天皇賞秋、アルテミスSとスワンSの有力馬と振り返り

レース展望

【今週の注目馬】

旧8大競争の中で、最も中距離のスピードと底力のバランスを問われるレースです。

そして天皇賞の意義は58㎏(牝馬56㎏)と日本では最重量を背負って争う点にあり、スピード系中距離馬の真のG1ホースを試すレースになっているからです。

日本における極量を背負って2000mを1:57秒前後で走り、ダラダラと坂を上ってラスト底力の攻防は見応え十分です。

ただ、去年はスロー過ぎましたけどね。

【天皇賞】

コントレイル

コントレイルの血統分析や戦績は「コントレイルを解析します ver3」も参照願います。

古馬G1の中では最も適した条件なので、無敗の3冠馬として負けられないところです。

グランアレグリア

母タピッツフライはPulpit産駒で、母系はノーザンダンサー系で底力があるタイプでしょうか、米マイル牝馬芝G1を2勝しています。

牝系のスピードと底力、ディープのスピードと切れが上手く引き継がれた稀有な存在と言えます。

これまで降着の5着があり、戦績は8.2.1.2で、着外はNHKマイルの降着と大阪杯の4着だけです。

大阪杯の敗戦は、コントレイルと同じ、コーナー4回と重馬場で決め手とスピードを削がれたと見るべきで、軽くて、ワンターンに近い府中の2000mなら距離的な心配はないと見るべきでしょう。

今度こそ、まともに雌雄を決っしたいところです。

エフフォーリア

エピファネイア×ハーツクライと重い感じはしますが、祖母が軽いスピード系でバランスが取れた感じです。

ただ、この血統で、なぜ、菊花賞を選択しなかったのかわかりませんが、皐月賞馬ではあります。

56㎏も、充実武史君も、プラス要因ですが、スピードに若干の心配があり、1:57秒前後で走れるかでしょう。

カレンブーケドール

ディープインパクト×Scat Daddy産駒で、母ソラリアはチリの女傑です。

G1を3回2着していますし、牝馬には縁のない春の天皇賞では、直線先頭に立ってあわやの3着でした。

ただ、まだ2勝で、勝ち切れたのはスイートピーステークスです。

母はミスプロの18.75%ですので、この馬の適性距離はどこにあるのかですが、血統的にはワンターンの1600~2000mですが、これまでの好勝負は長目の距離ですが、勝ち切っているのは範囲内の1600m-1800mなので、ここは良い条件ではないでしょうか。

ポタジェ

ディープインパクト×ジンジャーパンチ産駒で、異父姉はオークス2着、毎日王冠、オールカマーを勝ったルージュバックです。

父がディープインパクトに替わり、決め手が際立つと思いきや、ここまで着外なしの堅実派でした。

まだ、11戦しかしていません。いわゆるディープ産駒10戦限界説はありますが、叩き2戦目も走りますし、相手なりに走る点は買える点ではあります。

【スワンステークス】

ルークズネスト

短距離で特に強さを発揮している3歳馬の一角です。

モーリス産駒で母父がディープインパクトです。祖母がスピード系とスタミナ系から来ています。

ディープインパクトが入っていますが、切れるスピードの絶対値はなく、スピードの持続力で勝負するところはモーリス産駒らしさがでています。

ファルコンステークスを勝っていますので1400mの適性も高いものがあるでしょう。

ホウオウアマゾン

短距離で特に強さを発揮している3歳馬の一角です。

マイル経験しかありませんが、3.2.0.2で重賞を1、2着していて、世代のマイルでは上位形成していると言えます。

母もマイルで京都牝馬Sを勝利し、ヴィクトリアマイル2着のヒカルアマラサンサスです。

母は差し馬でしたがこちらは番手馬で、余りペースが上がらなければ粘りこめるシーンもあるかもしれません。

ダノンファンタジー

ディープインパクト×Caro系Not For Sale産駒で母はアルゼンチンの名マイラーでした。

実績として1400mで最も高いレベルのレース・阪神カップを快勝していますが、気性が激しく、通算成績6.1.0.9と新馬の2着以外は勝つか着外で、いわゆるピンかパーです。

ここも中内田厩舎ですから、休み明けと言うよりも、折り合いとスタートが鍵になります。

ここもピンかパーでしょう。

クリノガウディー

どうもスクリーンヒーロー産駒は安定性に欠けていますが、3走前の安土城Sの内容が強かったので、ここでも通用しそうです。

ただ、右回りも走らないわけではありませんが、明らかに左回りの方が良さそうです。

カツジ

昨年は岩田騎手が思い切って行くと緩いペースで、まんまと逃げきりました。

母父がホワイトマズルで極端な競馬しか好走できていない現状があります。

行くとしてもマイスタイルや行くかもしれないルークズネストしかいないのですが、もうテンのダッシュがつかないと思います。

【アルテミスステークス】

フォラブリューテ

エピファネイア×母ブルーメンプラット産駒です。

ブルーメンプラットはマイルチャンピオンシップを勝ち、ヴィクトリアマイル3着など一流マイラーでした。

ブルーメンプラットの父アドマイヤベガはサンデー×ベガ産駒でダービー馬です。牝系Sir Gaylordは欧州系スピード血統です。

軽いスピードや切れで勝負するタイプではなく、パワー型マイラーなのですが、そこは小柄な牝馬なので、スピードも切れもついてきました。

乗り替わりますがルメール騎手ではマイナスではなく、府中ならなおさらです。

ロムネヤ

ディープインパクト×All American産駒です。All AmericanはRoberto系Red Ransom産駒で豪州マイルG1を勝っています。

母ヤンキーローズは、豪州の1400mや2000mのG1を勝っています。

そこにディープインパクトですから、決め手のある短中距離馬になりそうです。

新馬戦はスローの逃げでしたが、差した方が良さが出るように思えます。

ただ、馬体が小さいので、追い切りやローテに気を配る必要がありますが、国枝さんなので大丈夫でしょう。

ベルクレスタ

ドゥラメンテ×ミスプロの仔Numerous産駒です。

異父(ステイゴールド)姉にはヴィクトリアマイルを勝ったアドマイヤリードがいます。

ミスプロの血量18.75%ですが、一本調子の傾向が強いわけでもなく、前走の楽勝をどう見るかでしょう。前走の勝ち方は圧巻ですが時計は遅かったと思います。

松山君が土曜から府中に来ますね。

【先週の振り返り】

【富士S】

◎⑦タイムトゥヘヴン 3着

▲⑩アルジャンナ   9着

〇①ソングライン   1着

☆⑯ダノンザキッド  4着

△⑤ロータスランド  10着

△②ザダル      7着

時計が47.0-46.2=1:33.2と前日の雨の影響もあるうえ、後傾ラップで時計が掛かりました。

そんな中、出遅れて最後方からになった◎タイムトゥヘヴンでしたが、後方2番手から伸びてきて力が入ったのですが、まさかの後ろから来たサトノウィザードに交わされて3着でした。

勝ったのは、こちらも出遅れ気味で、馬群にもまれる展開から、力強く抜け出したソングラインで、シュネルマイスターと接戦を演じた実力を誇示した感じです。

前走は人気を裏切りましたが府中は走りますね。

4着以降はマイルに馴染みのない実力馬たちの接戦でした。

タイムトゥヘヴンは出遅れなければもっと走れた保証はありませんが、残念でした。

馬券は〇-◎のワイドのみでした。

【菊花賞】

◎⑱オーソクレース   2着

▲③タイトルホルダー  1着

〇⑤レッドジェネシス  13着

☆⑰ヴィクティファルス 10着

△⑭ステラヴェローチェ 4着

△⑯グラティアス    15着

60.0-65.4-59.2=3:04.6と最初の5Fは早かったものの、中だるみして、ラスト5Fが59.2と速く、そのままタイトルホルダーの時計なので、後続勢は阪神で、皆消耗してしまいました。

タイトルホルダーは圧勝まであると書きましたが、阪神大賞典のディープボンドのイメージが蘇えったためです。

タイプは違いますが、勝ち切りました。勝ち切ったのは、武史君の前走のミスは繰り返さないとした気迫だったと思います。凄い騎手です。

オーソクレースは大外枠で出遅れ気味に出て、中団後ろの外目につけざるを得ませんでした。スタート出て、最初のコーナーまでに中団前につけたかったと思います。

勝馬とは走った距離が相当違うので、良く2着に来たと思います。出遅れたのでルメール騎手のナイスプレーとは言えないですね。

驚いたのはディヴァインラヴで、あわや2着の3着で、ステラヴェローチェをハナ差抑えました。

馬場が軽くなっていたのが良かったのと、祐一君マジックとしか言えないです。

レッドジェネシスはチャカついていただけでなく、気温の割には発汗もきつく、長距離レース前に終わっていた感じでした。

ヴィクティファルスにはラスト5Fの時計が速すぎました。血統くらいは走っていたと思います。この馬よりも軽めの血統で能力も同等以上を予想の基準にしましたが、低い基準になってしまいました。

グラティアスは何の不利もなく、15着は距離適性が全くなかったと見るべきでしょう。がっかりしました。

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