイヤーとは思えませんが、勝ちみの遅さは祖母父カコイーシーズからきているのかなと思います。

キズナ産駒は、あまり好きな言葉ではありませんが”非根幹距離”に強く、根幹距離のG1は勝てませんでしたが、安田記念でソングラインが勝ち、留飲を下げました。

良馬場でこの馬が勝つイメージは湧きませんが、急な雨でも降って時計が掛かれば、一気に最も馬券になりそうな馬に変わります。

そして、58㎏以上を背負いなれている点は買えます。

【今のところ】

年明け2、3戦の馬から狙いたく、4戦目以上の馬が来たらごめんなさいです。

良馬場で考えると、2:10秒前後となり、天皇賞組のスピード不足が気になります。

具体的にはディープボンドのスピードが落ちるかなと見ています。タイトルホルダーも同様で乗り方が難しい。

エフフォーリアも前走は追走で一杯になってしまったように見えるし、今回も速めのペースです。忙しいペースの内回りで評価は下げます。

上り目という点ではデアリングタクトとヒシイグアスが良いと思います。どちらかを本命にしたい。

▲はパンサラッサで、中山記念のペースは速すぎますが、もう少し緩めて何とか持たせたいところ、吉田豊君のペース判断にかかっています。

穴は拉致伝いのオルフェ産駒オーソリティにします。ルメール騎手と57.5㎏でも勝っている点を評価します。

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