オーシャンS、チューリップ賞、弥生賞を展望します

レース展望

今週からクラシックのトライアルレースが目白押しですが、少しメンバーが寂しいのは否めません。

それで今回は3レースまとめて、1番人気になるであろう3頭と血統的に魅力のある数頭について解説をしていきたいと思います。

また、火曜日に東京では雨が降っていますが、先週は中山、阪神とも高速馬場でした。この傾向が続けば今週は時計のない馬には厳しいかと思いますので、予想するうえで大きなポイントになるかと思います。

オーシャンS

例年、やや時計が掛かる馬場状態になることが多いのですが、先週のタイムから、1:07秒台の勝ち時計が期待できそうです。そうなると走れる馬は限られてくるのである程度絞れそうです。

また、短距離の追い込みが多くいて、これは枠順と騎手の進路のとり方に大きく影響されますのでその点は予想が難しいでしょうね。

カレンモエ

【血統】ロードカナロア×クロフネ産駒です。母はスプリンターズステークス、高松宮記念を制したG1ホースです。

クロフネの芦毛を受け継いでいますし、カナロア産駒でもありスプリンターとしてある程度の活躍を約束されています。

デビュー戦は3歳時2月で4戦2勝、4歳時は半年に及ぶ休養がありましたが、5戦して2.2.0.1でした。

オープン入りした初戦の京阪杯で1番人気になりましたがフィアーノロマーノに差され2着と上々の初挑戦でした。

5歳ですが、まだ9戦しかしていませんし、母方にトニービンがいて、長めに活躍できると思いますし、むしろ走り続けて欲しいと思います。

スピードにあふれている血統なので、先週同様高速決着なら有利でしょう。

【ローテ】 前走からは13週とあきました。この後、高松宮記念に出走するならここを勝たなくてはなりませんが、そうなると次走との間隔が中2週と詰まりすぎるので、今回の仕上げは難しいものになります。

【その他】 斤量は前走と同斤の54㎏と恵まれています。先週レシステンシアで味のある勝ち方をした友一君の騎乗予定です。良馬場が条件です。

ビアンフェ

【血統】キズナ×サクラバクシンオー産駒です。母ルシュクルからは重賞活躍馬がコンスタントに出ており、ビアンフェもG3を勝っています。

ルシュクルの特徴は父サクラバクシンオーのスピードとミスプロ系Unbridledの全妹という良血の母の仔です。スピードと逃げかマクリ・追い込みを得意とする一本調子の特徴があります。

例えば、兄エントシャイデンはG3で中京記念で追い込み3着、京都金杯では逃げて3着しています。

ビアンフェは逃げてこその馬で、1頭で行けるようなら粘れると思います。

モズスーパーフレアと競り合えるテンのスピードがありますので、こちらも高速決着が有利でしょう。

【ローテ】 スプリンターズステークス以来、5か月振りですが仕上がり具合はいつも走る調教で見極めたいところです。

【その他】 56㎏は恵まれたとは言えませんが、逃げてこそなので藤岡祐介君には思い切った騎乗を期待するばかりです。

グルーヴィット

【血統】ロードカナロア×スペシャルウィーク産駒です。母はエアグルーヴの血をひいていて、母父がスペシャルウィークであることからも、スプリンターというよりもマイラー血統で、戦績にも現れています。

ただ、前走は2度目の1200m戦でゴール前で差されて2着に敗れましたが、堂々としたレース振りでした。最初の1200mは高松宮記念で出遅れての0.3秒差の6着でした。

自力では上回るので勝ち負けが期待できそうです。

【ローテ】 中2週は楽ではありませんが、休み明け3戦目で状態は良いと思います。

【その他】 石橋君への乗り替わりの評価は微妙ですが、斤量は前走から1kg減の56㎏と恵まれています。

チューリップ賞

本来なら、ジュベナイルフィリーズの上位馬が数頭出てきて、トライアルムードになるのですが、今年は4着のメイケイエールのみで、寂しいというか気持ちが盛り上がりません。

メイケイエール次第では、大波乱もあるかもしれません。

メイケイエール

【血統】ミッキーアイル×ハービンジャー産駒です。父は5連勝でNHKマイルを制して、後にマイルチャンピオンシップでも逃げ切っています。

母方はシラユキヒメからなる白毛一族ですが、メイケイエールは鹿毛に出ています。母父はハービンジャーですから、マイルが長いとは思えません。

むしろ同族のソダシが超優等生であるのに対して、メイケイエールは出遅れ、引っ掛かり癖があるので、いつも外をぶん回しになることで、ロスが多く、ゴール前に響いています。

とは言っても強く、面白い馬であることには間違いありません。

桜の有力馬がここには出てきませんでしたが、メイケイエールは何かこれまでと違うレースを試そうとするのではないかと思います。

【ローテ】 前走からは11週となります。気性からここを使っても使わなくても良かったと思いますが、レース経験を積ませる方を選んだようです。

【その他】 豊君の継続騎乗で、これまでと違う新味を出せるか、陣営にとってここを使う意味だと思いますので、注目されるところです。

タイニーロマンス

【血統】ノヴェリスト×サンデーサイレンス産駒です。父ノヴェリストはドイツ系中長距離血統と言えます。

母系はサンデーサイレンスの中距離系と言えます。

兄に府中専門のダイワキャグニーがいます。牝馬とは言え、マイルでは短いと言えるでしょう。ただ、それなりに母方からスピードは受け継いでいるので、あまり早い展開にならなければマイルでも対応できる可能性はあります。

【ローテ】 11月デビューですでに4戦目ですが、前走は馬体がしまったので、大きく減らなければ大丈夫でしょう。

【その他】 ペースも勝ち時計も早くなると、厳しくなることが予想されます。ある程度ゆったりしたペースで流れれば、それなりに末脚が使えて、阪神外回りが味方するかと思います。意外とノヴェリスト産駒は道悪が苦手なので良馬場が条件です。

エリザベスタワー

【血統】Kingman(Danzig系)×Doyen(Sadler’s Wells系)産駒です。

父KingmanはスプリンターInvincible Spiritの仔ですが、実績はマイラーでした。

母はドイツのオークス馬で、どう見ても中距離型なので、もう少し距離があった方が良いでしょう。

前走は出遅れ気味で、終始後方で、直線も壁になってしまったので、力を出し切れませんでした。人気先行が気になりますが、能力を出せれば阪神なら狙えます。

【ローテ】 中3週ですが、特に問題はなく、調教も走る馬(人気先行の原因?)なので厳し目に見たいと思います。

【その他】 豊君で2回で遅れていますが、川田君に替わってどうなるかでしょう。

テンハッピーローズ

【血統】エピファネイア×タニノギムレット産駒です。

どう見ても、中長距離型でオークス向きです。それでも、マイルをある程度走っているのは、小型の牝馬だったからと言えます。また、時計が掛かる馬場であったことも有利に働いた言えます。

前走の相手で、時計の掛かる馬場で連対できなかったことは大きく、今回も相手に恵まれましたが、時計が早くなってしまうと厳しいのではないでしょうか。

【ローテ】 今回は後がないし、輸送の心配をしなくてすむので、目いっぱいの仕上げになるかと思います。

【その他】 池添君で勝負となります。その点では結果はどうあれ良い選択だと思います。

弥生賞

ダノンザキッドは出てきましたが、他がイマイチです。やはり負けるのはここではないと思います。

ダノンザキッド

【血統】ジャスタウエイ×Dansili(デインヒル系)産駒です。父ジャスタウエイはハーツクライ産駒ですが、母方がスピード系だったので、ベストパフォーマンスは4歳秋の天皇賞の完勝でした。

母方はDansiliでデインヒル系のスピードと底力があり、いかにも日本の芝向きの配合になっています。

いうなれば地味な血統ですが、決して早熟ではなく、スピードとスタミナ・底力のバランスが取れています。

弱点があれとすれば勝負根性ですが、今のところ問題なく、地味ではありますが、コントレイルと同じ道を歩んで来ましたが、ここで、違う道を歩むことにしたようです。

同条件のホープフルSを勝っていますので、ここでは状態さえ問題なければ通過することになるでしょう。

【ローテ】 ダービー、皐月賞から逆算してここを選んだのだと思います。若干余裕残しかと思いますが、調教見ます。

【その他】 川田君の継続騎乗ですがあまり無理なく乗るでしょうね。

シュネルマイスター

【血統】Kingman(Danzig系)×Soldier Hollow(Sadler’s Wells系)産駒です。

チューリップ賞のエリザベスタワーと血統構成が似ていて、父KingmanはスプリンターInvincible Spiritの仔ですが、実績はマイラーでした。

なんと母がドイツのオークス馬という点も同じで、どう見ても中距離型なので、父がマイラーであれ、マイルからの距離延長は歓迎でしょう。

前走でも、ルメール騎手の好騎乗もあるけど楽に追走でき、余裕のある完勝でしたし、距離が伸びてもと思わせる内容でした。

ダノンザキッドを負かすなら騎手込みでこの馬でしょう。

【ローテ】 ここは、勝ち負けしないとクラシックが危ぶまれることから、万全の仕上げになると思います。

【その他】 前走は+14kgで快勝でした。今回の馬体重がどうなりますか。

ゴールデンシロップ

【血統】Havana Gold(Galileo系)×Mr. Greeley(Mr. Prospector系)産駒です。

父Havana Goldの父TeofiloはGalileo系ですが母父がデインヒルで7FのG1を勝っていてHavana Gold自身も7FのG1勝ちがあります。日本では2週前に小倉大賞典を勝ったテリトーリアルがいます。

母父はMr. Greeleyですが、祖母がヨークシャーオークスを連破していますので、父母共に欧州系と言うことを考えれば距離の延長は歓迎だと思います。

前走は安定した勝ちっぷりでしたのでここも通用するのではないかと思います。

【ローテ】 ここは、中2週ですが権利取りのため仕上がっていると思います。

【その他】 北村宏司君にチャンス到来。頑張ってもらいたいものです。内枠が欲しいですね。

ソーヴァリアント

【血統】オルフェーブル×シンボリクリスエス産駒です。

母ソーマジックからはG1には届きませんが重賞活躍馬が出ています。母自身も桜花賞3着しています。

2戦目で1位入線も失格になり、初勝利まで4戦を要してしまいました。父同様であれば、この辺から変化があってもおかしくありません。

4戦を要したのは出遅れ癖でしたが前走はうまく出ました。スタートが鍵になりそうです。

【ローテ】 詰まっていますが、父もこんな感じでしたので、大丈夫かと思います。

【その他】 スタートが鍵になるので、ここへきての乗り替わりはプラスとは言えません。能力的には試金石でしょう。

逃げてよいレインフロムヘヴン、時計はイマイチですが先行してしぶといタイムトゥヘヴン、堅実なタイトルホルダーも圏内ですが、今回は外国産馬に注目します。

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