【予想のポイント】
【NHKマイル好走馬のタイプ】
府中のマイルで行われるNHKマイルです。
ワンターンの高速馬場で、直線も長いので、ディープ産駒の庭のように思われますが、案外そうでもなく欧州系マイラーとかBMSがスピードよりも底力タイプの馬が上位に来ています。
昨年は欧州系マイラー・シュネルマイスター-父キズナも母父シンボリクリスエスのソングライン-欧州系マイラーFrankel産駒グレナディアガーズでした。
一昨年は勝馬こそラウダシオンでしたが、2着はNHKマイルでは良く来るダイワメジャー産駒レシステンシア、3着はオルフェーブル産駒の牝馬ギルテッドミラーでした。
2019年の勝馬はダイワメジャー産駒アドマイヤマーズで、2着はロードカナロア産駒ケイデンスコール、3着はハーツクライ産駒カテドラルでした。
ケイデンスコールの母父はハーツクライ、母母父はアレミロードと牝系は重厚でした。
スピードはもちろん必要ですが、底力がなく、軽い脚を使う馬は厳しいと言えるでしょう。
ディープ系はそこそこ来るのですが、サンデーサイレンス系ではダイワメジャー産駒の方が適性が高いと言えます。
また、欧州系や短距離系×重厚な底力系の組み合わせが結果を出していると言えるでしょう。
【ローテーション】
年末の朝日杯FS以降、トライアル的なレースはファルコンS、ニュージーランドT、アーリントンCがあります。
牝馬は基本的に桜花賞からになります。
後は、昨年の弥生賞から参戦したシュネルマイスターのように牡馬のクラシック路線からの参加もあります。
ニュージーランドTと桜花賞から中3週、アーリントンカップから中2週なので、現在のローテとしては厳しいものになっています。
特に桜花賞はG1で、そこにピークを持っていきますから、そこから中3週での参戦は厳しいものですが、2016年メジャーエンブレム、2017年アエロリットが桜花賞から勝っています。両馬とも桜花賞の敗戦から参戦し勝っています。
【トライアルレースの検証】
ファルコンSを勝ったのはプルパレイでした。ハイペースの展開と内枠から直線進路を取れて恵まれた観はあります。また、イスラボニータ×ミスプロ系と1400mに相性の良い血統構成に見えます。
1番人気で5着に敗れたトウシンマカオはやはりスケール観がなく、ベストも1400mだったようです。
ニュージーランドTはジャングロが58.8-34.7=1:33.5と中山では好タイムで逃げ切りました。
昨年のバスラットレオンを持ち出すまでもなく、このレースで逃げ切った馬の成績は良くはありません。特殊な直線の短いコースで勝った一本調子の馬が、追って味が求められる府中では通用しないケースが見られます。
むしろタイム差なしの2着に持ち込んだ1番人気のシンザン記念馬マテンロウオリオンの内容が良かったと見えます。
アーリントンカップを勝ったのはダノンスコーピオンでした。
46.3-46.4=1:32.7のラップで、早めに抜け出したタイセイディバインをゴール前ダノンスコーピオンが中団後ろから差し切ったカタチです。
京王杯以来、久し振りだったキングエルメスは初距離でしたが、3着に粘りました。
2着のタイセイディバインはファルコンSに続き、ここも人気薄で2着でした。
桜花賞からは8着のアルーリングウェイ枠と展開に恵まれました。直線若干の不利があり8着でしたがタイム差は0.2差のみでした。血統的にパワー型マイラーで牝馬なので牝馬好走馬の傾向にあるように思えます。
【有力馬】
【セリフォス】
ダイワメジャー産駒で、牝系は欧州系マイラーです。いかにもこのレースに合いそうです。朝日杯FSこそドウデュースに敗れましたが、現時点で完成度の高いマイラーと言えるでしょう。
欧州系なので底力の勝負になってよし、新潟のレース振りからも上りの早いレースになっても良さそうで、また、何かにやられるかもしれませんが勝ち負けでしょう。
ローテが朝日杯FS以来ですが、そこは休み上げ仕上げることには随一の中内田厩舎です。祐一君を配し万全の態勢で臨みます。
【ダノンスコーピオン】
ロードカナロア産駒ですが、母父がSadler’s Wells系なので重めなのですが、最後伸びてくるけど、勝負所でズブさがあります。ただ、血統構成はこのレースの好走馬傾向にあっています。
課題は共同通信杯で惨敗したことです。敗因は輸送か、馬場かわかりませんが、まさかの7着でした。
前走実力は示しましたが、再度の府中でどうかです。
【マテンロウオリオン】
こちらもダイワメジャー産駒で母父キングカメハメハでパワータイプのマイラーで、キンカメは母方の良さを活かすので、祖母レディパステルはトニービン産駒のオークス馬で、その良さを引き出しているようです。
ジョッキーを含めて不気味です。
【キングエルメス】
ロードカナロア産駒で、母は函館2歳S馬ステラリードです。何故か父スペシャルウィークは早熟ですね。
パラスアテナ、カイザ-ノヴァと速ければ2歳時、遅くても3歳秋までで成長が止まってしまいます。
ここは、順調に使われて3歳春なので、展開に恵まれれば先行して粘れるか、有力な先行勢といえるでしょうか。
【アルーリングウェイ】
エルフィンSの勝馬で、桜花賞では若干の不利がありましたが、0.2差8着でした。末脚勝負になると分が悪いようですが、流れに乗って先行抜け出しから底力で粘るタイプです。
【ジャングロ】
前走は距離延長でどうかなと見ていましたが鮮やかに逃げ切りました。一本調子の逃げ馬に見えるし、本質的にはスプリンターと見ています。
一本調子で長い直線で追って味があるかで、大逃げデモすれば残り目があるか。
【インダストリア】
リオンディーズ産駒で母父はハーツクライでケイデンスコールの異父弟になります。
この一族の特徴はG2に強くG1では足りないところです。代表は中距離G2を6勝したバランスオブゲームです。G1では安田記念と宝塚記念で2着があります。当時大阪杯がG1だったらと思いますがそれでも2着でしょうか。
【今のところ】
中心はセリフォス。5か月振りも中内田厩舎なら大丈夫。逆にステップレースを使わなかった方が良かったのではと思わせます。
内枠で包まれるかもしれないので祐一君への乗り替わりもプラスになるでしょう。
マテンロウオリオンも1枠の典さんというだけで、期待しかありません。実績も間違いなく、ダイワメジャー産駒のワンツーも視野に入ります。
ダノンスコーピオンはほぼ最後は良い脚で差してきますので、府中で狙いが立つのですが、問題は共同通信杯の敗因です。馬場か、左回りか、輸送か、よほど体調が悪かったのかです。理由を見極める必要があります。
依然として走破圏内ですが、今回も大外枠ですし、共同通信杯の敗因を克服できれば好走可能です。
アルーリングウェイはパワー型マイラーで傾向に当てはまりますし、祖母もミスプロの25%と濃いインブリードでスピードもあるのでしょうが、決め手に欠ける点はここからきていると見ました。3着候補までです。
それなら、キングエルメスの距離は違いますがコース実績に期待したいところです。
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