NHKマイルカップを展望します

レース展望

先週の振り返り

天皇賞は当日まで雨の心配が残りましたが良馬場で前半1マイル1:35.6と流れ、後半1マイル1:39.1で上り3F37.4と底力の勝負になりました。

そのような流れの中、6着までの馬が皆10番手以内で進めていました。

後ろで控えていても、スタミナが削がれていく厳しい競馬でした。

勝ったのは1昨年菊花賞馬ワールドプレミア。5歳馬のレベルは4歳銭よりも低いと見ていましたので評価は4番手でしたが、祐一君の乗り方を含めて、強い勝ち方でした。

阪神大賞典で圧勝したディープボンドも実力を発揮し、和田騎手の騎乗も隙のないものでしたが、ラスト底力が足りませんでした。

調子も良かったので、馬券はディープボンドからとも思いましたが、ハンデキャップホースとして、勝てるとも評価していなかったので、納得の2着でした。

3着カレンブーケドールは血統の枠内では説明できない馬ですが、ここも良く粘りました。これまで、牝馬の牙城を崩していた天皇賞(春)ですが、ついに馬券圏内に入りました。

とにかく5歳牝馬が強く、宝塚記念では、クロノジェネシスやラヴズオンリーユーと戦いますが、どうなりますか。天皇賞組は格下感は否めませんね。

本命オーソリティは馬体はよく見えましたが、川田君にしては消極的なレース運びでした。とは言え2秒負けていますので、能力を買いかぶりしていました。

アリストテレスも地力負け、向う正面から追い通しで結局カレンブーケドールも交わせませんでした。菊花賞2着しましたが、距離が長いのかもしれませんね。

スタミナはあるのに、決め手には欠けるオセアグレイトにポツン発令とは典さん…。

このレースのダメージは残ると思いますが、阪神での天皇賞は原点であるスタミナと底力が試され、面白いと思います。

有力馬?!解説

良馬場であれば1:32秒台の争いで、1:32秒台後半以降になると差し追い込みも決まりますが、基本的にはスピードのある先行馬有利なレースです。

時計が掛かれば17番人気ピンクカメオみたいなことが起きる可能性があります。5F56.9超ハイペースになった2010年もダノンシャンティの追い込みが決まっています。

グレナディアガーズ

【血統】Frankel(Galileo系)×Harlington(Fappiano系)産駒です。

父Frankelは欧州マイル路線を席巻しました。14戦14勝G1を10勝し、7~8Fで12勝、ラスト2戦は10F競馬のインターナショナルS、チャンピオンSを勝っています。血統は全く違いますが本格化してからのモーリスに似ていますね。

Galileoは13回英愛のリーディングサイアーになったSadler’s Wells産駒で英・愛両方のダービーを勝つ中長距離馬でしたが、デインヒル系の母とでマイラーに出ましたが、中距離を走ってもおかしくない配合です。

日本でも3頭のG1ホースを出していますが、産駒の当たり外れが大きく、ピンかパーですね。

ソウルスターリングから早熟疑惑がありますが、モズアスコットはデビューが遅かったにせよ早熟ではありませんでした。あくまでも、母系との兼ね合いでしょうか。

その点、グレナディアガーズは母方がFappiano系ですから、早熟の可能性はありますね。

スピードと底力にあふれた血統構成で、実績からも有力でしょう。

【ローテ】 朝日フューチュリティから1戦使って理想的なローテーションで、狙ったレースなので万全でしょう。

【短評】 G1を勝って実績も時計も十分です。ローテーションも万全で、完勝か接戦で勝ち負けでしょう。

1戦ごとに調教の質が上がっており、その点も確認したいと思います。

バスラットレオン

【血統】キズナ×New Approach(Galileo系)産駒です。

先週は2マイル、今週は1マイルの有力馬を出したキズナ産駒ですが、いくら前哨戦を完勝していても、どうしても勝馬になれるとは思えないのです。

やはり母系から、スピード決着における絶対値は足りないけど、ある程度のスピードの持続性はあって、簡単にばてないのが特徴と言えるでしょう。

【ローテ】 すでに8戦目で、暮れに朝日フューチュリティ4着後は年明けすでに3戦しています。しかし、使うたびにパフォーマンスをあげているので善戦は可能でしょう。

【短評】 パワーの要る中山向きで、スピードの絶対値に欠けるので、時計が掛かれば勝ち負けになるかと思います。

ホウオウアマゾン

【血統】キングカメハメハ×アグネスタキオン産駒です。

キングカメハメハはスピードと底力、そして素直に母方の血を活かす種牡馬です。

その母ヒカルアマランサスは京都牝馬Sに勝ち、ヴィクトリアマイルで2着しています。

血統的にマイラーで、母は差し馬ですが、ホウオウアマゾンは番手タイプの先行馬になっています。

【ローテ】 朝日フューチュリティ以来4か月ぶりの前走は仕上がっていました。中2週が気になりますが、調教チェックしたいところです。

【短評】 前走は重馬場だったこともあり、ややペースが緩く楽な競馬でした。デイリー杯でではレッドベルオーブに競り負けましたが見せ場たっぷりのレースでした。

番手競馬ができれば、相当しぶとい脚があるので、勝つまでは行かないかもしれませんが2、3着なら。

シュネルマイスター

【血統】Kingman(Danzig系)×Soldier Hollow(Sadler’s Wells系)産駒です。

チューリップ賞を勝ったエリザベスタワーと血統構成が似ていて、父KingmanはスプリンターInvincible Spiritの仔ですが、実績はマイラーでした。

なんと母がドイツのオークス馬という点も同じで、どう見ても中距離型なので、父がマイラーですが弥生賞の2着で、タイトルホルダーとダノンザキッドの間にいたことをどう評価するかですが、少し重いように見えます。

キングカメハメハ以外の外国産馬は意外とこのレースは知らないのですが、時計の早い府中のマイルに起因しているのではないでしょうか。

【ローテ】 ここまで3か月に1度のペースで大事に使われてきました。今回は2か月ですが、よほど体質が弱い馬でない限り問題ないでしょう。これまで、あまり強い調教はされていない点は気にはなります。

【短評】 外国産馬はあまり縁のないレースです。この馬も母方が中距離馬で府中マイルで対応できるスピードに弱点があるように思います。

タイムトゥヘヴン

【血統】ロードカナロア×アドマイヤベガ産駒です。

母キストゥヘヴンは桜花賞馬でマイル~1800mで強さを見せました。

そこにロードカナロアですから、基本マイラーであるはずですが未勝利を勝ちあがったのが2000mで着差が8馬身だったので、その後2000mを使われてきましたが、京成杯は超スローで逃げて2着に粘りましたが、弥生賞は掲示板を外しています。

前走改めてマイルで評価し直す舞台でしたが、離された2着でした。

【ローテ】 昨年11月デビューで、すでに6戦しています。使い詰めではあるのですが、2000mのレースがスロー競馬だったので、ダメージはあまりないかもしれません。レースを経験するごとに調教時計も上がっています。

【短評】 血統的にはスピードに優れたマイラーですが、前走を見る限り時計が掛かった方が良いのかもしれません。もう一度マイルで期待して見てみたい気がしますが、時計の裏付けがないのが弱みです。

ルークズネスト

【血統】モーリス×ディープインパクト産駒です。

モーリスはメジロの血をひきながらマイルで無敵でしたが、キャリア最後は2000mでG1を2連勝して引退してしまいました。最終形はまだ先があったように思えますが引退しました。

母方はディープインパクトにGrand Lodgeでスピードを秘めています。

モーリスは血統的にはマイラーとは言えませんが、母方のスピードとキレと相まってマイルG1でも通用する血統なのか注目しています。

【ローテ】 未勝利後は2か月に一度のペースで使われていて、ここも中6週と良いローテーションです。

【短評】 前走でスピードの絶対値も見せていますし、前走は逃げましたが、有力先行馬にはない差し脚がありますので、有力馬と見ています。

今のところ

1列目に有力なのはグレナディアガーズとルークズネストとファルコンSの1、2着です。

血統的にはモーリス産駒のG1制覇なるか興味があるところです。

後は順序着けですね。ここで上げる馬は、かなり馬券になっていますので順番が合えばと思います。

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