宝塚記念を展望します

レース展望

予想のポイント

時計の掛かる馬場と内回りコースへの対応

この時期の阪神はすでに荒れ馬場になっていることが多く、梅雨の時期が相まって、完全な良馬場で行われることはほとんどありません。

今年は変則開催で、2週目なので、天気さえ良ければ好タイムも期待できたのですが、梅雨の上に台風が来ることで稍重よりも悪くなるかもしれません。

場合によっては開催すら難しくなるかと思います。

馬場が重馬場以上になると、その条件で無類の強さを見せているクロノジェネシスとレイパパレ、そしてモズベッロあたりが浮上してきます。カレンブーケドールも重馬場での好走実績があります。

これらの馬たちに4歳牡馬代表アリストテレスがどこまでやれるかでしょう。こちらは、できる限り乾いた馬場で勝負したいところでしょう。

斤量

天皇賞、安田記念と宝塚記念は斤量58kg、牝馬56㎏と日本のG1レースとしては最も重い重量を背負い、中距離におけるスピードの持続力が試されるレースです。

スピードに加えて、58㎏背負って急坂を2回上る底力も試されるレースと言えます。軽い中距離馬が苦戦するレースでもあります。(切れるタイプのディープ産駒が苦戦するレース)

有力馬?!解説

クロノジェネシス

クロノジェネシスについては「クロノジェネシスを解析します ver2」を参照願います。

ドバイ遠征とは言え、今年はまだ1戦です。

完全な良馬場にならないのなら、どんな馬場でも得意としていますので中心的な存在です。

ただ、いかにルメール騎手とは言え、牝馬の乗り替わりはプラスとは言えません。

レイパパレ

【血統】ディープインパクト×クロフネ産駒です。

毛色こそ鹿毛で、母型の芦毛を引き継ぎませんでしたが、レースぶりからは母型の影響を強く受けていて、切れよりも地力、特に重馬場も得意です。

母シェルズレイは気性の激しい馬で、抑えが利かず逃げるようなレースで3勝して重賞勝ちはありませんがチューリップ賞3着、ローズS途中から掛かるように先頭に立って2着があります。

レイパパレは明らかに母方の良さも悪さも引き継いでいます。ただ、距離延長はプラスにはならないと見ています。

【ローテ】 年明け1戦で、その1戦が大阪杯で、重馬場での快勝でした。十分な休養ですが、重馬場での快走で疲労が無ければ問題ないでしょうが、小柄な牝馬であることを忘れてはいけないでしょう。

【短評】 気性については、これまでのところ川田君が上手く制御していると思います。

重馬場だったので強さの度合いがわかりませんが、無敗で混合G1を勝ったわけですから今後の成績に関わらず、名牝に入ると思います。

馬体が小柄なので56㎏が気になりますが、連勝を続ける可能性はあるかと思います。

カレンブーケドール

【血統】ディープインパクト×Scat Daddy(Storm Cat系)産駒です。

母はチリの女傑で、全くの短距離血統ですが、チリのダービーでもあるエルダービーにも勝っているウオッカのような名牝です。

前走天皇賞春では堂々としたレース振りであわやという見せ場を作っての3着でした。

ディープインパクト産駒らしくなく、決め手に欠けるところを含めて血統では推し量れないところがあり、血統で言えることは女傑の仔と言うことだけです。

【ローテ】 今年3戦目と順調といえば順調ですが、前走は目一のレースだったので、そのダメージが気になるところではあります。

【短評】 ディープインパクト産駒というよりも、名牝の仔として取り扱いたい馬です。

これまで2.7.3.2.1で掲示板を外したことない堅実さですが、G1で2、3着が多くあるのに2勝しかしていないことがこの馬のすべてだと思います。

これまでサウンズオブアース、エタリオウのような馬がいましたが、おなじようなレース振りになっています。

アリストテレス

【血統】エピファネイア×ディープインパクト産駒です。

祖母がグレースアドマイヤですのでリンカーンやヴィクトリーの甥になります。

菊花賞で競って2着でしたので、血統的背景からも長距離は問題ないはずでしたが、重馬場の阪神大賞典7着、天皇賞4着と問題ありでした。

成長力がない血統ではないので2.1.0.0のこの距離で真価が問われるところです。

【ローテ】 今年4戦目と1戦多いローテーションで、結構道悪の競馬が多く、疲労の蓄積が心配されます。調教の動きをよく見たいと思います。

【短評】 4歳牡馬世代は今のところ、この春シーズンも良いところなく、同馬のAJC杯とディープボンドが阪神大賞典を勝ち、天皇賞で健闘した程度です。

ここで、牝馬3頭を崩せないと今後の見通しが危うくなります。

モズベッロ

【血統】ディープブリランテ×Harlan’s Holiday産駒です。

ディープブリランテはディープインパクト産駒のダービー馬ですが、重めのRivermanが入っていることで、良馬場の切れは牡馬には余りありません。

一方で、母方はスピード血統が多く、スピードの補完がなされているのですが、重馬場がめっぽう得意で、ディープインパクト産駒らしさを消しています。

距離的にはマイルよりは長めの中距離血統で、昨年3着していることを言うまでもなく、重めの父方とそれを打ち消すような母方が上手くミックスされていていますので、中距離向きです。

【ローテ】 今年4戦目ですが、これまで決してと順調とは言えませんでした。昨年の宝塚記念のダメージが強く、有馬記念は出ただけ、その後も決してできが良くなかったのですが、大阪杯で馬場もありますが、使われつつ良化しています。流れからいえば今回は目一の出来かと思います。

【短評】 良馬場では牝馬3頭の間に入れるとは思えませんが、道悪になれば一角崩しに入り込める可能性はあるでしょう。

昨年は天皇賞からでしたが、今年は大阪杯からで間隔も取れています。池添君の継続騎乗も好感が持てます。

ユニコーンライオン

【血統】No Nay Never×High Chaparral産駒です。

父No Nay Neverはヨハネスブルグ系Scat Daddyで、スプリンターです。更に父母からミスプロ系を受けていて、ミスタープロスペクターの18.75%です。従って一本調子です。

一方で母方はSadler’s Wells、Darshaan、Topsider、Secretariatと中距離以上で底力のある血統が4筋入っています。

スプリンターではないけど、間を取ってマイラーとも言えない。ワンターンの1800~2000mで、決め手がないだけにコーナー4回のコースでは、上りが掛かる北海道の洋芝か、逃げるレースがベストで、番手から鋭く足を延ばすタイプではありません。

【ローテ】 8か月ぶりの5月1日3勝クラスのマイルレース3着後、中1週でワンターン1800mで快勝。次いで中2週で鳴尾記念を逃げて快勝、更に中2週で今回ですから厳しいローテです。過去3レースがスローだったことが救いです。

【短評】 坂井君の積極策で金星を掴んだ同馬ですが、いきなりG1は厳しいでしょう。好走できるとしたら前走同様マイペースで逃げることですが、レイパパレとの折り合いが鍵になります。

今のところ

どのような馬場になってもクロノジェネシスの優位は動かないと思います。牝馬の乗りかわりは通常は大きなマイナスですが、乗り替わるのがルメール騎手です。どうにかするでしょう。

レイパパレは気性的な難しさが残りますが、デビュー以来コンビを組んでいる川田君の継続騎乗は心強いと思います。

気になるのは休養を挟んでも減り続ける馬体重と小柄な馬体に56㎏は大きな課題になります。

カレンブーケドールは最も単勝を買いにくい馬だと思います。ただ、勝ち負けに絡んでくる可能性も高いでしょう。私は一度府中の1800~2000mを走らせ欲しいと思います。

実績はありますが決して合っている条件ではないので、2列目か3列目にします。

アリストテレスは豊君への乗り替わりはどうかですが、悪くはないでしょう。4歳牡馬もこの辺で存在感を出しておきたいところです。

モズベッロは馬場次第ですが、悪化すれば勝ち負けに近いところまで来れる可能性はあります。ただ、重馬場でクロノジェネシスにもレイパパレにも完敗しているだけにどうでしょう。

キセキはここまで走らせますかね。

先週の振り返り

ダート重賞は予想していませんので、対象レースがマーメイドステークスということで、安田記念は本線1点予想で抑えのワイドみの的中でしたが、函館SSでは馬連・ワイドともに1点で的中と、3週連続の的中がかかっていましたが、当たるかどうか半信半疑でした。ただ、今年は開幕週と言うことだけが頼りでした。

結果、本線で逃げた☆シャムロックヒルが勝利し、逆にポツン迄は行かないけど追い込んだ◎クラヴェルが2着に届きました。

クラヴェルが届かなかったので、単勝と3連単は当たりませんでしたが、複勝、馬連、ワイドを的中し、馬連万馬券は久しぶりでした。

アンドラステは途中掛かってしまいました。マイルでは決め手が足らないので、この距離でも慣れてくればマイル以上の成績をあげられると思っています。

シャドウディーヴァは小回りに向かないので、消しましたが、福永君が上手く内を伸びて、しれっと3着発動でした。

ソフトフルートは思いのほかだらしのないレースでした。斤量以外では、スローとは言え行き過ぎた観があります。西村君、人気で気持ちが先に行かせたんでしょうね。

以上です。次の予想でまた。

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