皐月賞のポイントを考えます

レース展望

皐月賞

【予想のポイント】

【馬場】

先週は雨が無く、日曜日では、2勝クラスの鹿野山特別で60.3-58.9=1:59.2と後傾ラップで2分を切る内容でした。

メインの1200m春雷Sでは33.2-33.6=1:06.8と7秒台を飛び越えてしまったので、かなりの高速馬場です。

今週は中間雨が降る予報になっていますが、当日は降らない予報なので、どこまで戻るかでしょう。

稍重で2分0秒台、良馬場なら1分59秒前後というのが近年の勝ち時計です。

良馬場ならパワーとスピードの絶対値が求められます。

【ローテーション】

過去10年の勝馬の前走は共同通信杯5頭、ホープフルS2頭、スプリングS2頭、毎日杯1頭となっています。

ローテーション的に良さそうな弥生賞からは勝ち馬が出ていません。昨年はタイトルホルダーが2着でした。タフな馬でない限り、中5週のローテは外厩でのケアを含めた調整には短いのでしょう。

本線は共同通信杯ですので中8週は現在の外厩制度には合うローテーションなのでしょう。これでも短くなっているのかもしれません。

次はホープフルS直行組です。コントレイル、サートゥルナーリアが勝ち、レイデオロは5着でした。どちらかというと気性に難のある馬が、メンタルのガス抜きのために間をあけるパターンです。

スプリングSは中3週で、関西馬だと輸送を短期間に2回するのでどうでしょうか。

【トライアルレースの検証】

最も結びつきの強い共同通信杯です。

勝ったのはダノンベルーガ。稍重でスローに流れて時計的にみるものはありませんが、圧巻の末脚で完勝でした。

参戦の意志が遅かったこと、皐月賞との相性は良くないハーツ産駒、初めての右回り・小回り、右とも、2戦のキャリアと課題は少なくありません。基本はダービーへの一叩きとみたい。

一方で、2着のジオグリフは小回り向きの差し馬ですし、クラシック路線を戦ってきた馬で、馬体重も増え続けていて、桜花賞のナムラクレアのような雰囲気があります。ここで究極の仕上げで出遅れなければまくれる可能性があります。

弥生賞からは2着のドウデュースです。アイビーSを制し、朝日杯FSまで3連勝でした。弥生賞では昭和の豊君らしく、4コーナー手前で抑えました。ウォーターナビレラもそうでしたよね。普通に乗れば勝っていたと思います。無敗を捨ててでもあんな乗り方をできるのは豊君だけです。体重も輸送入れて+8㎏でしたので余裕がありました。今回は上り目十分です。

アスクビクターモアは勝ちましたけど。ドウデュースとの決着はついたと思います。ただ、ドウデュースが勝つようなら、この馬も馬券圏内に入れる可能性はあります。

惨敗したきさらぎ賞馬マテンロウレオ、ホープフルS3着ラーグリフは逆に不気味です。特にラーグリフは前走絞れて惨敗は不可解です。

ボーンディスウエイは善戦しました。重い血統で、時計が掛かれば安定した先行力があるので好走可能ですが、先週のような馬場だとスピード不足でしょう。

スプリングSからはビーアストニッシドです。シンザン記念で馬込にいれたら全く折り合わなかったので、行くか番手でしょう。能力的にもローテーション的にも少し厳しいと思います。

他では若葉Sで古くはトウカイテイオーがいますが、近年では3着ヴェロックスや皐月賞では着外でしたが、ダービー馬アダムバローズがいます。デシエルトは3連勝で圧巻の逃げ切りでした。同じ逃げ馬のビーアストニッシドも岩田君のお手馬で、こちらを選びました。両馬とも気性の問題があり、まずはどちらが逃げるのでしょうか。

【有力馬】

【ドウデュース】

強いハーツ産駒のトレンドはディープと同じで、牝系が短中距離系ですが、ドウデュースもマイルで勝つくらいなので短中距離系です。ミスプロ系が入っていますので前走のようなためて直線追うよりも、外からまくった方が良いタイプです。

豊君はわかっていると思いますし、前走のような4コーナー手前で、ためる乗り方はしないはずです。

前走は輸送込みで+8㎏でした。ここはダービーもありますが、もう少し絞ってくるでしょう。

時計勝負にも対応できますので、良馬場の方が時計のない馬がこれないので良いでしょう。

【キラーアビリティ】

ホープフルSで本命にして勝ってくれたので、応援したい馬です。

問題はスケール観です。2度負けてるし、未勝利の勝ち方は派手でしたが、ホープフルSは地味でした。持ち味は気性の激しさを持ちながらレースセンスの良さです。

ディープ産駒もダービー馬好走馬は母系短中距離系がトレンドです。その点同馬もダービー候補といえますので、この3か月半での成長、特にメンタル面が欲しいところです。

また、ディープ産駒ではありますが、スローからの上りの競馬には強くなく、ある程度流れた中で、器用な脚を使うことで、強さを発揮してきました。皐月賞向きと言えます。

武史君は今度は得意の中山ですし、1番人気ではないので気楽に乗れると思います。

【ダノンベルーガ】

スケール観では大きいものがありますが、先に述べたように課題が多いので、克服できるかでしょう。

こちらもハーツ産駒のトレンドである、×短中距離系(Intent系)でいかにもダービー向きではあります。

乗れている川田君も不気味です。

個人的にはここを叩いてダービーが本番と見ます。

【イクイノックス】

普通に走れば、最も死角の少ない馬と見ています。瞬発力はありますが底力もあります。

特に牝系が美しく、バランスのとれた血脈で、キタサンブラックの丈夫さを加えたにしても、あの瞬発力はどこから来るのかなと思います。

全体的に細く見えるので、成長を促しての休養と思いますが、やはり叩いてダービーが本筋かなと思います。

【デシエルト】

こちらも、牝系が日本の芝向きの中距離系です。ダートでも走ったのは父の影響です。

ドレフォン産駒はマイル以下は血統的にもちろんですが、2000m位までなら、配合により持つことを証明してくれました。

前走も平均ペースでの圧勝で、底を見せていません。騎手は余り応援したくありませんが、乗れていることは確かです。

【アスクビクターモア】

弥生賞は最高のレースぶりでした。この馬は先行力があり、早めから押し切るレースぶりで、弥生賞を勝ち切りました。逆に言うと、ディープ産駒ですが母父Rainbow Questで重さがある分差し脚の鋭さではなく、地力で勝負するタイプになっています。

この血統では近年ダービーは重すぎで、皐月賞の方が若干良さそうですが、最も合うのは菊花賞と見ています。

【ジオグリフ】

札幌2歳Sは強く雑な競馬で完勝。朝日杯は雑さがアダになり惨敗でした。

前走共同通信杯はゲートも出てレースに乗れましたが、ダノンベルーガに完敗の2着でした。

ただ、基本小回りのマクリがこの馬の武器なので、3冠の中では、好走するならここしかありません。

ノドの課題がありますが、桜花賞のナムラクレアのようにクラシック路線でレースを使いながら馬体重も増えていますので、ここでびしっと仕上げれば好走可能でしょう。

【ジャスティンパレス】

こちらもディープ産駒ではありますが、母父が中長距離系で、兄アイアンバローズはオルフェーブル産駒ですが、3000m級のレースでようやく勝ち負けするほどです。こちらも最も合う3冠レースは菊花賞だと思います。

【今のところ】

3歳G1を勝った2頭、キラーアビリティとドウデュースを中心に考えています。

問題はその2頭よりもスケール観がある馬が2頭、イクイノックスとダノンベルーガがいることです。ただ、両馬ともダービー向きで、ここは1冠目ではありますが、ダービー前の叩きと見ることもできます。

両馬とも無理をしないで中団から直線だけ足を伸ばすトライアル的な乗り方をするのではないかと思います。従って両馬を馬券の軸にはしたくはありません。

後は、前走自らペースを作り、2:00.2の好タイム勝ちを楽にマークし、底を見せていないデシエルトが不気味ですが、ビーアストニッシドとどう折り合いをつけるか。

アスクビクターモアは着候補、大穴はホープフルSで重めで3着だったラーグルフで、前走の惨敗はありますが、立ち直れさえすれば能力はあると見ています。

コメント