今週はエリザベス女王杯です。
天皇賞やJCで有力になる牝馬も多いのですが、それでもこれだけ牝馬が出走するのですから、空前の牝馬時代といってもよいかもしれません。
そこで、今回有力馬の一頭であるノームコアの父であるハービンジャーについて今一度解析をしてみたいと思います。
血統
以下、ハービンジャーの血統表です。
ハービンジャー自身は英国で、3歳でデビュー初戦はマイル2着から、2400m級のレースを勝ち進みました。
そして勢いでキングジョージ6世&クイーンエリザベスSにレコードで圧勝しました。その後骨折してい引退を余儀なくされています。
父DansiliはDanzig-デインヒル系です。
Dansiliの戦績は主にフランスで2000ギニーで2着、G2ミュゲ賞に勝つなど良績はほぼマイルのマイラーです。
Danzigから、BMSがリボー系His Majesty、更に母方はにジンスキー系イルドブルボンが入っていますので、Danzigのスピード色からスタミナ・底力にシフトしていると言えます。
母型のサイアーラインであるBeringはフランスダービー馬で凱旋門賞2着など2000〜2400mに実績のある馬で、母方はNorthern Dancer系Shareef Dancerは愛ダービー馬です。
ただ、Bering産駒にはマイラーが多いのが特徴です。
総合的に、Danzig系のスピードを、2代かけて中距離のパワー型に変遷していますが、そこに母方からもマイル~中距離路線への適合を引き継いでおり、繁殖牝馬にもよりますが、マイル~中長距離までいける種牡馬であると言えます。
欧州系なので、Danzig系ではあるものの、パワー型で、一瞬のスピードよりもスピードの継続型であると言えます。
これまでの産駒から
ペルシアンナイト
母方は祖母からゴールドアリュ-ルやゴールスキーなどダートで活躍した産駒が多く、母オリエントチャームは4勝し、マーメイドステークスで3着していますが、勝ち鞍は新馬を除き1600~1800mでした。
戦績はマイルチャンピオンシップやアーリントンカップに勝利し、皐月賞、大阪杯2着しています。
まさしく、ハービンジャー産駒らしく、マイル~2000mで良績をあげています。
また、同じマイルでも勝ち時計も上りタイムも早い安田記念では惨敗しましたが、2開催目で最終週の前に行われるマイルチャンピオンシップは得意で、3度出走して、1、2、3着しています。
ディアドラ
名繁殖牝馬ミスプロ系ソニンクの孫になります。
3歳秋に、紫苑ステークスから秋華賞を連勝し、4歳時にはクイーンカップ、府中牝馬Sを連勝したあと、香港カップ2着し、翌年は英国ナッソーS(ほぼ2000m)を勝っています。
1800~2000mで活躍し、牝馬なのでスピードもありましたが、やはり海外を含めて時計の掛かる馬場が得意でした。
さすがにもう引退かと思いますが、最後は有馬記念か香港か?
モズカッチャン
フローラステークス勝利からオークス2着、秋は秋華賞は同じハービンジャー産駒ディアドラの3着でしたが、エリザベス女王杯に勝っています。
BMSがキングカメハメハで、更に母方Storm Cat系なので2000m以下によさそうですが、距離が持つ方に出ました。
ブラストワンピース
この馬の解説が一番難しい。
母方はキングカメハメハで、更に祖母はフジキセキですが、更に母方はNorthern Dancer系El Gran Senorなので、ただ単にスピード系とは言えないのです。
とは言え、母ツルマルグラマーは新馬は1200mで勝利し、2戦目でファンタジーS(1400m)で2着しましたが、その後は着外でした。
それなら、毎日杯や平坦でワンターンの新潟記念を勝ったことは理解できるものの、有馬記念勝ちは説明が難しいのですが、ただ言えることは、上り時計が掛かるレース、馬場でないと好走できないというか勝てない点です。
この馬の特徴であるピンかパーについては血統からはわかりません。(笑)
ノームコア
母クロノロジストはクロノジェネシスと同じで、ノームコアは異父姉になります。
3歳春はフラワーカップ、フローラステークスともに3着の後、秋初戦紫苑ステークスを勝ちます。
翌年、中山牝馬ステークス僅差7着の後、ヴィクトリアマイルに勝ちます。この時の勝ち時計が1:30.5のレコード(当時)で勝ちます。
今年はヴィクトリアマイル3着、安田記念3着の後札幌記念を勝利している。
ここまで、距離的にはいかにもハービンジャー産駒ですが、唯一特徴に反していたのはヴィクトリアマイルの勝ち時計ですね。
牝馬だからで片付けたいところです。
今回の距離2200mですが、札幌の2000mを走れて現在の時計が早い阪神の内回りを走れないはずはないと思います。
ただ、直線の急坂を2回のぼるスタミナが要求される点は考慮に入れたいところです。ギリギリですね。
まとめ
得意の距離は1600m~2000mの産駒が多い。
スピードはあるものの、瞬発力には欠ける産駒が多く、平均スピードの長さと底力で勝負する馬が多い。
時計が掛かった方が良いので道悪はこなすが、それ以上ではない。
繁殖牝馬がキングカメハメハ(Kingmambo系?)だと距離が持つ傾向にあります。
今後は、軽い瞬発力とキレが補える可能性がある、ディープ産駒牝馬との相性が問われるところです。
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