サリオスを解析します

名馬解析

前走のマイルチャンピオンシップで出遅れた上に展開もスローで5着となり、ついに連対を外してしまいました。

個人的にはマイルには対応できても、本質的にマイラーではないと思っていますので、それほどショックな出来事ではありませんでした。

それだけに、今年の路線が気になっていましたが、大阪杯を選択しました。今後の成長力が約束されている馬ですので、まー良い選択かと思います。

そこで、改めてサリオスを解析したいと思います。

血統

まずは血統です。以下4代血統表です。

ハーツクライ×ドイツのLomitas産駒です。

Lomitasも母のBMSタイガーヒルも2400mのG1を複数回勝っています。

従いまして、血統的には中長距離が得意であるはずですが、何故か2歳時はマイルを使われ、昨年秋も毎日王冠はともかくマイルチャンピオンシップを目指した理由はよくわかりません。

最も考えられる理由は馬体にあると思われます。

500kgを優に超える雄大な栗毛の馬体、体型的に胴が詰まっているわけではなく、むしろ長いほうですし、胸前がすごく発達しているわけでもなく、マイラーではありません。

強いて言えば、大型馬で、脚が短めの点で、長い距離よりも、中距離を良しとした判断なのかもしれません。

余談ですが、サリオスの最もかわいらしいところは、短めの脚(特に前脚)ですよね。

2歳時は3戦3勝でG1ホースになりましたが、3歳時は勝ったのは毎日王冠のみの1.2.0.1でした。

しかし、サリオスは明らかに今後の成長が約束されております。

先ずは、言うまでもなく、ハーツ産駒であることです。ハーツ自身古馬になって、4歳時に有馬記念でディープに土を付けました。5歳になってもドバイシーマクラシックを勝ちました。

産駒もシュバルグラン、スワーヴリチャード、リスグラシュー、ジャスタウエイと3歳時にそこそこ走っていても、本格化するのは明らかに古馬になってから、特に4歳秋からです。

また、姉2頭は父がディープ産駒なのですが、ドイツ中長距離血統の重厚さをまったく感じさせず、むしろ、軽いレースぶりをしているなと思っていました。

そしたら、サラキアが5歳夏から確変し、エリザベス女王杯、有馬記念で僅差2着するまでになり、キャリアの頂点に達したかどうかもわからないまま引退しました。

コントレイルとは違い、サリオスの競走馬としてのピークはまだまだ先なのです。

サリオスもジャスタウエイやリスグラシューのように、3歳時はマイル中心の距離を使われていましたが、4歳秋以降2000m以上のレースで強さを発揮するようになると思います。しかも、その2・3歳時の戦績はリスグラシューやジャスタウエイを凌駕しています。どこまで強くなるかわからないのです。

と言うことで、今後は2000m級のレースを使って欲しかったので、今回の選択にはほっとしています。この後安田記念はやめて欲しいです。

過去7戦の内容

新馬

府中のマイル戦でした。

4F51.0-4F46.1=1:37.1と、近年新馬戦にあり勝ちなスローの流れで、中団で折り合い、ラスト33.1で完勝でした。

サウジアラビアRC

やはり府中のマイル戦でした。

4F47.2-4F45.5=1:32.7で上りも新馬と同じ3F33.1で圧勝でした。

一旦クラヴァシュドールに並ばれましたが、突き放しました。一瞬の切れ脚よりもいい脚を長く使える面が強調されました。

朝日フューチュリティ

阪神のマイルで4F45.4-4F47.6=1:33.0と、かなりの前傾ラップでした。

朝日杯フューチュリティステークスの勝ち方は、早いペースを追走して早めに先頭に立ち、後続を抑えきるという、強く、底力を感じさせる内容だったからかと思います。

皐月賞

稍重の中山2000mで5F59.8-60.9=2:00.7でした。

4、5番手の追走でしたので、ほぼ平均ペースでした。4角ではほぼ先頭集団に追いつき、外からまくってきたコントレイルとの叩き合いに敗れました。

サリオスにとっては、4角で前にいて4着に頑張ったウインカーネリアンがいたことで、外に出すタイミングが遅れたことが痛かったのですが、コントレイルはそれ以上に不利を被っていましたので、完敗と言えるでしょう。

歴史に残る、良いレースでした。

ダービー

良馬場の府中2400mで6F73.5-6F70.6=2:24.1でした。3秒近い後傾ラップのスローでした。

内枠から好位のインにとりついたコントレイルに比べ、12番枠から出遅れ気味に中団外目につけ、直線半ばでコントレイルに並びかけましたが、そこから突き放されました。

ペースと多頭数の内外の差であり、それほど悲観的になる内容ではありませんでした。

毎日王冠

稍重の府中1800mで5F58.0-4F47.5=1:45.5のやや前傾ラップでした。

小頭数の9番枠から楽に4番手から直線抜け出しました。伝統のG2にしては小粒なメンバーでした。

この後マイルチャンピオンシップに向かうと聞いてがっかりしたことを覚えています。

マイルチャンピオンシップ

良馬場の阪神マイルで4F46.9-4F45.1=1:32.0の後傾ラップでした。

大外17番枠から出遅れ気味にでて、後方から。全体時計も速く、上りも速い展開で、勝ったグランアレグリアでさえ、5番手でした。

結果上り最速も5着が精一杯でした。

秋の目標がここだった点はどうも納得がいかなかったです。せめて香港だったように思います。

今後について

3歳時は、コントレイルに惜敗と完敗でしたが、悲観する内容ではなかったと思います。ダービーはコントレイルにとって、いわゆる”ハマった”レースで外目の枠から勝負になる位置をとれなかったことが敗因でした。

そもそもレース形態が似ている皐月賞でコントレイルとの叩き合いをしているし、距離的にも現状ベストと思える距離です。コントレイルとの再戦は今後も続くと思われます。

今回はコーナー4回のコースで、ゴール前に坂がある皐月賞と似たコースです。今一度両者の成長を測れる一戦になりました。

楽しみです。

以上です。

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