ファルコンステークス、阪神大賞典、スプリングステークスとフラワーカップのポイントを考えます

レース展望

ファルコンステークス

【レースの特徴】

【馬場】

昨週の馬場は4コーナーを含めて内側もグリーンベルトでした。

時計は昨年ルークズネストの1:20.1は過去10年でダントツの時計でした。今年もそのくらいの時計が出そうですが、過去10年で重馬場か不良馬場は3回あり、季節柄良馬場でできるとは限りませんし、現時点で金曜日から雨が降る予報もあります。

雨が降ったら、その適性を求められる馬場になりそうです。

【距離適性】

ここは、NHKマイルまでは日がありますので、結構独立したG3といえます。

単なる軽いスピードではなく、スピードの持続力・底力が求められる1400mの適性が鍵になります。

以上のポイントから以下に有力馬をあげていきます。

【有力馬】

【トウシンマカオ】

1400mの実績では京王杯2歳S2着クロッカス賞勝ちのトウシンマカオでしょう。

高松宮記念馬ビッグアーサー×スペシャルウィーク産駒でベテラン・ベステンダンクの異父弟です。

父がビッグアーサーに替わってスピード寄りになったことが1400mで活躍できていることに繋がっています。

左回りも問題ないのですが、雨が降った際の適応力は未知の課題です。

【オタルエバー】他逃げ馬

リオンディーズ産駒なので、スピードと底力があり、気性の難しさがあります。

牝系はディンヒル系とサンデーですから、スピードと底力のバランスがとれているように見えます。

ただ、気性の激しさからか、逃げないと好走できない点があります。

あくまで、単騎逃げで好走可能なので枠順や競りかける相手がいるかでしょう。

ニシノレバンテ、デュガ、カジュフェイスと逃げ馬が揃っているので、行ききれた馬が残れてる中京の馬場です。

【プルパレイ】

逃げて好走していたのは、ミスプロ系のクロスで一本調子の傾向が見て取れますね。

前走は出遅れて、マクリ競馬で適性を見せました。

抑えて行った方が良さそうですが、ミルコですし、3-4コーナーで脚を使わなければゴール前で勝ち負けまで伸びてこられるかもしれません。

【ベルウッドブラボー】

シルバーステート産駒は今のところ1400~1800mで活躍していますが、いずれはもっと長い距離で活躍する馬も出てくるでしょう。

ベルウッドブラボーは母父がヨハネスブルグで祖母父がフジキセキなので、かなりスピード寄りになっています。

まだ、レーススタイルが確立されていませんが、基本は勝ったダリア賞のように先行勢について行って、外から並びかけていくレースになれば好走可能でしょう。

【ティーガーデン】

ドゥラメンテ×シンボリクリスエス産駒です。母ルミナスパレードですから、ソングラインの異父妹になります。

未勝利、出世レースひいらぎ賞を連勝した後、3か月あけてここ出走になります。

前走12㎏体重を増やして勝った後の休養は気になりますが、牝系からも1400mへの距離短縮はプラスに働きそうです。

武史君ですし、出来次第では勝ち負けも可能か。

【今のところ】

オタルエバー、カジュフェイス、デュガ、ニシノレバンテと行ければ行きたい馬が多く、すんなり行かないと思います。4頭とも逃げないと結果が出ないタイプなので、残るなら行ききった馬でしょう。その気なら1200mで勝ってきたニシノレバンテが譲らなければテンが最も早いと思います。

結果、これらの馬の後につけられる、トウシンマカオに向くレースになりそうです。

相手になりそうなティーガーデンは状態次第でしょう。

プルパレイが差しに回れば流れた展開で力が出そうな血統背景で、外枠を引けば狙いたい1頭です。

同じことはベルウッドブラボーにも言えて中山マイルで好走しているのでこの馬が穴でしょう。

阪神大賞典

【レースの特徴】

【距離】

3000m超える重賞はG12レースを入れて5レース。

その中でも阪神というパワーが必要で、急坂を2回登るコースなので、最もタフでスタミナを要するコースと言えるでしょう。

【格】

天皇賞の有力馬が出走してくるレースで格がある程度は必要です。G1馬もしくはG1で好走している馬がいいですね。

ここでもG1で2着2回して、昨年完勝しているディープボンドが有力で1倍台の人気を集めそうです。

後は2年連続で連対しているユーキャンスマイルはG1でも好走しています。

【有力馬】

【ディープボンド】

昨年の覇者で、このレースを勝って以降G1戦線で好走する馬に成長しました。

今年はあくまでも本番は天皇賞ですが、昨年の勝ち方から8分でも勝ち負けでしょう。

血統的には決してステイヤー血統ではありませんが、G1で勝ち切れない点、祖母父カコイーシーズの影響が強いと見ています。ただ、G2のここでは適性が高く、中心的存在であることは間違いないでしょう。

【アイアンバローズ】

ステイヤーズSで途中から先頭に立って、ゴール前捕まって2着でした。

母系のスタミナもあるものの、父オルフェーブルを含めて日本では重い血統かもしれません。

ここは、そういった意味では絶好の舞台です。オルフェーブル産駒なので常に能力を発揮できるとは限りませんが、外枠を引けばより確率が高くなります。

【マカオンドール】

ここ2戦長距離で連勝して、ようやく波に乗ってきました。安定感は抜群で、どんなメンバーでもそこそこ伸びて接戦していたのですが、前々走阪神2600m、前走中京3000mと、更に距離を伸ばして勝ち切れるようになりました。

このレース3連覇したゴルシ産駒で、母父ミルリーフ系Darshaanですからスタミナは十分です。決め手のなさも、このコース・距離なら、バゴの甥として特性を活かしてカバーできそうです。

使いすぎなければキャリアを長く走れる血統なので、長距離の安定勢力として、長い付き合いになりそうです。

【ユーキャンスマイル】

一昨年の勝馬で昨年も2着しています。近走凡走が続いていますが、この条件なら好走可能で人気が落ちるようなら狙い目かもしれません。

ディープボンド以外なら勝負になるか。

【今のところ】

8分の出来でもディープボンドの適性と能力は抜けている存在です。

順当ならマカオンドールのスタミナが相手です。

外枠を引けばアイアンバローズの能力を買いたい。

決め手に欠けますが、距離をこなすダンビュライトやシルヴァーソニック、逆にスタートがひどいものの、長い距離でも決め手を発揮できるトーセンカンビーナが穴?

ユーキャンスマイルも走破圏ですが、ここまで手を広げると馬券的に厳しいので、年齢的にも3着までとしたい。

スプリングステークス

【レースの特徴】

【レースの位置づけ】

2013年に勝ったロゴタイプが皐月賞も勝っていますが、近年は一昨年のガロアクリークが皐月賞で3着と余り本番とは縁のないレースになりました。

①皐月賞まで中3週と近年のローテーションではきつい。

②弥生賞、京成杯、ホープフルステークスと皐月賞と同じ距離のレースで能力・適性を試したい。

③結果、皐月賞候補というよりも、参加資格を求めてここに出る馬が多く質が低い。

以上の3点から、あまり本番と縁のないトライアルになっていると考えています。

ただ、皐月賞での活躍馬がゼロではないので素質の高い馬がいるかを探るレースかもしれません。

【コース】

勝ち時計が良馬場でも1:48秒前後で、1コーナーへの入りが短いこと、コーナー4回のコースなので、パワーと器用さも求められるレースです。

【有力馬】

【アライバル】

ハービンジャー産駒で桜花賞2着、オークス3着馬クルミナルが母です。

今年はハービンジャーの当たり年になるかもしれません。牝馬は、すでに東西桜花賞のトライアル、チューリップ賞ではナミュール、クイーンカップではプレサージュリフトと、ハービンジャー産駒が強い競馬で制しています。

アライバルも牝系が良血で末脚を武器にしています。

前走は仕上がり途上と見ていますし、ハービンジャー産駒は、叩かれて良化するタイプなので、ここはルメール騎手で候補に名乗りをあげたいところです。

【サトノヘリオス】

エアデジャヴー一族で、エピファネイヤ×サンデーサイレンス産駒です。

新馬でイクイノックスの4着後2000mで2歳レコードで連勝、中1週強で臨んだホープフルSは厳しかったのか13着と惨敗でした。

立て直してここに出走しますが、やはりデキが気になります。血統的には2000m前後が合っています。これも血統からですが案外中山得意の牝系です。

【アルナシーム】

祖母がドバイマジェスティですから、アルアイン、シャフリヤールのディープインパクトを挟んだ甥になります。

朝日杯FS好走後1戦して2着、しかも馬多重が420kg台とモーリス産駒にしては小柄で減り続けていますが、中山ではパワーも必要なので、この馬体重では厳しいかも。

【ドーブネ】

母父FootstepsinthesandはStorm Cat系なので、ニックスと言えなこともないです。牝系のバランスが日本の競馬に合っているように見えますので、大物が出てきてもおかしくはないのですが、気性が難しいのかスタートも下手ですし、前々走は逃げてしまったので、ディープインパクト産駒としての良さが出し切れていない様子です。

豊君への乗りかわりに期待したいところです。出遅れると中山の1800mでは厳しいので改善されていれば。

【ソリタリオ】

モーリス×キンカメです。今後この配合は筋肉面で注目しています。

祖母ライラプスはクイーンカップを制し、マイル~1800mで活躍しました。父フレンチデピュティですからパワー型マイラーと言えます。

もとよりモーリスはマイラー血統には見えませんので、距離を徐々に伸ばすため1800mを選択したのは正解かもしれません。

前走は典さんにやられて2着でしたが、武史君騎乗のここは反撃に出たいところです。

【今のところ】

休み明け太目残りを叩かれて2戦目のここはアライバルの差し脚に期待します。

立て直されているはずのサトノヘリオス、パワー型ソリタリオは中山に合うはずですが、右回りが初めてというのが気にはなります。

ドーブネもまだ捨てきれないところがあります。

展開的には逃げた方が良いビーアストニッシドがマイペースで行ければ穴でしょう。

フラワーカップ

【レースの特徴】

【レースの位置づけ】

近年では桜花賞のトライアル的な位置付けから、オークスに向けたステップレースという感じですが、先週の中山牝馬Sで波乱の片棒を担いだアブレイズやG3で活躍したコントラチェックなどG3止まりの馬が勝っています。

桜花賞馬キストウヘヴンは2006年、日米オークス馬シーザリオは2005年まで遡らないとその後のG1路線で活躍した勝ち馬は出てきません。

【勝馬の傾向】

①先行馬有利

明らかに有利なのは逃げ・先行馬で、4角1~4番手にいないと勝てない傾向が続いています。

②パワー必要な馬場→馬格が必要

ざっくり勝馬の馬体重は470㎏以上500㎏前後の馬が多い。スピードも必要ですがパワーが必要でそれにはそれなりの馬格が必要です。

以上①、②は2012年の重馬場では当てはまりませんでした。また、2018年のカンタービレは428㎏でした。カンタービレはディープ産駒ですが母父がGalileoで祖母の父ラストタイクーンと欧州中長距離系の血が強く入っていました。

【有力馬】

【スタニングローズ】

キンカメ×クロフネとパワーのある血統で、牝系はローズ一族です。馬格も470㎏台で前走はスローでしたが3番手からの抜け出しました。スタート後つまずいた新潟2歳S以外は先行できていますし、鞍上は川田君ですので、実績も一歩リードしていて最有力と言えるでしょう。

【デインティハート】

エピファネイア×ゴールドアリュ-ル産駒です。エピファネイアはともかく、ゴールドアリュ-ルはダート血統でパワーより、祖母の父はデインヒルですから中距離におけるスピード、パワーのバランスがとれています。

後は能力ですが、中山1800mで前走2着しています。

490㎏台のパワー型で、これで先行できれば勝ち負け候補ですが、差し馬なので2列目評価でしょうか。

【シンティレーション】

前述のデインティハートを前走抑えたのはシンティレーションでした。ロードカナロア×アグネスタキオンでマイル向けですが、祖母父がカーネギーなので、1800mも対応できています。

前走は+12㎏でしたが勝ち切りました。更に良くなりそうです。

【パーソナルハイ】

ディープ産駒ですが、母はミスプロとIntent系Relaunchのダブル18.75%とかなり特殊な血統構成になっています。

好走は逃げて楽勝と赤松賞でも逃げてナミュールの2着があります。こうなると、ミスプロ系の要素が強いようです。

ここも逃げれれば、実績から好走可能で藤岡君も一発狙うかもしれません。

【今のところ】

人気通りですが、スタニングローズとシンティレーション中心でしょう。

そこに、デインティハートの差し脚がどこまで迫れるかです。

逃げるのがパーソナルハイなら、逃げ粘れる可能性もあるか。

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